まずは厚木駅にやってきた。この駅は小田急線とJR線とを重ね着している。
止まると汗冷えするので自転車は駐輪場に置いて歩くことにした。
厚木駅近くには海老名プラーザというたまプラーザみたいな場所がある。そう、前にデイリーポータルZで読んだことがあるのだけれど（参考記事）、厚木駅は厚木市ではなく海老名市にあるのだ。
この辺でわかってもらえるだろうか、厚木駅周辺は浮ついた観光地ではない。薄着でうろついていると怪しまれかねない。
地図を見ると川を渡ると本格的に厚木市に入るようである。橋か。渡るときに寒そうだけど行ってみよう。
この橋は設計荷重を大きく見積もっており、日本の橋梁技術発展の礎となった貴重な土木遺産です、と書かれていた。
荷重に余裕をもたせた橋が寒さに余裕を持たせた厚木に向かって架かっているのも偶然とは思えない。
ついに厚木市にやってきた。薄着で。興奮しているので今は薄着でも寒さを感じない。
ところでこの橋、以前にも歩いて渡った記憶があったのでさかのぼってみたところ、特攻服を買いに来た時だった（参考記事）。僕の中での厚木の印象が偏っている。
厚木市に入ると、道に謎のモニュメントがいくつか建っていた。
僕は寒さには強いが、こういった芸術のセンスは皆無なので何も言えなくて申し訳ない。せめて一緒に写真を撮ってみた。
ジャケットの石像は厚着の隠喩なのかもしれない。
薄着で厚木の町を歩いていると「厚木シティプラザ」という堂々とした建物を見つけた。午後になって風が出てきたことで急激に寒くなってきたのでとにかく入ってみた。
図書館と科学館、それにプラネタリウムまで備えた施設だった。これはうれしい。薄着だったからこそたどりついた場所ともいえる。暖房も効いているのでじっくり見させてもらった。
この建物は図書館も入っており、実に充実していた。うっかり1時間ほど暖を取ってしまった。いまのところ厚木は薄着にも優しい街である。
厚着フォトスポット発見
体が暖まったのでふたたび上着を脱いで歩いていると、厚着のフォトスポット的なものを発見した。
ATSUGI、薄着、厚着（ダウンジャケット）のコントラストである。今年一番いい写真が撮れた気がする。
セルフタイマーで撮影していると信号待ちをしていたお母さんから「にいちゃん寒くないんか」と声をかけられた。寒いです。
厚木といえば思い出すのが厚木出身のライター伊藤さんが紹介していた「とん漬」である（参考記事）。
記事を見てから頭の片すみにずっと残っていて、いつか厚木に行ったら食べようと思っていたのだ。今日こそ食べて帰ろうと記事をたよりにお店を探したのだけれど、見つけたお店はお持ち帰り専門だった。
薄着で豚丼を食べる
しかし幸いなことに厚木には他にも豚丼が食べられるお店がいくつかある。もう寒かったので最初に目についたお店に入った。
薄着で困るところは、お店に入ったときに上着を脱ぐと半袖になっちゃうところだ。僕はいいのだけれど、お客さんも店員さんも（おお、こいつ気合入ってんな）という目で見てくるだろう。好きで薄着でいるだけであって、気合入れてきたわけではないのである。
そんな不安も、目の前に運ばれてきた豚バラを見て霧散した。
濃い目のタレで焼かれた豚バラが最高に香ばしくて、大盛りのご飯がすいすいなくなっていった。薄着でいるためのコツのところで書き忘れたが、カロリーを摂取することも忘れてはいけない。薄着は体力を使うのだ。
食事を終えてお店から出ると、日が陰って寒くなっていたので、慌てて自転車を取りに行ってたち漕ぎで家に帰った。
薄着で行こう
あたりまえだがこれは無理をしてまで薄着で通せ、と言っているわけではなく、単に個人の趣味の話である。たとえば雪国で暮らす人や冷え性の人など、くれぐれも無理せずに暖かい恰好をしてもらいたい。そんな中でも先に述べた薄着で通すコツは生きてくるのではないかと思う。
未来の世界では薄着でも寒くない服が発明されることを願っています（もしかしたらそれがヒートテックなのだろうか）。
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