三角コーンは結構リアルに擬人化できる
人っぽい形状をしているわけではないのに、表情や状況がなぜかリアルに読み取れる。三角コーンはどこかキャラクターのような愛らしさがあり、ただの無機物とは思えないのだ。きっと今日から街中の三角コーンたちの声が聞こえるようになることでしょう。
三角コーンはいつも人間のために働いているが、仕事をサボって寝ていることや仲間と楽しそうにしていることもある。
三角コーンを擬人化して、状況を勝手に推測してみました。この記事を読んだあとで街を歩けば、きっと三角コーンが愛おしくてたまらなくなるぜ。
三角コーンたちはだいたい真面目に働いている。立ち入り制限やら区画整理やらいつも大忙しだ。
そんなコーンたちにも、きっと苦労があるのだ。先日の朝エッセイにも書いたが、道端に倒れている三角コーンが泥酔しているように見えることが多々ある。特に朝、道の端っこで転がっているコーンを見るとあぁ帰れなかったんだな、と思う(どこに?)。
泥酔三角コーンを朝に見かけると、夜に開催されていたかもしれない三角コーン飲み会を想像してしまう。きっと仕事で嫌なことがあってついつい飲みすぎてしまったのだろう。
泥酔はしていないものの、仕事中にこっそり飲酒していそうな三角コーンもいた。
片方が飲んでいることを、もう片方は知っているのだろうか。知っていて黙認しているのかもしれないし、気づいていない可能性もある。通りがかりの人がサッと缶を捨てたら隠蔽されてしまうな。
三角コーンたちは、体に文字を刻んで注意を呼びかけていることがある。そんな体を張った注意が通じていない様子を見るとむなしくなる。そしてそんな三角コーンはどこか弱気だ。
昔、父が祖父に「そこ段差あるから気をつけて」と言ったそばから躓いたことがあったのを思い出した。三角コーンでも同じようなことがあるんだ。身をもって教えてくれている。
同じ三角コーン同士でも、さまざまな状況や立場があるように見えることがある。偶然通りかかった高架下の薄暗いスペースで、地域のコーンが夜な夜な集会を開いているのを目撃した。ラッキー!コーンの集会なんてなかなか見られないですからね。
街中のコーンたちがぴょんぴょん集まってくる様子を想像して癒された。集会を終えたら各自の持ち場にぴょんぴょん戻って行くのだろう。
別日、神格化されたコーンを囲む怪しげな集会も目撃した。街頭のライティングが神々しい。これは三角コーンの社会に欠かせないなんらかの儀式なのかもしれない。
「警視庁」など、体に役割が書かれていると一層ドラマを感じられる。三角コーンが「警視庁の所有物」ではなく「警視庁の関係者」に見えるからだ。避難訓練などに使うビブスに役割が書いてあるとそのものに見えるのと同じように、三角コーンに書かれた文字もそのまま三角コーン自身の肩書に見えてくる。
三角コーン同士のコミュニティもあれば、それ以外の物たちと仲良くしている様子が見られることもある。街にある無機物同士、通じるものがあるのだろう。お互いの経験談や苦労話を聞き合っているように見える。
三角コーンは基本的にずっと立ちっぱなしだが、消火器は噴射されたら役目が終わる。役目を果たすときはつまり火事なので、その日は来ない方がいいのだ。
写真を撮ろうと近づいたとき、心なしかポールと三角コーンがぎゅっと集まったような気がした。そんな気がしてしまうほど私の脳はすっかり三角コーンを生き物チックに認識してしまっている。仲良く街を守ってくれてありがとうね。
人っぽい形状をしているわけではないのに、表情や状況がなぜかリアルに読み取れる。三角コーンはどこかキャラクターのような愛らしさがあり、ただの無機物とは思えないのだ。きっと今日から街中の三角コーンたちの声が聞こえるようになることでしょう。
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