特集 2023年10月24日

日本の飲食店でメニューをGoogleレンズ翻訳すると海外にいるみたい

海外旅行でレストランに行くと、現地語で書かれた文字だけのメニューが出てくることがある。

どれが肉で、どれが魚かすら分からない。

でもそんな中から直感で選んだり、他のテーブルから美味しそうなものをさがして注文するのは楽しく、海外にいることを感じられる瞬間でもある。

そんな海外旅行ならではの楽しさを、日本にいながら味わう方法を見つけたのでご紹介します。

1984年岐阜県生まれ。変な設定や工作を用意して、その中でみんなでふざけてもらえるような遊びを日々考えています。嫁が世界一周旅行中。

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Googleレンズが海外旅行で大活躍

先日オランダとデンマークに旅行にいった知人が、スマホで使える「Googleレンズ」という機能がすごく便利だったと言っていた。

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こちらはオランダのアムステルダム国立美術館

Googleレンズというのは、スマホにGoogleのアプリをインストールすると使える機能で、

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アプリを起動して、
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「テキストを翻訳」を選び、
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カメラを文字にかざすと、
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すぐに翻訳してくれる。

僕ははじめてこれを体験したとき、すごすぎて「は?」と一瞬フリーズしてしまった。

今の技術ならこういうことはできるんだろうなと想像はしていたけど、実際に目にすると、あまりにスムーズに翻訳していて驚いた。

マジシャンがシルクハットを持っていたら「ハトが出てくるな」と想像はできるけど、実際に出てきたらやっぱり驚いて拍手してしまう。

それとよく似た、Googleレンズというマジックだ。

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しかも選べる言語は100以上。ハトというよりは万国旗が出てくるタイプのマジック。

そんなGoogleレンズが旅先で特に活躍したのはレストランで注文をするときだったそうで、

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※写真はイメージです(アムステルダムにあるアップルパイ屋さん)

このような文字だけのメニューが出てきたときに使うと、

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どんな料理なのかを大まかに知ることができて便利だったという。

たしかに、ここまで何が入っているかが分かれば安心して注文ができそうだ。そして何より、ここが前菜のコーナーだと分かるのがありがたい。

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上のメニューにはないけど知人が現地で食べたもの。日本では見たことないけどおいしそうで、理想の海外メシという感じがする。
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逆のこともできるでは?

一方で、文字だけのメニューが出てきてしまい何も分からず注文するというのは、海外旅行の楽しさの1つでもある。

学生時代にベトナムに行ったとき、当てずっぽうで頼んだ料理が当時は知らなかった空芯菜の炒めものだった。

それがあまりにおいしくて、一緒に行った友だちと日本に帰ったらこの野菜の農家になろうと盛り上がったのはいい思い出だ。

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ライターのとりもちうずらさんも、こちらの記事で行ったチェコのカフェのメニューが文字だけだったけど、親切な店員さんとのコミュニケーションでクリアしていた。

先ほどの知人の話を聞いて、逆にGoogleレンズで日本語のメニューを外国語に翻訳すれば、日本にいながらああいう楽しさを体験できるのではないかと思った。

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つまりこういうことです

いろんな制限がなくなったとはいえ、そもそも海外にはそう頻繁に行けるものではない。

メニューとGoogleレンズの力を使って、近所で海外を味わえないか試してみよう。

そば屋にアラブの風が吹く

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やって来たのは、家から電車で2駅のところにあるこちらのそば屋さん。

そば屋って、特に昔からやってるお店はメニューが文字だけのイメージがある。ここもそうであってほしいと願いながら中に入ると、

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文字!

期待どおり写真が全くない文字だけメニュー。
そしてそこには「そば」「天丼」「おにぎり」などザ・和食が並んでいる。

しかしそこにGoogleレンズをかざしてみると、

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突然そば屋にアラブの風が吹いた。なんだったら香辛料の香りまでただよってくる。

そして何より、

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分かんね〜!!

今さっきまで日本語で見えていたメニューなのに、アラビア文字になったとたん何が書いてあったか全く分からなくなる。

まるで記憶をなくしたかのよう。分からなすぎて興奮する。

そして上の写真のとおり、このお店は店内の壁にもたくさん日本語のメニューが貼ってある。なのに、今僕の目の前のメニューだけはアラビア語。A4サイズの時空移動だ。

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高すぎず安すぎない値段で安心感があったのと、なんとなくこの部分に主張を感じたのでこれを注文。
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スマホを外したら「かき揚げ天ざる」だった。いいじゃん!

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もちろんうまい!

全く分からないメニューからの注文だけど、とはいえ日本のお店なので、知ってる範囲の料理が出てくる安心感もいい。

そして、あの海外旅行での体験を日本で手軽に味わえている。飛行機すら乗らない、電車で2駅の海外だ。

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いつもの街で世界一周

この体験が面白かったので他にもいろんなメニューで試してみると、

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いつも前をとおる千葉のカフェは
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イタリアの街かどに変わり、
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ラーメンは全く知らないエスニックな食べものに見えてくる。辛さを示す唐辛子マークがいつも以上にありがたい。
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そしてマクドナルドでは、
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知ってるんだけど知らないメニューが現れた。
旅先で「マクドナルドってこの国にもあるんだ」と思うやつだ。
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月見バーガーってタイでもやってたんだ(やってない)

いつもの生活圏内で世界一周グルメツアーまでできてしまった。というより、もはやメニューが旅の目的になっている。

こうなると、今度は友だちとも一緒に旅行にいきたくなる。この楽しさ、みんなにも体験してもらおう。

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ちなみに縦書きのメニューだとこうなってしまうので、横書きのものでやる方がリアルで良いです(でっかく書かれた「握り」が「grip」と訳されていて笑った)

⏩ 次ページに続きます

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