ガイドブックを捨てよ町に出よう
というわけで地元の人に頼り切って新潟を旅してきました。
改めてこの企画は最高だと思う。まず準備をいっさいしなくていいこと、そして地元の人と話すのでおすすめ以外にもいろいろな話が聞けること。ぽっかり2日くらい休みが取れちゃった人はぜひやってみてください。

次はホテルのフロントで聞いたラーメン屋さんである。新潟はラーメン激戦区なのだとか(ラーメン好きには有名ですか?)。
なかでもこの三吉屋は新潟あっさりラーメンの元祖と称されているらしい。
のれんをくぐると常連らしきお客さんが2名、カウンターに腰掛けて野球中継を見ながらラーメンを食べていた。しかし2人は野球ファンではないのだという。
「J2とJ1だと、まず審判の質が違うわな」
2人はサッカーチームのアルビレックス新潟のファンなのだった。僕はあまりこのあたりに詳しくないのだけれど、アルビレックス新潟はJ2リーグに所属しているのだという。
一人のおじさんは言う「おれが見ると負ける、だからなるべく見ないようにしているのだ」と。
その気持ちわかる。実は僕も中日ドラゴンズという野球チームのファンで、そのチームがこのところてんで勝てずにいるので同じことを思っていたのだ。僕が見ると負けるな、と。見るけど。
サッカーのことはよくわからなかったので「応援してます!」とあいまいに切り上げてしまったが、そのおじさんがこのお店のラーメンをえらく褒めていたのは印象的だった。
確かに美味い。東京とかにある殺伐としたラーメン戦争に巻き込まれずにやってきた、地元ならではの腰の据わった味だと思う。
サッカー好きのおじさんたちに教えてもらいやってきたのが新潟駅にある日本酒のお店「ぽんしゅ館」。ここはなにしろ新潟の日本酒なら何でも買えるし試飲もできるのだとか。
一日取材をしてへとへとだし、もう夜なのでそろそろ飲んじゃってもいいのではないかと思う。
ぽんしゅ館に来たら店内奥にある利き酒番所93。ぜひここに行ってほしい。
最初、店内で買い物をしながら恐る恐る覗いたのだけれど、入口で止められた。
「お客さん、ここから先、かごを持っては入れません」
映画でカジノに入ろうとしたマフィアが拳銃を持っているのがばれて止められるやつだ。
このコーナーではお酒は買えない。ただ、試飲はできる。そこを間違えられては困りますぜ、ということなのだろう。素直にいったん外に出てかごを置いてきた。
試飲コーナーでは最初に500円払うと試飲用のおちょことコインが5枚もらえる。コイン1枚で利き酒1杯、つまり500円払うとこの数えきれないほどの日本酒の中から、おちょこに5杯だけ利き酒ができるという仕組みだ。
最高である。もう、他に言うことはない。いままで日本酒をあまり飲んだことがなかったのだけれど、なんともったいない人生を送ってしまったのかと反省したほどだ。そのくらいどれもこれもうまい。
コインは5枚セットで、足りなかったらまた500円払って5枚買うことができる。つまりエンドレスに100種類の日本酒を飲み続けられるのだ(居酒屋ではないので酔っぱらってる人はいないですけど)。
これだけあるとどこから手を付けていいのかわからないと思うだろう。そんな初心者のために好みによって銘柄を勧めてくれる。
気持ちよく利き酒コーナーを出ると、そこはめくるめく日本酒の世界である。本当にもう、ありとあらゆる日本酒が並んでいる。
日本酒以外の品ぞろえもちょっと鬼がかっている。
加えて驚かされるのはしょう油の品ぞろえだろう。
変わったしょう油は日本酒みたいに利きしょう油できる。
結局このぽんしゅ館に閉店近くまでいました。
少し雨がぱらついている中、気持ちよくホテルまで戻り、寝て起きたら台風が直撃していた。
この日も走ろうと思って早起きしたのだけれど、大雨だったので電車の時間までこの原稿を書いています。 こういう旅の終わりもいいものだと思う。
というわけで地元の人に頼り切って新潟を旅してきました。
改めてこの企画は最高だと思う。まず準備をいっさいしなくていいこと、そして地元の人と話すのでおすすめ以外にもいろいろな話が聞けること。ぽっかり2日くらい休みが取れちゃった人はぜひやってみてください。
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