特集 2023年8月13日

身の回りの物を使って真円を描けるか?

小学生の時。腕を勢いよくグルンと回して、黒板に綺麗な円を描く先生がいた。感動すると同時に自分も挑戦してみたが、何度やっても円はグニャグニャになってしまうのだった。

しかし、私ももう大人。あの頃より身体コントロールも知力も格段に成長した。今だったらフリーハンドは無理でも、己の持てる力を総動員したら描けるはず。完全なる真円を。
 

1980年、東京生まれ。片手袋研究家。町中で見かける片方だけの手袋を研究し続けた結果、この世の中のことがすべて分からなくなってしまった。著書に『片手袋研究入門』(実業之日本社)。

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> 個人サイト 片手袋大全

勇気を出して初めてのサークル活動

とある取材を終え浅草某所の公園にたどり着いた皆に、私は突然ビートたけしばりに宣言した。

 

皆も嬉しそう!

最高気温36℃予報。ただ立っているだけで体力がみるみる奪われる状況。…分かってる。涼しい屋内で1人でやってりゃあ良い。しかし、私は描きたかった。まあるいお天道様に照らされた、まあるい地球の大地に、まあるい円を、みんなでさ。

「面倒臭い」というだけの理由でサークルなどに一切入らなかった大学時代。さらに下戸なのもあり、合コンや飲み会といった若者らしい青春の思い出がまったくない。だから今回。楽しいメンバーと共に円を描く、真の意味での「サークル活動」をどうしてもやりたかったんだ。

どんな企画でも一丸となって取り組んでくれる、DPZの楽しいメンバーの皆様

ただし、ちゃんと外でやる意味があるようなルールを設定した。

①半径20cmの真円を公園の地面に描く
②所持品や身体、買った物や落ちてる物など何をどう使っても良い
③メジャーやコンパスなどの使用だけは不可
④使えそうなものが何かないか、10分間周辺を探った後に開始

ただ真円を描くのではなく、”半径20cmの”という条件を加えてみた。これで難易度はグッと上がる。「円を描く方法」と「半径20cmを正確に測る方法」。創意工夫でこの2つをクリアした者だけが、「シン・円」の称号を得られる。

さあ、皆さん。さっそく浅草の町に出て、何か使える物を探してきて下さい!

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浅草の町は意外に綺麗だった

一斉にみんなが四散する中、私も使える物を探してウロウロしてみる。しかし、若者と外国からの観光客で賑わう浅草はとても綺麗で、あまりゴミや物が落ちていなかった。

なーんにも落ちてませんね

そんな中、頼りになる存在がこいつだ。 

EDA、枝。何でも使える万能のこいつがなければ、人類もここまで進化しなかったはず

さらに歩いて、大きめのクリップとゴムを入手。これだけあれば、いける。
 

枝にクリップにゴム。私のネバー・円ディング・ストーリーが始まる
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始まる前に漂う、終わりの雰囲気

ホクホク顔で公園に戻ると、既に戻っていた皆はうなだれて座り込んでいた。真円を描く前に深淵を覗き込むような表情になっている。

ここは鴨川沿いだろうか?暑過ぎて既に競技が終了したような雰囲気が漂い始めている

我々に残された時間は少ない。1人ずつだとそれぞれの作戦やサイズ感が分かってしまうし体力がもたないので、もう一斉に始めちゃおう。 

円滑に進めよう

そうして完成したそれぞれの円がこちら。

みんな違って、みんな丸い

⏩ それぞれの20cmの測りかた、円の描きかた

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