特集 2023年2月23日

穴を掘ると気力が高まる! ただ穴を掘るだけのイベントにいってきた

神戸で穴掘りのイベントがある、という情報を目にした。告知ページに書いてあるのは、こんな一文だ。

「人力で穴を掘るということを体感し、気力を高めるためのイベントです」。

なるほど、気力は高めたいですよね……。でも、そもそも穴掘りイベントってなんだ?

ファンクバンド「踊る!ディスコ室町」のまこまこまこっちゃんです!ギターを弾いています!京都在住!

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> 個人サイト songdelay

結集! 掘田穴五郎商会

穴掘りイベントを主催したのは「堀田穴五郎商会」。発起人・堀田穴五郎さんを中心とした、人力で穴を掘る集まりである。今回が初めての企画らしい。

謎は多いがとにかく現地に向かってみると、同じく謎の告知に吸い寄せられた人たちが集まってきていた。

みんな「穴を掘りに来たんですが……」と言いながら、心なしか不安そうな表情でやってくる。わたしも同じ気持ちです。

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穴掘りのため、各地から集合(ちょっと不安げ)​​​​​​

しかし、とにかく予定の時間になった。会長・堀田穴五郎さんが、名作絵本「あな」(作:谷川俊太郎、絵:和田誠、福音館書店)を読み上げて、開会が宣言される。


「にちようびの あさ、なにも することがなかったので、ひろしは あなを ほりはじめた」

(開会を宣言する堀田穴五郎さん)

今日の集まりも、趣旨はこれと同じである。穴を掘って建物の基礎に使うとか、そういう目的は一切ないらしい。

そう、意味などいらなかったのだ。週末の朝、なにもすることがない人が集まっただけだ。

とにかく掘るのだ。穴を!

もともと畑だった場所、ここを掘ります!(場所と道具の提供:西村組さん)
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まずは自分の力を知る

いよいよ掘り始めるわけだが、われわれ一同、みんな穴掘り初心者である。まずは自分の力を知ろう。無理してケガをしてもいやだし。

というわけで、最初の1時間は個人プレーに徹してみる。とにかく土を掘ってみて、土のう袋に詰めていきます。

とりあえずスコップを突き刺してみる。さっくりしてて気持ちいいな〜
みんな自分の穴と向き合っている。そのうちに
いつのまにか夢中になっている!

地面にスコップをいれる。地面がひび割れる。地面が持ち上がる。全く動かないと思い込んでいた地面が、自分の力によってどんどん形を変えていく。それがおもしろくて、つい我を忘れて掘ってしまうのだ。

参加メンバーも、不安な表情はすでにない。掘るって、それだけですでに快感があるんだな。

ときどきミミズが出てきたり(土を柔らかくしてくれてありがとう!)
土管? が出てきたり(燃えないゴミ!)
石が掘り出されたりするのも盛り上がる(力もち!)

ちなみに掘り出した土の重さを測ってみると、ひと袋が15〜25キロくらいだ。

普段は10キロ以上のものを持つことってあんまりないけど(米袋くらいか)、不思議とぜんぜん疲れない。むしろ夢中になっていく!

ひと袋ずつ重さを測って、結果を叫ぶ。17キロー! ハイになってきた!
合言葉は「腰を痛めないようにだけ気をつけましょう!」
土のう袋に土をつめるときに活躍するアイテム「どの太郎」もフル活用だ

我を忘れて掘りまくり、あっというまに1時間が経過した。

計測した重量を足してみると、個人記録は163キロ。スコアを出すと人と比べたくなりそうなものだけど、なぜか今は達成感だけがある。

自分の力だけで163キロの物質を移動させたのだ。なんか元気が出てきたぞ。筋肉は疲労しているけど、それすら誇らしい。1時間ぶっ通しでなにかに没頭したのも久しぶりな気がする。

時速163キロで掘ったことになる。キロメートルじゃなくてキログラムだけど
神戸のビルを遠目にみながら、お昼ごはんで回復!

⏩ 次ページに続きます

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