チョコが溶ける季節、夏
家のデスクにチョコレートを常備しているのだが、これがうっかりすると溶ける。
それほど気温の高くない室内でも、西日が当たるとちょっと溶ける。
それがふたたび固まると白っぽくなる。よくチョコのパッケージ裏で説明されている「ファットブルーム現象」 というやつで、これが起きるとまったり濃厚なチョコがパサパサのボソボソになってしまう。
全自動手作りチョコの制作
中途半端に溶けるとそんな悲劇が起こるが、これを逆手にとってドロドロに溶かしてしまえば、手作りチョコを作ることもできそうな気がする。
狙いとしてはこうである。
1.夏の暑さでチョコレートが溶ける
2.夜間、涼しくなったところでチョコが固まる
→全自動手作りチョコの完成!
「全自動でやったらそれは手作りとは言えないのではないか」という意見もあると思うが、そもそも溶かして固めただけのものを手作りといっていいのかという議論は以前からあり……要するに細かいことは言わないでいただきたい。
この感じなら夕方を待たずして1時間もすればどろっどろの液状になりそうだ。
そして1時間後
あれ、おかしいな…。溶けてはいるが、まだ全然タブレットの原形をとどめている。
そして手作りチョコが完成するはずだった時間
夜の22時まで待ち、予定なら一度溶けてドロドロになったチョコが冷えて固まったはずの時間である。室内に取り込んでみよう。
こちらはカバーで覆っていたもの。ところどころ形が崩れてはいるが、全体としては元のタブレットの形を保っている。また、表面はつやつやしていて明らかに固まっていない。つまり
1.夏の暑さでチョコレートが溶ける
→ドロドロになるほどは溶けない
2.夜間、涼しくなったところでチョコが固まる
→固まらない
なにひとつうまくいかなかったわけである。あらー。
直視したくない結果のことをあまり考えないように、心を無にして冷蔵庫に入れた。
実は溶けてた
ところがである。途中で投入した、直射日光に当てていたチョコを取り込んだ時のことだ。
暑せん、できてる…!
どうやらチョコレートは加熱しただけではドロドロになってくれないらしい。製菓用チョコを買いまくっている割に全部そのまま食べている僕は、チョコづくりを知らなすぎた。混ぜればドロドロになるのか!
こっちも冷蔵庫で冷やしてみることにした。
きっと、さっき冷蔵庫に入れた方も、溶けてないと思ったのは早とちりで、混ぜてやればドロドロになったのだろう。
試作一号完成
さて冷やして固まったチョコレートはどうなったか、結果を見ていただこう。ちなみに型はネコの顔の形です。
どっちも、思ったよりちゃんとチョコレートになった。気になることといえば気泡が入ってしまい欠けが目立つことと、ところどころ分離して白くなってしまったことか。
しかしなんといっても味は…
くちどけが良くて、むしろもとのチョコより濃厚な味がする…!
混ぜ工程が必要ということで全自動のもくろみこそ外れたものの、日光で「暑せん」するというアイデア自体は、意外といけるかもしれない。
…というわけで次ページでは2回目のチャレンジでもう少し工程を洗練しました。ドキドキ実験記事はここまで。つづきは実用レシピ記事になります。