新潟市水族館「マリンピア日本海」
阿部鮮魚店で教えてもらったもう一つのおすすめ、それがこちら。新潟市水族館「マリンピア日本海」。
僕は動物園とか水族館が好きなのでありがたい情報である。
水族館がいいのは、動物園とちがって生き物が室内で見られることだ。この日は雨が降ったりやんだりの天気で雨宿りばかりしていたので、室内なのは本当にありがたい。
新潟市水族館は巨大水槽ももちろんいいけど、僕がいいなと思ったのはこの「育成室」である。まだ展示に出していない生き物たちを大切に育てている様子が見えるのだ。
イルカショーでイルカに触る
このあとお約束のイルカショーを見たのだけれど、途中で「お客さまの中からショーにご協力いただける方はいませんか!」と聞かれたので元気に手を上げたらまさか子どもたちを差し置いて選ばれてしまった。
ただ、プールにカメラを持って入ることが禁止だったのでここに載せる写真がない。こういう時に一人取材はつらい。もしこの回のショーを偶然見ていて、僕がイルカに指示を出したらイルカが胸ビレで僕に水をかけたシーンを撮っていた人は写真ください。
ショーの後、スタッフのおじさんにこのあたりのおすすめスポットを聞くことができた。
砂丘館
新潟に砂丘なんてあっただろうか。その砂丘ではないのだろうか。砂丘館は歩いてもすぐだというので行ってみた。
砂丘館は、もともと日銀新潟支店の支店長宅だった建物を新潟市が買い取って一般公開しているものらしい。いまは定期的にいろいろな企画展が行われている。
この日の展示は新潟のルーツとなったといわれる「鎧潟(よろいがた)」をテーマとした企画展だった。迫力のある絵画と、当時の潟の植物をアクアリウムで再現したという展示で、ひとつひとつがすごく力強くて見入ってしまった。
献血ルームばんだいゆとりろ
砂丘館へ行ったところで情報がなくなってしまったので、いったん街に戻って献血することにした。
いま飛躍があったように思えるが、知らない土地で献血をするのが僕の趣味なのだ。地元の人に頼り切った分、すこしくらいは恩返ししてもバチはあたらないだろうとも思う。
新潟駅近くにある「ばんだいゆとりろ献血ルーム」は昔ながらの優しい献血ルームだった。最近、特に都心部ではものすごくクリーンで最先端っス!みたいな献血ルームもあるんだけど、こういう落ち着いた雰囲気の献血ルームも僕は好きです。
献血ルームでこのあたりのおすすめを聞くと「このあたりだと萬代橋でしょうね!」と言われた。朝ジョギングしたときに見たあの立派な橋である。
朝のジョギングで見つけてチェックしていたサンセットクルーズで川から萬代橋を眺めたい。
信濃川サンセットクルーズ
現れたときは浅草で乗れる近未来的な水上バスが来たな!と思ったのだけれど、近くに来るとわりとなんというか近未来的というかザ・現代といった感じの船だった。
サンセットクルーズは朱鷺メッセというでかいビルのふもとからスタート、25分くらいかけて信濃川を下って戻ってくる。その名のとおり夕暮れ時、ちょうど川の上を気持ちのいい風が吹くころに出発する。
このサンセットクルーズにぜひ乗りたかった理由のひとつが橋の下をくぐれる、という点である。前にパリでセーヌ川をクルーズしたときも橋を下から眺められて感動したのだ。
さっき献血ルームで勧めてもらった萬代橋の下ももちろん通る。
こんなに興奮して外に出てるのは僕だけだった。楽しいのに、橋の下。
みかづきのイタリアン
ところで、今回の旅で唯一出発前から新潟出身者に勧めてもらった食べ物がある。それが「みかづきのイタリアン」である。新潟のソウルフードだから絶対食べた方がいいぞ、と。
イタリアンについてはすでに一度記事になっているが、本場新潟で食べてこそだと思ったので行ってみた。そもそもイタリアンとは何か。イタリアのごはんではないのか。
新潟でいう「イタリアン」はいわゆるイタリアンな食事ではない。
焼きそばみたいな麺にもやしとコーン、キャベツ。この上にうまいミートソースが乗っかり、最後に生姜が花を添えている。それが新潟のイタリアンなのである。
イタリアンは母が作った「なんだかわかんないけど混ぜているうちに美味しいものができたわ」みたいな味がした。しかしこの美味しさはけっして偶然なんかじゃなく、長年にわたり新潟県民に愛されてきた歴史がある。
僕が店内でイタリアンを食べている間に、学生さんっぽい若者が何人もイタリアンをテイクアウトで買って行った。
そうだ、これは若者の味だ。寿司とかすき焼きとかを知る前の、世界が自分から半径5キロくらいしかなかったあの頃の美味い物である。