特集 2025年1月2日

2024年インターネットのおもしろかった記事&動画

AI生成の画像です。クオリティ高いです

インターネットで記事を書いている私たちはインターネットが大好き!

今日もまた記事を書く手を休めて人の記事を読んでいます。

そんな締切をも先延ばしにして見つけた珠玉のコンテンツを紹介します。

インターネットにラブとコメディを振りまく、たのしいよみものサイトです。

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知識で見える世界を更新したい

今年は小見出しをかつての「ぴあ」の映画紹介のマークのような文体にしてみました。

現代人が虫嫌いになっている理由について「野外ではなく室内で見る機会が多くなっているから」と「虫の種類が区別できなくなっているから」という2つの仮説を検証しています。そして実験の結果、仮説はどっちも支持されたみたいです。

いわれてみると「種類が区別ができない」って無駄に怖くなっちゃったりするよなあと思わされました。名前がわかるようになると、嫌いじゃなくなるどころか好きになるまでありますよね。アイドルグループとか道路標識とかも、名前がわかると好きになってしまいます。

唯一カブトムシだけは野外で見ても室内で見てもキモさ(嫌悪スコア)に影響がないっていうのもちょっとおもしろいです。

推薦:まこまこまこっちゃん

 

島根県のかけ声が「やっきっき」だったという衝撃の事実からスタートしたこの企画。全国各地から想像以上に多様なかけ声が集まっていて、その資料的価値の高さにも感動しました。自分は兵庫県出身ですが「じゃんけんほい」「いんじゃんほい」しか知らず、兵庫県のかけ声として書かれている「どっこんでー」「でっちんげ」にたまげました。

推薦:岡田有花

知らん界隈の知らんカルチャーに触れるのがめちゃめちゃ好きで、今年一番良かったのがこれです。

「タイトル回収」というのはマンガなりアニメなりで作品タイトルが劇中のセリフとして登場する演出のこと。1作品に1回しか使えないかなりとっておきの技ですが、大技すぎて笑えるという感覚が生まれてきてしまっていることについて書いてあります。あくまで一部界隈の話という感じですがこういうインターネットのローカルカルチャーがすごい好きなんです。

推薦:石川大樹

 

イチローが母校で野球を教えているレポートなのですが、天才と呼ばれる人がどんなことを考えて、どんな動きをするのか、知ることができてよかったです。行動1つ取ってもかなり意識して動かしているなど勉強になりました。来年はイチローになります。

推薦:江ノ島茂道

 

仕事で「今日中に送ります」という時の「今日中」が、「その会社の就業時間まで」という解釈があることを初めて知りました。ずっと、その日の23時59分までだと思っていました。会社員経験はありますが、知らないことが多くて結構衝撃でした。

今年からフリーランスになったので、最後の「働かなくてもなんとかなる!」というメッセージが心に沁みました。

推薦:とりもちうずら

 

「飲食店を続けていく難しさ」が的確に描写されていて、読んでて胃が痛くなると同時に頷きまくりました(私も飲食店主なので)。普段あまり表に出てこないことが書かれているので、面白いと思います。

一生懸命味やサービスの向上に取り組み、それが人気を博して順調に成長していく。ところが何故かどんどん自分の首を絞めていくような気になってしまう。「人気が出るほどに成り立たなくなっていく」ということはどういうことなのか?良く分かります。

これからの時代、個人商店は「人気になり過ぎない、話題に上り過ぎない技術」こそ意識するべきなのだと思います。長続きすることを目的にするなら。

推薦:石井公二

 

中国で小さいロボットが他のロボットたちに帰ろうと誘ってどこかに連れていってしまう実験を伝えた記事。動画で様子を見ることが出来ますが、めちゃくちゃかわいいディストピアみたいになってます。(リンク) 一応誘われたロボットたちは「仕事だから…」と一度は断るのですが、結局着いていってしまうところがいいです。

推薦:爲房新太朗

いったん広告です

笑って明るい気分になりたい 

後半、机が2つになるところで笑いました。

推薦:林雄司

 

タイトルがすべてを表している記事。KADOKAWAグループをはじめとした多くの会社で、ハッカーにデータを盗まれる被害があった今年でしたが、「犯人グループの言うことをうのみにしてはいけない」と心に刻める、学びと笑いのある記事でした。

推薦:岡田有花

 

ニュースサイトをずっと見続けているのですが、たまに出会える「何それ」って言いたくなるようなニュース記事が好きでして、そういうのは特に各地の行事的な案件で多いのですが、その中でもとりわけ「何でそんなことするの」だったこの案件が、明るくてすごく好きでした。

推薦:ヨシダプロ

いったん広告です

しみじみと豊かな気分になりたい 

気軽な気持ちでクリックしたら最後まで一気に読まされてしまった名文。ところどころで無意味にグッと来てしまう。何が筆者をここまで突き動かすのか最後までわからないところも含めて最高です!!

