デジタルリマスター 2022年9月10日

ドイツ・ミュンヘン、本場のオクトーバーフェストへ!(デジタルリマスター)

飲め飲め、せいやっ、せいやっ

ものすごい飲み会が開催されるという情報を聞きつけた。かなりの大人数で、全員ビールをがぶがぶ飲むのだといいう。

ビールだったら私も普段から飲んでいるが、飲む量がはんぱないらしい。なんだそれは。

場所は、ドイツのミュンヘン。そうです。本場の「オクトーバーフェスト」です!

2006年10月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1979年東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。Web制作をしたり小さなバーで主に生ビールを出したりしていたが、流れ流れてデイリーポータルZの編集部員に。趣味はEDMとFX。(動画インタビュー)

前の記事:ヤマザキのおまんじゅう、黒糖・よもぎ・吹雪の話をしよう

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飲み会、というよりお祭りです

そういったわけでこんにちは、古賀です。ドイツのミュンヘンに来ています。

気候は日本とそれほど変わらず、からっと秋らしくすごしやすい陽気です。

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ベンツが国産車の国、ドイツへやってきました

さて、ここであらためて、本番のオクトーバーフェスト、世界最大のビール祭りについておさらいしておこう。

・毎年9月の中旬から10月の初旬まで2週間強開催
・会期中に500万リットルのビールが消費される
・広い会場には1万人規模の飲みテントが10個以上並ぶ
・会場には移動遊園地まであり、酔っ払いが遊びまくっている
・ビールは基本的に1リットル単位でサーブされる
・しかもビールのアルコール濃度が通常のものより高い

どうだろうか。ぐいぐいぐいぐい! 私はもう、行く前から動悸がとまらなかった。たまらず行きがけに飲んでしまったほどだ。

では早速会場へ

もともとミュンヘンの伝統行事のお祭りだけに、会場へと続く道には民族衣装を着ている人たちが多かった。

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もより駅の地下鉄からして大混雑

早くもちどり足の陽気な人々とすれ違う。S字を書いて歩く、あそこまでちゃんとした ちどり足を見たのは初めてだぞ。高まる期待。ばくばく。家族連れも多く、伝統の祭事の風情もある。

着いてみると、まずはとにかく人が多い。きゅんとして、ああ、お祭りのときめきだと気づいた。

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到着、そしていきなり わっさわっさ人が

あたりを見渡してすぐ分かったのは、事前情報で「広い会場には1万人規模の飲み屋テントが10こ以上並ぶ」とうたわれていたテントがすごいということだ。

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会場の地図。青の四角がすべてビールのテント。ピンクの部分は遊園地。……広い

これって果たしてテントっていうのかというぐらい頑丈な作りだ。てっきり私は布と木だと思っていたよ…(よく考えれば1万人収容するのだからそんなわけはないのだけれど)。

まずはそんなテント各種から見ていきましょう。この大テント、近づくとなんだか地響きがするんですよ。

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こちらが「テント」のイメージからは程遠く立派ビアテント
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ゆれるビールの巨大テント

大テントといえば、ビールを提供するいわば「飲み屋」でありこのお祭りのメインだ。

そこここに立っているテントはミュンヘンの大手ビール醸造所が主催するもの。それぞれのテントで各醸造所のオクトーバーフェスト仕様のビールを飲むことができる。

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この両脇にずらずらテントが立っている

ビール以外に食べ物にも個性があり、オクトーバーフェスト名物鳥の丸焼きに特化したテント、牛肉をとことん食べさせるテント、魚を出すテントなどそれぞれ。

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電飾がかわいいテント
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民族衣装を着た人のイラストがそこらじゅうに
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クリスマス?
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はりきりすぎ

 

このほかにも会場には中くらいのテントや、小さなテントもあるが、基本的に人々の目的はやはり大きなテントのようだった。

で、この大テントの近くに寄るとどすーん、どすーんと足元が揺れる。「わーわー」というこもったような歓声も聞こえる。火事か事件か、というほどに。

なんだろうと思いながら、ビールを飲みたい気持ちを抑えて一通りのテントの写真を撮影してきた。どこのテントもそれぞれに趣向がこらされ美しい。ただ、どのテントも人だかりがすごく、近寄って撮影することができないのだ。

なんだ? 早く中入ればいいのに。

そして、やはり撮影する間も地響きがやむことはなかった。

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はいらないんじゃない、はいれないんだ

そうしてテントの写真も撮り終わった、さあテントに入ろうと鼻息を荒くしていくと、さっきからテントを取り巻いている人だかりはまだ消えていない。仕方がないので人の波を書き分けて入場口へと近づいていった。

おや?

