特集 2025年4月14日

群雄割拠!餃子の王様はいたるところにいる

⑤相模原市淵野辺「餃子・王」…本格四川な激辛餃子

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JR横浜線淵野辺駅から徒歩5分ほどの場所にある餃子・王。老舗の四川料理店だ

淵野辺、あまり降りたことがなかったけど、大学が多いのと米軍基地が近いからか、思った以上に居酒屋やバーの多い街だった。

そんな繁華街のすこし外れの方にある餃子・王。

外から店内は見えないけど、お客さんのにぎやかな声が聞こえてくる。

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入ると壁一面に紹興酒が並ぶ
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メニューが格好いいぞ

ここは四川料理のお店なので、マーラーとかスーラーとか、辛いメニューがたっぷりとある。

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そしてホルモン系が多い。気になるな
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一方、一人客向けの町中華的セットメニューも充実している

餃子メニューもシンプルな焼き餃子や水餃子だけでなく、スーラータン水餃子、羊肉焼き餃子、四川激辛餃子まである。

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今回は四川激辛餃子(550円)と、北京焼き餃子(550円)を頼んだ。中が赤いぞ
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まずは焼き餃子から。中国料理にありがちな水餃子を焼いたものではなくて、しっかり皮の薄い焼き餃子だ
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これもすっごく美味いぞ!

野菜もたっぷりなのだが、肉もたっぷりに感じる。ジューシーだ。ジュースがあるのだ。それも肉汁ドバッではなく、噛むごとにじゅわっと肉汁が出てくる。ひき肉の粒が大きく、肉を噛みしめることができるのだ。

何もつけなくてもしっかり餡に味がついているところが北京風なんだろうか。

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次は見るからに辛そうな四川激辛餃子。マツコの知らない世界で紹介されたこともあるそうだ
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食べる
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辛い辛い辛い!(肉汁が鼻の方に入った)
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でもすげー美味い

鼻水、涙、汗、美味さ。

ジェットコースターに乗った後のような達成感がある。

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そりゃ辛いよね、という見た目。軟骨のようなコリッと感もある(食べかけですみません)
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一緒に頼んだスーラー八宝湯麺。熱い、酸っぱい、辛い、生姜、旨い!って感じの味だ
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モツがゴロゴロ入っていて最高だった。ジューシーで臭みはいっさいなく、いくらでも食べれる
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五目炒飯も油っこくなく、しっかりと炒められており中華の技を感じる

中国語が聞こえてくる店内だが、スピーカーからは「襟裳の春は~♪」と歌謡曲が流れてくる。

中国語を話す常連さんもいるば、その横で宴会をしている年配の団体客も盛り上がっているし、学生さんの一人客はガッツリ夜飯を食べているし、カップルは辛い辛いと楽しそうだ。懐の深いお店なのだろう。

ちなみに、ここは王(ワン)さんのお店だから餃子・王なんだそうだ。餃子王ではないんだな、王なんだけど。

 

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⑥浅草「餃子の王さま」…元祖餃子の王さま

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ついに浅草にきました

さて、最後は冒頭で紹介した餃子の王さまだ。

1954年創業、王様界の老舗である。

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五重塔のすぐ近くにある。浅草は世界中のにおいがするね
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11時15分開店。日曜の11時の時点で15人くらいは行列ができていたが、開店と同時に入れた
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5か国語で表示される王様の餃子。Raviolis chinois maisonはフランス語だろうか。大王もかっこいい
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1階は年季の入ったカウンター席だが、清潔感がある
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頭上のメニューも渋くていいね
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王さまの餃子と肉餃子をたのむ
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待たされずにサッと出てきた。これが王さまの餃子か…!

ここでは餃子を包むではなく、握るというらしい。注文があったら、握って油で揚げるようにして1~2分で完成するという。 

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焼き、というより半分揚げられている。この半分というところがミソだ

すごい。カリカリを超えたクリスピー感のある揚げと、皮のモッチリとした食感が共存している。

そして全然油っこくない。

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中は超絶細かい野菜餡

舌触りがなめらかで、つややかだ。

舌触りがよい餃子ってはじめてだ。テクスチャーを感じる。意味わかってないけど。

クリスピーでモッチリでテクスチャー。

そのバランスが絶妙だ。これぞ普通の王様なのだろう。

これなら、何皿でもいける。

1週間餃子を食べ続けていた自分にとっても、いくらでも食べれそうな味。

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次は肉餃子だ。ぷっくりとしたその形に握られた愛らしさがある
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こちらはうってかわって肉のジューシーさがある

肉々しいメンチカツを食べているような、一粒でたしかな満足感のある餃子だった。これは毎回どっちも頼みたくなる味だな。

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酢胡椒とラー油。ラー油はしっかりと辛みのあるものだった

このお店、創業当時は「餃子や」だったが、常連さんに「餃子の王様」だと褒められたことから今の店名になったというエピソードがあるそうだ。

自称ではなく他称から生まれた餃子の王さま。王の中の王である。

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名物のレバニラ炒めも超新鮮。これまでの人生でベストのレバニラだった
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ラーメンも真夏の朝でも食べれそうなスッキリ味。しかも満足感のあるスッキリなのだ

どの料理もスッキリしていて、毎日でも食べられそうな味。

混んでいるのに、待たされることなくスッと出てくる餃子たち。

これが江戸の粋なんだなあ、としみじみ思った。

帰る際、こじんまりとした店内なので、店員さんが「後ろを通りまーす」と声をかけてくれる。そうすると、カウンターのお客さんたちが体を前に倒してスペースを作ってくれる。

そういうところも、文化だなあ。

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路地裏が綺麗だった

餃子の王は浅草にいるのだ。


まだまだある、餃子の王様たち

今回は6店を紹介したが、東京にもまだまだ餃子王という名前のお店はあるようだ。それに、京都や大阪にも、餃子王は存在する。

戦国時代は続いていくのだ。

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そもそも王将も王だよな…と今更ながら思った

 

編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
いろんな餃子のスタイルが続々登場、そして各「王」の王であり方というか、アピールのしかたにも餃子と同じくいろいろ個性があるのがみどころです。そうかと思えば5つ目のお店、「王(ワン)さんのお店だから餃子・王」がフェイントで笑いました。いろんな王がある。(石川)

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