特集 2021年1月2日

2020年インターネットのおもしろかった記事

「インターネット」「ジョーク」「記事」で出てきたフリー画像を切り貼りしました

インターネットにはおもしろい人たちが揃っている。その人たちが日々活動しているので絶え間なくおもしろいことが生み出されている。

デイリーポータルZもそこで目立とうとしたり、人が作ったものに笑ったり悔しがったりしている。

まるで365日のリーグ戦だ。たいへんだけど、嫌いじゃない。

2020年は深刻なニュースが人を集めていたけど、それでもおもしろを忘れなかった同志の記事を選びました。(ここの文章と構成・林雄司)

インターネットにラブとコメディを振りまく、たのしいよみものサイトです。

前の記事:フルーツサンドを食べると笑う

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これがインターネットだ 

まずは「インターネットらしさ」を感じる自由な記事です。

【いい夫婦の日】妻帯者全員、妻の服を着て出社してみた!ロケットニュース24

シンプルだけど大勢いるから幅が出る企画。変な服になると思ったらいい感じになって…でもやっぱり最後にオチがあってその上下も気持ちよかった。妻の服、いい夫婦の日という要素で理由づけしているのもうまい。おもしろをいい話にしている。(林 雄司)
大きな穴を掘って、埋める | オモコロオモコロ

穴を掘る、それだけなのですが、心情やちょっとした出来事、風景の描写でこんなに面白く書けるのすごいなーと思ってます。途中で出てくるおじいちゃんの正論に笑いました。(江ノ島茂道)
偽ウーバー・バトラーを世界中のメディアに送り込むvice

レビューで偽レストランをでっちあげたり、安物ジーンズでパリコレに混ざったりしている英国人ライター ウーバー・バトラーさん。
それで取材をうけるときに、自分に似てるけどちょっとかっこいい人を選んで偽物として登場させています。この人、すごいよ。(林 雄司)
ボウリング好きすぎて自宅の庭にレーンを作った町田さん(80)DEEokinawa

自宅にボウリングのレーンを作っちゃった沖縄の80歳のおじさんの話です。ボウリングが好きすぎて廃業するボウリング場に「レーンくれ」って言いに行ったり家族が倒れたピンを起こしていたりと全部が最高です。
(安藤 昌教)
記事で紹介されてるグルメ。俺も食べたい【いくら編】 | オモコロブロス!オモコロブロス!

自由となにかを考えさせられる記事です。「そうか、いいんだ」と思いました。(江ノ島茂道)

大葉の茎食べるのをいちいち書くのすごいなと思いました。オモコロの表現方法って省略のしなさみたいなとこある気がしませんか。「何を見させられてるんだろう」がエンタメになってるかんじあって絶対笑ってしまう。(古賀及子)
『ポケモン サファイア』を“魚”が操作する実況配信、ついに殿堂入り果たす。3100時間の旅路のすえ、「むてきまるチャンネル」が迎えた結末とは | AUTOMATONAUTOMATON

今年の夏くらいから話題になっていた「魚がプレイするポケモン」が、プレイ時間3100時間のすえについにクリアを迎えた!という記事。水槽の位置にコントローラーのボタンを割り当てて、魚が泳ぐのをカメラで認識してゲームを操作していました。

僕はこの配信自体も好きでよく見ていて、クリアと聞いて「ついに…」と思ったものですが、それを報じるこの記事の熱のこもり方もすごい。記者によるアツい実況に、魚がつけたポケモンの変な名前(「チキ ョた」とか)が挟まってきて、インターネットやっててよかった…!と思った記事でした。(石川 大樹)

※年末の「魚が選ぶ2020年の記事総集編」はこの件を意識したオマージュでした。
Jan Hakon Erichsen (@janerichsen) | Twitter

今年フォローし始めたノルウェー人アーティスト、ヤン・エリックソンのツイッターです。身の回りの物と体を張って、風船やタコスを割ったりしています。めちゃくちゃ工夫して、めちゃくちゃどうでもいいことしているのが大好きです。彼曰く、深い意味などはないそうです。(ほりべのぞみ)

 これはいいですね!

細かすぎるやつ

インターネットには重箱の隅しかない。重箱の隅がつながって高解像度の重箱ができているのがインターネット。

デザインで見る、米大統領選(ロゴ編)|櫻田潤VISUALTHINKING|note

英語がまったく苦手なんですが、米大統領選のキャンペーンスローガンのプラカードがなぜか大好きなのでこれはたまらなかったです。読んでいるとやみくもになにかどうでもいいものを応援したくなってきます。(古賀 及子)
東川隆太郎の「かごしま世間遺産探訪記」ーvol8.宇検村名柄集落のハブ棒(用心棒)ーKagoshimaniaX

10月、DPZで「棒特集」というまさかのテーマが発令された時に、奄美諸島の路地に置かれるハブよけ棒「用心棒」について執筆すべくネタかぶりチェックで検索したらヒットした記事です。
棒の置かれ方などの様態が丁寧に観察され、論文に当たったり、役所や集落の人に聞いてみたりした多様な視点、情報が盛り込まれているにも関わらず文章やキャプションが軽妙で読んでいて楽しい。自分もこんな風に書けたらなあと思いつつ自らのネタをボツにしました。(伊藤 健史)
微分音のドレミの歌(31平均律ver)(変拍子兄さん on Twitter