入り口のドアは閉ざされ、中から大柄の警備員の方がにらみをきかせていた。ドアの隙間から滑り込もうとした男の子が文字通り(本当に文字通りだった)つまみ出されている。

なんと、あまりにも人々が押しかけすぎたせいで大テントはどこも入場制限を行っていたのだ! テントを囲むひとだかりは、中に入れずうろたえる人々だった。えー!

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入れろー、入れろー

中をのぞくと、席を確保できた人々がビールジョッキ片手にイスの上に立ってグネグネ踊ったり、肩を組んでゆっさゆっさ揺れたりしている。そしてとにかくざわめきが大きい。ちょっと怖い。いや、かなり怖い。

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中にいる人「わーいわーい、わーわーわー」
外にいる人「いれろー、いれろー」

さっきから感じていた地響きもここから聞こえていた。バンドの音にあわせてみんなしてイスの上で踊っている、その反動だった。

しばらく待っても扉は開く様子がない。隣で待っているドイツ人らしきおじさんが警備員に大声で何か聞くと、なかの警備員が静かに首を振っているのが見える。

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裏口にも人はまわりこみ、そうしてどんなに小さなドアにも警備員が付いていて入れない。色仕掛けっぽいことをしてる女の子もいたが、入れてもらえてなかった
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入れろー、入れろー
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各テントには野外にビアガーデンも併設されている。中に入れない人たちでこったがえして結局こっちも大変なことに

明らかに入れなさそうな雰囲気。

私は日本からドイツまで飛行機で11時間かけてやってきたのだ。しかもこの祭り中のミュンヘン市内のホテルは通常の3倍以上の値段する。勇気を振り絞らねば!

「ワタシ、ニホンカラキマーシータ! イレテクーダサーイ」

普段外国人の方には全く閉じた態度の自分だが、ここぞとばかりインチキ英語で叫んでみた。それも、あたりの騒音にむなしくかき消された。

さらに、もし入れたとしてもあの狂乱のなかで果たして私はちゃんとビールを注文することができるだろうか。考えるとそれもどうもノーなのである。ぶるぶるぶるぶる。

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こんなんじゃ誰か暴れてケガ人が出るんじゃないか…と空を仰いだら、あらかじめ救急施設の案内風船が
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で、実際運ばれる人(でも、会場ではケンカは見かけなかった)

 到着が19時ごろだったので、さすがに時間が悪いのかもしれない。ととりあえずは移動遊園地で遊ぶことにしてその場を離れた。が、その後もまるで大テントに入れるきざしはない。

さあ、ドウスル!

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ビールのテントとは逆サイドは移動遊園地になっている
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移動とはいえない本格遊園地ぶり
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遊具に誰が乗っているのかというと、主に陽気な大人たちが乗っている(子供もいる)
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テントに入れず、屋台でソーセージとビールを買ってしのいだ。テント以外でビールを売っているところはとても少なく、テントに入れないと本当になかなか飲めない
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テントに入れず、ぼうぜんとする古賀
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ビアジョッキのぬいぐるみが付いている(しかも3つも)という信じられないほどうかれた帽子まで買ったのに…
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ようやく入れました!

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うがー

あまりのテントの入れなさに右往左往しましたが、上の写真をごらんください。ようやくテントに入れたんです。

普段は大きな私の顔もやや小さく見えるサイズの、あの憧れの1リットルジョッキ、思ったよりもすっきりした喉越し! ああ、これがミュンヘンの、オクトーバーフェストのビールか。

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すでにみんな飲み飲み

 感動もひとしおだが、ええと、気づいてくださった方はいらっしゃいますでしょうか、前ページとは太陽光の加減が明らかに違うことに。結局一旦帰り、出直してきたのです。

翌朝に。

そう、これは朝午前9時30分の様子なんである。

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家族連れ、父母はビール、子供はジュース(ジョッキで)そして鳥の丸焼きやらステーキを食べる。朝です。
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朝から飲み屋が満員ですよ

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予約専用シートもあった。夜の分は朝10時の時点で売り切れ

お祭りは土日は朝9時から、平日は朝10時からやっている。そうして、開始と同時に本当にお客さんがやってき、ビールを飲んでいくのだそうだ。

すごい。

夜の騒ぎもすごかったが、この祭りの真のすごさは「朝から飲みまくり」という部分にあるんじゃないか。朝飲みが祝福されている空間。すばらしい。

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8畳ぐらいのスペースでがんがんビアグラスを洗っていた

 

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ちなみにジョッキはこうやって持つと持ち上げられないので……
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みんなこうやって持っていた

あたりには家族がいたり、お年寄りや(おばあちゃんの二人連れが鳥の丸焼き一羽と1リットルビールを注文していた)私のような外国人が多いようだった。そのせいかもしれないけど、昨日の大騒ぎぶりとは雰囲気が違う。ずいぶんまったりしている。

