この記事は、お盆に出場者アンケートを行い、共有してもらったロボットの制作状況をもとに編集している。
当時すでに大会まで2週間を切っているが、まだまだ制作中のロボットが目立つ。これは決して夏休みさぼっていたからではなくて、直前まで試行錯誤と調整を繰り返しながら、当日ギリギリまでかけて最高の作品を作り上げるのがロボットバトル道であるからだ。
……と思いたいが、正直明らかにたった今作り始めたなという感じのものもあった。
以下、オレンジの太字はロボット名、カッコ内はチーム名だ。
DUCK GUN マーベリック(おもちゃドクター)
前置きからの流れをぶった切るが、まずはもう最高に仕上がったロボットから紹介しよう。
映画「トップガン」を意識したビジュアル、モーターを8個搭載、キャタピラの強馬力、そして正面のヘラですくい上げた相手を手前のベルトコンベアで持ち上げるという技……完璧である。
もうたぶんこれが優勝するので、みなさんには準優勝を目指して頑張ってもらいます。
クマドッグ(モリホン)
ただかわいいだけの写真が送られてきて笑ってしまった。説明にも「熊1匹と犬2匹の可愛らしさ」とだけ書かれている。
ヘボコンはロボットバトルの大会って知ってますか。
メチャワルイマジユルセンロボ(秘密結社『星を堕とす者』)
写真からはわからないが、添えられた説明によるとかなり多くの技を持っているマシンのようだ。全部引用すると長いので、一番気になった点を抜粋しよう。
アーム・・・恐ろしい武装の備わる複数の腕。機関銃、鋭い爪、ポテチのつきまくった指、勝手に保護したスズメなど、それぞれのアームが凶悪な性能を持つ。
後半に行くにつれて徐々に支離滅裂になっていくのが怖い。勝手に保護したスズメって何だ。
転生した悪役令嬢がヘボコンマシンだった件(悪役令嬢商会)
この写真のどこにも人間は映っていないのだが、悪役令嬢のエッセンスだけが存在している。悪役令嬢のイデアみたいなロボットである。
また、「セリフをしゃべりながら戦わせたかったができなかったのでフキダシで代用する予定」とあった。この妥協がヘボコンの醍醐味だ。
キムさん(HenachokoSideRobotics)
キムワイプの箱に目鼻が書いてあるのに気づけばキャラクターが見えてくる。上にあるのは角。口からキムワイプ。
「大会直前にWifiルーターが壊れて、プログラムできなくなったので、ボタンに重しを置いて動かします。」とある。
今から買っても十分間に合うので早々にあきらめないでほしい。
ヘボコンとボートしか勝たん独身男の休日記念(ちあきーず)
今回のヘボコン2023では、今までにないタイプの場外活動が展開された。
「8月19日(土)に浜名湖ボートレースでヘボコンにちなんだ冠レースを開催します。レース名を命名しました。第9Rです。ネットミームの「ビールとボートしか勝たん独身女の休日記念」に倣って場外乱闘に専念しました。そちらの事務手続きに力を入れすぎて、ロボットは未完成です。当日まできっと完成しないことでしょう。」
その様子はこちらのYoutubeで見られるはず。
マシンの必殺技としては、勝舟券をあちこちに貼り付けて敵ロボットの射倖心を煽るのだそうだ。ロボットに射幸心はあるのかという哲学的な問いがここに生まれた。
全肯定ロボ 〜イエスマン〜(じきるう)
「同意しまくって相手の戦意を喪失させます。」とのことで、この構想だけが送られてきた。
コンセプトにユーモアがあるし、また首振りと連動することで一定のコントロール性能もある良いマシンだと思う。ただ、イエスマンを自負するなら早めに作り始めてほしい。
無変形ロボ お役所 シヴォサー(あきばこさん)
「災害時に市民を守るために作られたロボ…というか役場がそのまま出撃」
「陸だけでなく、空を飛べるプロペラ、水を走れる水中モーターなど、あらゆるフィールドを想定した装備」
「空を飛べるプロペラ」と書かれているが、搭載されているこれ、明らかにプロペラだけ飛んでいくおもちゃである、
ぼーん(でゅお)
「棒使い多脚ロボ」とのことで、6足歩行ロボを二連装した12足ロボと思われる。多脚の数が思ったより多い!
また直線運動を作るラックギア(直線ギア)が見えるので、突き攻撃ができるのかもしれない。まだ謎の多いロボ。
甘食UFO(春風の通り道)
一体のロボットの中に「春風+甘食+UFO」という複雑なコンセプトが完璧に実装されている。ただ最大のチャームポイントは、その肝心のコンセプトの意味が全然わからないところであろう。なぜ甘食をUFOに…!?
シャコッチとThe日常(ファミリー コイケ)
説明には「日用品を使った心温まるロボ”The日常”の散歩で、心を癒されながら戦いに挑む”シャコッチ”。」とある。唯一、ロボット同士の相関図までこまかく構想してくれたチームだが、主催者としては、そもそも出場機は1体までであることに注意してほしいなと思う。
こやぎ(やぎせんせい)
手作り感と初期衝動にあふれたマシン。
「すぐ壊れるかもしれませんが、セロテープで貼りなおせば、簡単になおすことも出来ます。」とあり、このカラッとさわやかな雑さがヘボコンの醍醐味という感じがする。
強いゾー(チーム高田)
装甲をかぶせたパワーショベルのマシンかと思ったが、ロボット名を見てハッとした。これ、動物の象である。
最小限の要素で表現されたミニマリズムの象。かなりアーティステックに思えるが、そのうえで改めて名前が「強いゾー」なのがギャップ萌えである。
あとはできてないチームからの報告です。
あひるちゃん(チャーリー浜岡GP)
これもミニマリズムのアヒルなのかと一瞬思ったが、ただできてないだけだった。
強き一票(こやしゅん)
こういう形のロボットかと思ったらこれは本当にただの投票箱とのこと。(投票箱??)
Gごろう(さとう)
まだスケッチの段階だが、Gゴロウはゲンゴロウの略であることを祈りたい。
写真がなかったロボたち
今のところ写真が集まっているのは以上だ。
他にテキストだけで寄せられた情報にも気になるものが多数あったので、最後に箇条書きでご紹介したい。
- 親子で喧嘩しながら作った。(マジ喧嘩)
- 一緒に出場予定だった友人が海外旅行に行ってしまう為ひとりになった。
- メロンボール(メロンシャーベット)の容器を撒き散らします。
- ロボットの構想を聞くとサッと「八角形のボディから突き出た棒にメガネを装着してぶん回して攻撃する」という絵を書いてきた
- 光ってると技術が高そうに見えるなと思ったので、とりあえず光らせてみています。 現状特にそれっぽくもない上に意味もないのでどうしたものかと思っています。
- (魔王がコンセプト)倒したり倒されたりしても誰も傷つかないのは何なんだよと考えたら、魔王しかいなかった。
これらのロボットが(成立ギリギリの)バトルを繰り広げるという白昼夢のような大会が、来週末開催される。チケットを買っていただいた方は会場で、そうでない方は無料のライブ配信で、ぜひ見届けてほしい。
ヘボコン2023・イベント概要
2023/8/26(土)
17:30 OPEN 18:00 START(出場者は16:00集合)
@東京カルチャーカルチャー(渋谷)
- 競技ルールはこちら→公式ルール
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タミヤがお届けする、小学生向けの「モノづくとプログラミングのスクール」です!
全国各地で、たくさんの小学生が「自分のアイデアを形に」しています。
将来、その生徒達が、ヘボコンで大活躍する日を楽しみにしています!
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