シロップ飲み比べピクニックだ
「飲み比べよう」と思った翌日がとても良い気候だった。暖かくて風がなく、桜も咲き始めていた。
外でシロップ飲もう。シロップ飲み比べピクニックだ。
シートを広げて楽しそうにご飯を食べる人たちがたくさんいる。一人で読書をする人、昼寝をする人もいた。シロップを飲み比べる人としてそこに加わる。
みかん、マンゴー、白桃、黄桃、パイン、さくらんぼ、ミックス。
「桃が一番うまい」と断言できるほどおいしさに差があるのかを知りたい。白桃と黄桃でも違いがあったら知りたいと思ってそろえた。
パイン缶のシロップ
薄く色が付いた透明の液体。シロップだ。
口に近づけた瞬間、香りが弾けた。すごくおいしい。脳や胃に直接甘味がぶつかるような刺激。ゲームの回復アイテムってこんな味なんだろうなと思う。MPが回復する味。
そして、パインの缶詰にしては酸味をそれほど感じない。パインの香りと甘味だけを凝縮したような汁だった。
シロップをちびちび飲みながら春の気候を感じるのがすごく楽しかった。遠くで、子どもが大人に縄跳びを見せていた。
パイン缶のシロップ
- 香りがすごく強い
- 思ったより酸味ない
- 甘くてうまい
マンゴー缶のシロップ
シロップだ、おいしい。おいしいのだけど、パイン缶との違いがはっきりある。こっちのシロップには果肉の青臭さを感じてしまった。
香りがジャマをしてしまって果肉を食べた時ほどの多幸感はなかった。甘くておいしいんだけどな。
マンゴー缶のシロップ
- 香りが青臭い
- 味は甘くておいしい
- 後味がスッキリしてる
アウトドアのウェアを着たお年寄りの集団が横切った。みんな外国のグミみたいなカラフルなウエアを着ていて、とても楽しそうだった。
みかん缶のシロップ
「かなりうまい」とメモした。爽やかな甘味と程よい酸味。すごく遠くに苦味もあるのだけど、それがむしろ全体のバランスを整えて「もうちょっと飲もうかな」と思わせるように働いている。
くどくないので飽きずにずっと飲める。ずっとおいしい。しっかり甘いのに、ただ甘いだけじゃない特別なシロップだった。
みかん缶のシロップ
- バランスが良くてうまい
- 飽きずにずっと飲める
- 苦味がむしろ良い
さくらんぼ缶のシロップ
キュッとした酸味が印象的なシロップ。後からさくらんぼの風味がふわっと感じられた。おいしい。
さくらんぼの濃い赤も、軸も種も何もないのにさくらんぼの姿と味を凝縮したような汁でおもしろかった。寿司もステーキも、要素を凝縮した透明な汁にできるのかもしれない。
さくらんぼ缶のシロップ
- 色が透明
- キツめの酸味
- さくらんぼの風味が後から来る