とりあえずわたしの宝物のシルバニアのフクロウの赤ちゃんを見てください。
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一目見ただけでおわかりいただけるだろう。かわいいという事実が。
フクロウの赤ちゃんに出会ったのは、私がまだ幼稚園生のころ。
母の実家に帰省した時、母の妹(叔母)が幼少期に遊んでいた大昔のシルバニアのセット一式をどこからか引っ張り出してきてくれた。その中に、こいつがいた。
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そして、もっと近づいてよく見てほしい。
こいつ、表情があるのだ。
どこか困ったような顔をしている。
..基本的にはシルバニアというものにこのように感情をあらわに(?)することはない。
(※少なくとも現在販売中のシルバニアで表情のある子は恐らく他にいませんが、『ねんね』という目をつむっているシリーズはあります)
この一点だけでもかなり異質ではあるが、まだこれだけではない。
私が思うに、このフクロウがシルバニア界において異質である理由は、3つある。
①表情がある
②目がフクロウすぎる
③腕が羽すぎる
どうしてこうなった?シルバニア界の異端児・フクロウファミリー
表情については先述した通りである。
目は、今一度他のシルバニアファミリーと比較してみてほしい。
使用されているパーツが違う。
この地球には数多くの動物が存在するというのに、わざわざ別途で目のパーツを調達してまでフクロウを作りたかったのかと思うと、エポック社へのLOVEが高まる。
そして、もう一点はこの羽。
肩を後ろに回した状態で固定されている。
私が知る限り、シルバニアの赤ちゃんには手足が可動するタイプとしないタイプがあるので、固定されていることはさほど問題ではない。
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だがしかし、あまりにも羽すぎる。
それがつまりどういうことかというと、単純に服の袖が通らないのである。
フクロウのフクロウ感に振り切った結果、シルバニアの着せ替え人形としての側面が削られているというわけだ。
わかりやすくお伝えするために、ためしにこの子にほかの赤ちゃんの服を着せてみよう。
すみません、そもそも腕まで到達しませんでした。
残念ながら服は全く着れていないが、この状態自体は悲壮感漂う顔によく似合っている。
そうそう、すっかり忘れていたが、この子にはかなりしっかりめの尻尾があるのだった。
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腕がどうこうよりも先に、さっきはこれでつっかえてしまった。羽よりこっちの方が着せ替え人形的には難点かもしれない。
(※ちなみに現在販売中のシルバニアファミリーにも鳥類はいる。ペンギンファミリーとアヒルファミリーだ。そしてやはりどちらのファミリーの赤ちゃんの服(販売時に着用しているもの)もロンパースではなかった。)
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...長々と語ったが、そういった点を踏まえて改めて見てみると、ほんとうに、どうやってこのフクロウを商品化までもっていけたのか気になる。
少し想像してみる。
ーとある日のエポック社会議室にてー
社員A「ふ、フクロウをシルバニアファミリーに?!」
社員B「他のキャラクターとテイストが違いすぎるのでは?」
社員C「従来のパーツや規格でフクロウは難しいですよ」
企画者「いや、作るんです。フクロウのシルバニア加入を待っているユーザーがいるんです」
社員A「それはどこから引っ張ってきたデータなんだね」
社員B「フクロウよりも先に商品化すべき動物は他にいるはずですが...」
社長「いいじゃないですか。いったん挑戦してみましょうよ」
社員ABC「社長?!!?!?!」
社長「見てください、彼女のフクロウのような凛々しい眼差しを。これは強い信念を持つ者の目だ」
企画者「社長…………………」
社長「ま、何を隠そう、ボクもフクロウ好きなもんでね。とびきりかわいいフクロウファミリーを期待してますよ」
企画者「…はいっっっ!!!!!!」
...ーこんな会話が交わされた日があったのかもしれない。
そんで後日「おい!!!!!表情あるじゃねーか!!!!!!!!!」「たしかに出来はいいけど...これは...」「レギュレーションを見直した方がいいですかね...」みたいなことになったのだろうか。真相はエポック社のみぞ知る...。
でも、そういうの全部ひっくるめてかわいくて好き。
出会った時から私がシルバニアファミリーで1番好きなのはフクロウの赤ちゃんだ。