特集 2025年7月12日

チャパティを焼いてカレーは湯煎するキャンプ飯が最高だった

アウトドア料理の新定番です。

キャンプでの定番料理といえばカレーライスだが(一昔前の話かも)、カレーもライスも家で作ったほうが楽なのではないだろうか。それをいったらほとんどのアウトドア料理がそうなのだが。

では野外でなにを作るべきかという話だが、チャパティを伸ばして焼くことをおすすめしたい。カレーは持参して湯煎でもおいしいよ。

趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。(動画インタビュー)

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チャパティを焼くのが楽しい

ここ数年、インド料理を作るのにちょっとハマっていて、その流れでチャパティを焼くようになった。

チャパティとは、小麦の全粒粉に水と塩を加えて捏ね(油を加える場合もある)、薄く伸ばして焼いた無発酵のパンのこと。日本のインド料理店でよく食べられているフカフカのナンよりも、ずっと素朴な味がする。

そもそも生地を捏ねたりするのが好きなので、チャパティを焼くようになったのは必然なのだろう。カレーを作るよりも好きかもしれない。

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自分で焼いたチャパティ。香ばしくてうまい。

タンドール釜で焼かれるナンと違って、チャパティを焼くのには特別な道具がいらない(後述する専用の道具があったほうが楽ではある)。

薄く伸ばした生地をフライパンなどで両面焼き、仕上げに直火で焼くのだが、うまくいくとプクーっとアルミ風船のように膨らむギミックが堪らなく楽しい。

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理屈はよくわからないが、なぜか膨らむんですよ。

これが成功すると、気持ち的にすごくうれしいだけではなく、膨らむことで生地が二層になり、口あたりがフワっと軽くなる。グレイビー(うまい汁)が染み込みやすくもなる。

どうしても固くなりがちな無発酵パンだからこそ、この形状の変化が大切なのだと思う。

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直火仕上げによる香ばしさと、二層になっているからこその軽い口あたりが堪らない。
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チャパティを焼くことは寿司を握ることに似ている。材料さえ揃えれば素人でもそれっぽく作れるが、そこから先が奥深いのだ。

よりおいしいチャパティを焼けるようなりたくて、インド人料理家のソニ先生がやっている料理教室に参加したりもした。

やはりプロが持つノウハウとテクニックは素晴らしく、至近距離で手さばきを見て、すぐに己の手を動かしたことで、また少し上達できたと思う。

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インドの西ベンガル州出身のソニさん。日本語で丁寧に教えてくれる。
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チャパティを直火焼きするための道具を使わせてもらって感激。

その後、私はインド旅行に行ったのだが、訪れたのが南インドだったので、主に北インドの主食であるチャパティは一度も食べなかった。

せっかくだから一回くらい食べればよかったと後悔しているが、ミールスとかビリヤニとかパロタとか、食べたいものが多すぎたのだ。

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南インドでも食べないことはないんですけどね。これはマドゥライの陽気なチャパティ屋さん。胃袋が二つ欲しい。

野外でチャパティを焼く会をしよう

話はここからが本題である。チャパティを焼くのがとても楽しいので、どうせならより本格的に炭火を使ってみたくなった。きっとより香ばしい仕上がりになるだろう。

そこでインド料理好きの友人を集めて、青空チャパティ会をすることにした。野外でチャパティを伸ばして焼いて食べるのだ。

チャパティに欠かせないカレー(インドにカレーという名の料理はなく、辛いスパイス料理の総称として外国人が呼んでいるのだというような話は置いておく)だが、外でチャパティに合うタイプのカレーを作るは大変なので、各自が持参したものを湯煎するというルールにした。

今回はチャパティを焼くことに集中したいのである。

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カレーは家で作ればいいじゃない。アウトドアでテキパキ作れるほど慣れていないし、スパイスとか絶対忘れるよね。
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インドの旅行記ができたところなので「チャパティを焼く同人誌即売会」という形にしたのだが、本は邪魔なのですぐどかされた。「南インドを食べ歩く」という本です。おもしろいので買ってください。

チャパティは炭火、カレーはカセットコンロで湯煎

さて会場に着いたら、生地の用意よりも炭火を熾す作業を先にやる。これが一番時間が掛かる。

できるものなら石でかまどを組んで焚き火をしたいところだが、焚き火可能でトイレと水道があって駅から徒歩圏内の場所はなかなか無い。

そこで今回はバーベキューのできる川原で、このために購入した金属製七輪を使用する。

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炭火を熾すのが難しくて焦った。

カレーの準備も進めるのだが、こちらは湯煎するだけだ。

大きめの鍋に水を入れてカセットコンロでお湯を沸かしつつ、参加者が持参したカレーを温める。この方法だと一つの鍋で一度に何種類も加熱可能。カレーを作ってくるのが面倒ならレトルトでも問題なし。

中カゴ(湯切り)のついたパスタ用の鍋があれば、カレーの袋が鍋に直接触れて熱で破れることもないし、袋を取り出しやすいのでお勧めだ。

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アウトドアのカレーは湯煎の時代に。

チャパティの生地を伸ばす

チャパティの材料は、アタ、塩、水、打ち粉(普通の小麦粉)。アタとはチャパティなどに使われる全粒粉で、ハラールショップやエスニック食材店で購入できる。国産の全粒粉だと粒子がちょっと粗かったり膨らみが悪かったりするので、まずはアタを使うのが無難。

必要な道具は、ボウル、デジタルスケール(はかり)、計量カップ、平らな板(今回はまな板シート)、テーブル、麺棒など。

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テーブルがちゃぶ台だとアウトドアっぽさがなくなる。

塩は一つまみ。水の量はこれまでの経験から、数値を粉のメーカーによって変えている。パドマというメーカーなら粉100グラムに対して水60グラム、アンビカなら水80グラム。今回はパドマを使用。これで3~4枚のチャパティができる。

気温や湿度、あるいは粉の湿気によってベストの水分量は変わってくるので、まずはこの比率で伸ばしてみて、生地が硬いようなら次回は水を少し増やし、柔らかかったら減らしていく。

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水加減を目分量でやるとだいたい失敗するので、野外だけどデジタルスケールで計ります。
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よく捏ねたら乾燥防止でビニール袋に入れて、20分以上休ませる。
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3~4等分した生地を掌で丁寧に丸める。このときにヒビ割れがあるとうまく膨らまない。
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打ち粉をたっぷりつけて、指で軽くつぶす。
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麺棒を転がして生地を薄く伸ばす。コツは無限にあるのだが、とりあえずは生地の両面に打ち粉をしっかり打てばどうにかなるはず。
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参加者が持参したインド土産のチャパティ用テーブル(チャクラ)。これがあればより荷物がコンパクトになる。
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生地を伸ばすだけなので、そばやうどんを打つのに比べたら簡単。

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