いわゆるドレミファソラシドの音階って、1オクターブを(#♭含めて)12の音で分けたものです。なのでやろうと思えばもっと細かく分けることもできて、微分音とか呼ばれているのですが、これは31個に分けた音階で作られたドレミの歌です。

それぞれに階名を付けて「ゲはゲソのゲ」とか歌っているのも面白いし、あと軽快なリズムと相まってけっこう耳につくタイプの歌なのに、あとでメロディを思い出そうとしても全然思い出せないんですよね。自分の頭って半音単位でしか記憶できないんだなということに気づかされました。(石川 大樹)
山をも流した河 | 常願寺川水土の礎

富山県の常願寺川で起きた恐ろしい事件とそれを乗り越えた歴史を紹介したページです。大地震が起きたあと、常願寺川の流量がどういうわけか5分の1になってしまった。上流のようすを見に行った住民が見たものは・・。という感じで大災害の始まる感がすごい。お金持ちになったら映画化したい。(三土 たつお)
ナミビアの珍しい低木は、新アブラナ科のティガノキ科であることが判明した。Species New to Science
注)英語記事です。タイトルは翻訳しました

植物界に「新科・新属・新種」が制定された記事です
つまり、知見は出尽くし革命的な発見をするのは不可能かと思われていた植物界に、これまでの体系に全く収まらない新奇種が発見されたということで、業界はざわめき立ちました!
グーグル翻訳にかけてでも読んでみて下さい!(加藤 まさゆき)
いったん広告です

インターネットはいろいろある 

上の2つのジャンルに当てはまらなかったものです。インターネットはこの「いろいろ」がありすぎるのが嬉しい特徴ですよね。インターネットらしい「いろいろ」をご堪能ください。

八重樫幸雄のオープン球話Sportiva

長谷川晶一さんによる元ヤクルトスワローズの八重樫幸雄さんへのインタビュー。しかも連載。長いので読み応えもすごい。
現役時代やコーチ時代、スカウト時代の話などヤクルトの話題はもちろん必読なのだが、八重樫幸雄が選ぶ各球団のベストナインなど他球団の話も興味深い。
個人的には高木豊にブチ切れた話もおもしろかった(高木豊ってそういうこと言いそう~って思う)。
聞き手が長谷川晶一さんなのもガムテぐるぐる巻きくらいの安心感がある。(べつやく れい)
「中央アジア+日本」対話・東京対話第10回記念 森薫先生執筆「みんなで作ろう!中央アジアクッキング」外務省

外務省の「中央アジアクッキング」。漫画家の森薫さんが柔らかなタッチで、かわいく楽しく中央アジアグルメの作り方を紹介する連載。今年やっと完結しました(あしかけ3年くらいかかりました)。
お堅いイメージの外務省ですが、国際漫画賞を主催するなどポップカルチャーの発信にも力を入れているようです。(拙攻)
Zoomと同名の2001年に開発されたPC高速化ツール「Zoom」が「怪しいZoom」と報道される(大元隆志) - Yahoo!ニュースYahoo!ニュース

4月、新型コロナの影響で急速にリモートワークが一般化、Zoomの注目度が急上昇、というタイミングで発見されたもう一つのZoom。使用すると有害サイトに飛ばされるため悪質なマルウェアとして注意喚起されていたのですが、実はその正体は……という記事です。無害なソフトがマルウェア扱いされてしまった経緯も興味深いですし、過去のインターネットの遺産がこういう形で現代によみがえって注目を浴びたという現象自体もとても面白い話でした。(石川 大樹)
あの頃日本人になりたくて、毎日軍歌を聴いていた。大阪の右翼少年が「なにわのアメラジアン」になるまで|下地ローレンス吉孝|ニッポン複雑紀行難民支援協会

これギャグでもおもしろいものでもないんですけど"気づき"とか光が射す瞬間があって映画を見てるときみたいな感動がありました(大北 栄人)
ソニーが「隣に座ってゲームのプレイをみててくれる友だちロボット・ひこえもん(仮)」の特許を出願、勝ったら一緒に喜んでくれる機能搭載GIGAZINE

造形、線画という表現手法、名前、すべてにおいて100点のキャラクターの登場でした。1枚目の絵でギャッとさせたところに現れる2枚目の一緒に座ってる写真。
発売時に名前とフォルム変えたらまじゆるさんからな。(古賀 及子)
日常を3日間タイムループさせたら、74歳に娘ができた|島田彩|note

3日間同じ街で同じことをする、その何気ない行動からここまでの物語をつむげる筆者の人間力に感動しました。登場人物のすべてが愛おしいです。(斎藤 公輔)
僕のしょうもない人生を紹介しますいまトピ

とてつもなく頭のいい方の人生の自己紹介の記事です。すごすぎる...(ほり)
学者のかたが市民向けに札幌の地形について解説しているページです。石狩川は昔は太平洋に注いでいたみたいな意外すぎる事実が(著者にとっては当然なので)淡々と書いてあるのですが、こちらとしてはいちいち驚きます。とにかく専門家の啓蒙活動はほんとにありがたいです。今後とも啓蒙されたいです。(三土たつお)

2021年もインターネットおもしろリーグが開幕しました

今年はどんなおもしろい記事が読めるのだろう。我々もシリアスさを振り切って楽しいだけの記事をインターネットの海に投入していく所存である。

まずは年末に眉つぶし(眉毛をなくす舞台用メイク)を衝動買いしたので、眉毛をなくしてみたいと思う。

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