何もない部屋は落ち着かない
収納が充実した部屋にアトリエを引っ越したら、見える範囲にものがなくなってしまった。
何もなくて、そわそわする。どこに座ったらいいのかも分からない。ミニマリストの友達の家みたいだが、自分の部屋である。
机と椅子は自分の家のものを運ぶ予定だが、机の分解が面倒くさくて先延ばしにしている。今は床に座って作業しているが、腰の痛みが分解の面倒くささを超えないかぎり、この生活が続いていくだろう。
作業部屋として借りているだけなので、ガスも契約していない。暮らしている家は別にあるので、家電をそろえる必要もないのだ。
でも、あまりにも落ち着かない。生活感がなさすぎる。別の時空に迷い込んだような違和感を常に感じる。
ただ、雰囲気づくりのために家電を買うのはブルジョアすぎるので、ぬいぐるみの家電を作ることにした。
今アトリエに欲しい家電って何だろう。特に必要ではないが、強いていうなら、電子レンジが欲しい。レンジがあれば、お昼ご飯にお弁当を温められる。
ということで電子レンジを作ることにした。
出来上がったのがこちら。
ふわふわでかわいい電子レンジが出来た。
どんな風に作ったか説明していこう!
ウレタンを切る
まずは家にある電子レンジのサイズを測り、紙に描き出す。
大きさが決まったらウレタンで土台を作っていく。
いつもは専門の業者に発注していたのだが、この間ホームセンターのカインズに行ったら、ウレタンが売っているのを発見した。
7cmも厚みがある!!これと、家にある薄めのウレタンを組み合わせて作っていこう。
枠だけだと、ふにゃふにゃなウレタン。
ここまでできたらほぼ完成したようなもの!!
あとは布を貼っていくのみである。
布を貼る
折りたたみ式の簡易版の机、今買おうかな……。でもいつか家から大きい机を持ってくる予定だし、買うの勿体無いよな……。
そう思いながらもAmazonで折りたたみ机を調べてしまい、未来の机VS今の机でしばらく葛藤した。でも何とか未来の机が勝利した。机は未来の自分に何とかしてもらうことにして、今は床で作業しよう。
内側の布
問題なのはこの内側である。ぬいぐるみは、凹んでいる部分を作るのがすごく難しい。柔らかい布だと形状を保てないので、硬めの布でつくることに。
袋状にした布を、かぽっと中にはめる。
ちょっと中に入れたものが透けた方が レンジっぽい。でも黒いメッシュ生地にしたら透けすぎたので、2枚重ねて調整した。
ボタンつけ
形はできたので、あとはボタンをつけるだけだが、これが中々大変な作業であった。
もうあとは貼るだけ!と思っていたのだが、遊びにきた友人が、「あたため」とか文字が書いてないと、昔のテレビっぽいんじゃない?と言われた。
え!?そうなの??
画像検索すると、確かに昔のブラウン管のテレビは、ちょっと電子レンジ感があった。これは、刺繍するしかないのか……!!
合皮に刺繍するのが思ったより力が必要で、「レンジ」で力尽きた。もうこれ以上は無理だ。
というか、「のみもの」と「お酒」って何?
ネットで検索した写真を参考にボタンを作ったけど、お酒も飲み物では……。そして「のみもの」というワードの幅の広さ。
現実逃避
ここからしばらく現実逃避が続いた。硬い物を縫いたくないのだ。
合皮に刺繍する作業を完全に放棄した私は、別の関係ないぬいぐるみを作り始めた。
ぬいぐるみづくりの現実逃避に、別のぬいぐるみを作るという迷宮に迷い込んだのだった。
記事の締め切りが近づいているのに、関係ない物ばかり作ってていいのか……、とやや良心が痛み始めたため、電子レンジに関係あるサトウのごはんを作ることにした。
このサトウのごはんがレンジに入っているところを見たい!という気持ちが芽生えたため、ボタン作りに戻ることにした。
サトウのごはんによって、モチベーションを取り戻した私。今後現実逃避する時は、ちょっと関係ある物を作った方が良いということを学んだ。