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明るいところでみてもテントはきれい
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もともと王族の結婚式がこのお祭りの起源らしく、愛の文句を書いたハートのお菓子をみんな首からぶるさげていた
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わーい、馬だー

私が座ったまわりの人たちも、きさくに声をかけてくれて嬉しかった。「日本から来たのか、よく来たよく来た、そこに座れ、いいから座れ、怖がるな、座れ」ってなもんである。早くも相当に寄っていらっしゃるご様子、ちょっと怖かったのでそのときは逃げた。

みんなだらだら料理を食べ、ビールを飲む。一皿が大量でしかもビールも1リットルあるので自然とそうなるのだが、飽きない。ビールも不思議とぬるくならないのだ。涼しいからか、ビアジョッキが分厚いからか。

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ビアガーデンスペースも午前中から混雑、そしてまったり
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回転するカウンターバーがあって朝から晩まで人気だった

 調子に乗ってテントを2軒ハシゴ、計2リットルを飲んだ。中生計算で5杯以上を飲んだことになる。なのにこれまた不思議なことに、「ほんのり」ぐらいにしか酔わなかった。

フェスマジックだ。ビバ。

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テントの裏にあった臨時交番。でかくてごつくてかっこよくて威厳がありすぎて怖い

さらに、まわりから得た情報で前日は土曜日で1週間で一番混む日だったということが分かった。日曜日の今日なら夜でもテントに入れるという。ま、まじっすか!

いよいよあの狂乱の中へ足を踏み入れます。

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やっぱすげえ

いったんミュンヘンの中央駅に戻り、あたりをぶらぶら観光してからまた夜に祭り会場に戻ってきた。いよいよあの狂乱を目撃したい。

朝に得た情報の通り、昨日と打って変わってテントの入り口は開け放たれていた。昨日の苦労を思い出すとこれほど嬉しいことはない。慌てて入って、まず最初に撮ったのが下の写真である。

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わーっしょい、わーっしょい

みんな、踊っていた。

とにかくメーターを振り切って陽気だ。バンドがごりごりにおなじみのポップス(「ヤングマン」とか)を演奏し、それにあわせてイスの上で飛び跳ねている。

 

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箸やすめに昼間見た美しい建物の写真をどうぞ

さらに、曲の合間に「あいん ぷろーぜ、あいん ぷろーぜ、たらーらーらー(乾杯、乾杯、いい気持ちー、という意味らしい)」という乾杯の曲が流れるといっせいに乾杯するのだ。がちーん。そこらじゅうで響くジョッキがぶつかる音でうるさい。ジョッキがぶつかる音が騒音になるって、やっぱりこれはすごいぞ。

私はというと、どこに座っていいのやら迷って騒ぎの中を歩いているうちに、とつぜん大柄の男の人に担ぎ上げられた。あぶあぶあぶ。アイキャント、アイキャント。飲む前から何がなにやらだ。

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ワーッショイ、ワーッショイ
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酔っているのか、いないのか

結局あまりにも盛り上がっているテントではビールを注文することができず、夜でも落ち着いた雰囲気だったテントの外のビアガーデンで飲んだ。どちらかというとどっしり腰を落ち着けて飲んでいる人が多い。ここは日本の居酒屋みたいな雰囲気だ。

ビールが1リットルでしかサーブされない=のみ過ぎる=泥酔

現地に来るまではこんな風に考えていた。みんなものすごく酔っているんじゃないかと。 

でも、実際来てみたら騒いではいるものの、泥酔までしている人は少なかった気がする。

みんな強いのかな。それとも踊るのに忙しくてそんなに飲んでいないのか。そういえば、私自身も今日は朝から合計4杯(4リットル……)も飲んでいるのにまだ平気だ。

酔っているのか、いないのか。不思議なお祭りでもあった。

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飲み疲れると裏の芝生で寝る
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その間も中ではとりあえず立っとけという状態
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座席表も張ってあった。コンサートだ

結局酔っていた

もう1杯ぐらい飲めると思ってテントを探したが、既にラストオーダーの後だった。オクトーバーフェストのテントは毎日10時30分がラストオーダーなのだ。

残念だなあと思ってホテルについたのだが、部屋に入ったとたんにバッタリ寝てしまった。

ラストオーダーが早くて本当に助かった。

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そういえばビールでおなか一杯でプレッツエルぐらいしか食べてない(そしてこのパンがあまりにでかい)
 

なお、今年もオクトーバーフェストは開催されるとのこと。行っちゃいますか。ごごごごご。

公式サイトはこちら(ドイツ語と英語)
https://www.oktoberfest.de/
※このページ、初出の2006年に掲出したものですが2022年の再掲現在URLはそのまま、変わっていませんでした。強い。

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