推薦:まいしろ

 

なんか怖いから友達についてきてもらうってよくあることだと思うんですが、それを企画にすると全部良いんだと、コンテンツ化することの力に驚かされます。この記事は、書き手にだけ何か起こる(パソコンを買う)けれど、読者には何も起こらず、ただそれを見る構図です。こんなにも人を見守りたいものなんですね。「仲間」である神田さんの表情がずっと完璧なのも良かったです。

推薦:古賀及子

 

記事の取材で東京の商店街のホームページを調べていたんですが、その中で心に残ったものです。商店街の中でネット関係に詳しい方が作ったんだろうなと思わせる、シンプルにして十分のデザイン。新着情報のページは 2018年から準備中だったりして最高なんです。

なかでもいいのは、会長挨拶です。うちはふつうの商店街と違って、一軒ずつポツポツとしかないようなお店の集まりですが、地域の人と一緒に賑やかにしていきたい。どうかおいで下さい。と切実に書いてある。正直に書くことで胸に響くんだなと思いました。

その後で、別のもっと大きな商店街のホームページを見ました。いかにもプロが制作したような素敵なデザインと文章なんですが、魅力を感じなかった。それも印象に残っています。街路灯にしろ、のぼりにしろ、商店街の振興のためにお金をかけて業者に発注するのは当たり前のことです。なのになぜ、ホームページについては手作りのものに魅力を感じる、などと思ってしまったのか。

推薦:三土たつお

いったん広告です

動画編

今年は動画もOKにしました。デイリーが文字メディアでやってるのが不安になるぐらい集まりました。

2024年はずっとこれを見ていました。見どころは客引きがいかに客を捕まえるかどうかです。ずっと見ていると客引きに感情移入していて、客をゲットすると嬉しいし、あの客いけそうなどと思っています。

推薦:林雄司

 

DIY系のVtuberの動画をちょくちょく見てるのですが、今年知って衝撃的だったのがこの人。よくあるVTuberと違って完全に実写映像で、自分の体だけ全身トラッキングでアバターになってるんですよ。こんなのできるんだ、すげえ。
ですがそんなのは表層の話でしかなくて、衝撃を受けた最大の理由はたまたまこの回を最初に見たせいかもしれません。冒頭「前回、家を失って住むところがなくなってしまいましたが…」から始まります。以降、DIYで明るく生活を再建していきます。DIYのスケールが思ってたのと違った。

推薦:石川大樹

 

自分が思い付けなかったのが残念でならないくらいいい企画ですよね。確かに、海外から帰ってきてスーツケースを開けると向こうの匂いがするのってたまらないじゃないですか。あの体験を実験ぽくしたやつです。

結果の味わいもいいです。味わいを内輪受けみたいにならずに視聴者に伝わるように作っているのが感じいいなーと思いました。次に海外に行くことがあったら勝手にやりたいです。

推薦:べつやく れい

 

将棋が好きなので、藤井七冠の棋譜解説動画をはじめ、将棋の動画をよく見ているのですが、将棋の対局内容を収めたものとしてはこの動画が一番好きでして、実力伯仲の永世名人の熱戦から目が離せません。

推薦:ヨシダプロ

 

元々は『新美の巨人たち』でロバート秋山が村上隆展のレポートをしたことから始まったのですが、YouTubeのコラボではもう一歩踏み込んで、秋山が村上隆の弟「村上隆二」という設定になってます。

村上隆の工房で働く若者たちに投げる言葉が全部面白くて。「無理矢理工程増やしてるだけだから削れ削れ」「ツヤ出したいだけだから植物油塗っとけ」「兄貴の作品は俺のパクリ」。笑えるんですけど、うっかり真実に少し踏みこんじゃってるのが凄かったです。勿論、受け入れた村上隆の器も大きいです。

推薦:石井公二

台湾各地の夜市から、人気の屋台の料理人がやってきて競うYouTube番組。牛肉麺や臭豆腐など夜市グルメがおいしそう。台湾の人は、地元の夜市が勝ってほしいんだろうな?と思いながら見ています。

ラッパーが司会をしていて、まくし立てる口上が聞いていて楽しいです。

推薦:唐沢むぎこ

 

数学がわからなくても大丈夫です。グラフができてからの解説だけ見てください。

説明が複雑な講義で寝てしまって、最後の方でやっと起きたら「え、な、何の話してたん...!?」とパラレルワールド入っちゃった感じを味わえます

推薦:唐沢むぎこ

 

YouTubeは「フルタの方程式」をめっちゃ見ています。今年は昭和の時代に活躍したキャッチャーが集まった回が最高でした。昭和のプロ野球ではめちゃくちゃ殴り合いをしていて、全然野球の話とは思えません。当時の映像を視聴しているあいだに出るキャプション「スタジオでは◯◯が??を殴打する映像を視聴します」もめちゃくちゃですごいです。

推薦:まこまこまこっちゃん

 


全部インターネットになった

ネットで読める記事を「ネット記事」とか「ネットニュース」などと読んでいましたが、いまや大手新聞もNHKもすべてネットで見られてしまうんですよね。インターネットのおもしろかった記事の範囲がだいたい全部であることに気づきました!

2025年のインターネットもたのしみです。傍観者のようなコメントしましたが、私たちも作りますよ!

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