ふだん持ち歩いているバッグが、一瞬で椅子に変形する。それだけで生活が少し豊かになり、気持ちに余裕が生まれる。
単なる行列の待ち時間がチェアリングの時間になるし、もしも街なかで突然体調が悪くなってしまった人がいたら、ひとまず腰かけせてあげられる。
そんな素敵なことだらけの、椅子に変形するバッグの世界。日本全国、一家にひとつくらいはあってもいいんじゃないかな? なんて思ったりすることもあるんですが、なくてもまったく困らないものだとも、ちゃんと自覚してますのでご心配なく。
一見するとなんの変哲もないリュックサックなんだけど、実は一瞬で椅子に変形することが可能。つまりそれを背負っていることで、いついかなるときでもその場に腰かけることができる。
そんな、椅子に変形するバッグの世界がこの世にはあり、個人的に好きすぎるので、僕のコレクションを紹介させてください。
この世でもっとも敷居の低いアウトドアアクティビティこと「チェアリング」。
これは、当サイトでもユニット「酒の穴」として一緒に記事を書かせてもらっている、飲み友達でありライターのスズキナオさんと一緒に、2016年に始めた遊びです。具体的にどういう行為かというと、折りたたみ式のアウトドアチェアを持って外へ行き、公園や川辺などの好きな場所に置いて、ひとときその場所をパーソナルスペースとしてくつろぐ、というもの。もしご興味があれば、こちらの記事に詳しいのでぜひ。
最初はほとんど冗談のつもりだったんですが、実際にやってみると間違いなく楽しいという事実が強すぎて、だんだんとまねしてくれる人が増えはじめ、今や命名した僕たちの存在などはとうに離れてカルチャーとしてどんどん進化中。それを「おもしろいな〜」なんて眺めている日々です。
そんなチェアリングが相変わらず楽しくて個人的にも続けているんですが、昨今、僕はどうも、座って過ごすという行為の快適さに加え、“椅子自体”にもだいぶ興味が湧いてしまう質のようだということがわかってきました。
具体的にどういうことかというと、こういう、
みたいなちょっと変態的なアイテムを見つけると、買わずにはいられない。そんな僕がここしばらくずっとハマっているのが、「椅子に変形するバッグ」の世界というわけなんです。
もちろん、突然言われても意味わからんと思うので、これから順を追って説明していきますね。
と、なんの変哲もないWEB記事っぽく書き始めてみました。さすがにまだこの写真になんらかの違和感を感じている方はいらっしゃらないでしょう。
ところがですね、僕の背負っているこの黒いリュックサック。
「あ〜、秋だな〜」
はい。これがつまり、椅子に変形するバッグというわけで。世の中には意外とこういうおもしろグッズがあれこれ存在するんですよね。
念のため、トランスフォームからもとの状態に戻るまでを動画でもどうぞ。↓
ついに手を出してしまいました…。 pic.twitter.com/w5WPx0o5fM
— パリッコ (@paricco) January 17, 2021
ちなみに商品名はずばり「シュパッと1秒!どこでも座れるリュック」。
当記事執筆時で約8000円と安い買い物ではないですが、そもそもちゃんとしたリュックってぜんぜんこのくらいの値段するし、デザインもかっこいいと思えるし、けっこう容量もあるし、思ったよりぜんぜん重くないし、それでいて椅子に変形するんだから大満足の買い物でした。
こいつをふだん使いしていると、たとえば先日、仕事で横浜に行く機会があったんですが、ちょっとした空き時間に
ができたりする。
チェアリングってものすごく気楽な遊びではあるんですが、やっぱり最低限、椅子だけはないと成り立たないんですよね。ところがこのバッグなら、「今日は椅子を持って出かけるぞ!」と意気込まなくても、思い立ったときに好きな場所に座れる。そりゃあ本格的なアウトドアチェアと比べれば、背もたれもドリンクホルダーもないぶん快適性は落ちますが、それでもかなりいい気分を味わうことはできます。
とまぁ今回は、こんな感じの椅子バッグをあとふたつほど紹介させてもらえれば〜、という趣旨となっております。
続いては、日々の買い物に便利な
デザイン、そして座り姿が若干、街なかでおばあちゃんがもっている買い物用のカート的にも見えますが、迷彩柄なことによってそのへん、ギリギリカバーされてますよね? 僕はそう信じ、堂々とふだん使いしています。
で、このカートについては、いちばん最近買って届いたばかりなこともあり、今、ものすごく語りたいモードなんです。すんませんが、お時間ある方はもうちょっとおつきあいください。
たとえばですね、このように、
ですよね? ところが、
写真はこの日、撮影に協力してくださっていた林さんと。はっきり言って、ちょっとしたミーティング(特にデイリーのネタ打ち合わせなど)ならどんな道端だってできるほどの快適性です。
それにしても、さっきすれ違った街人たちも、まさか僕がリビングルームを持ち歩いていたとは思わなかっただろうなぁ。
さらにこのカートのすごいところをプレゼンさせてもらいますが、まずはかなりの大容量。
さらにはこんな使いかたもおすすめ。なんとですね、
このセットならば、チェアリング時のもっともオーソドックスなパターンである「リュックサック+肩に折りたたみ椅子」スタイルより重みを感じず、さらに楽ちんです。
「だけどそもそも、カートが椅子になるんだから椅子いらなくない?」とお思いの方、いえいえ、そうじゃないんです。
これがも〜、高さ、安定感、大きさ、すべてがちょうどよくて!
最後はちょっと変わり種なんですが、
林さんに「背負っているところ、どうですか?」とシンプルに聞いてみたところ、
とのことで、ちょっと勇気が出ました。
そう、こちらは座椅子型のバッグ、というかもはや背負えるだけの座椅子というわけなんですね。
どうでしょうこの意味不明さ。水槽という四角い空間に自然の風景を再現する「アクアテラリウム」にも近い世界観というか。
ちなみに今回の記事でこの商品のみ、どの通販サイトで買ったのか忘れてしまったんですが、そもそもは普通に座椅子を探していたんです。冬の朝、ふとんから出るのが嫌で、小さめの座椅子があればそのままノートPCで仕事ができるんじゃないかと思って。
そんななかこの商品を見かけ、そもそも座椅子が背負える意味がまったくわからない。その意味不明さがたまらなくそそる! あらがえない欲望のまま、購入ボタンを押してました。
ところがこれが、求めていたサイズ感にぴったりで、単純に座椅子としてめちゃくちゃいい買い物だったんです。
いわく「ZOOM会議ばっかりやってると頭でっかちになりますよね。やっぱりこういうのが本当の仕事ですよ!」とのこと。
これが本当の仕事でいいのかどうかはともかく、お気に召してもらえたようで嬉しかったです。
ふだん持ち歩いているバッグが、一瞬で椅子に変形する。それだけで生活が少し豊かになり、気持ちに余裕が生まれる。
単なる行列の待ち時間がチェアリングの時間になるし、もしも街なかで突然体調が悪くなってしまった人がいたら、ひとまず腰かけせてあげられる。
そんな素敵なことだらけの、椅子に変形するバッグの世界。日本全国、一家にひとつくらいはあってもいいんじゃないかな? なんて思ったりすることもあるんですが、なくてもまったく困らないものだとも、ちゃんと自覚してますのでご心配なく。
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