本当は劇場版の笑う大天使の衣装も作ろうと思っていた。
で、大人のネコ（史緒さん)にも同じ衣装をこしらえて、上野樹里が巨大化するやつを再現する。我ながら完璧なオチだ。
という算段だったのだが、想定外の刺客(親フクロウ)が来たのでやめた。
フクロウの被り物のポテンシャル
ここ数年の流行りの帽子と言えばバケットハットだろう。
そう、こんなふうな。
...いや、おかしいな。ちょっと違う。
逆に裸（ら）の感じが際立っていないか？
うーん、帽子って服ありきなのかも。しゃーない。今回に限り服も作ります。
韓国風にしようと思ったのだが...あまりにも私の韓国に対するイメージがスカスカすぎた。
「韓国アイドルっつったらヘソ出しだよね♪」と、無謀にもトップスをクロップド丈（丈の短い服）にしてみたのがポイントだ。いかがだろうか。
…仮に、たとえ、万が一、とてもじゃないけどそうは見えなかったとする。しかし、作った本人がそういっているんだから名目上はクロップド丈のへそ出し韓国アイドル風なのである。
まあ、それは置いといて、次はもっと露出度が高い時に着用する被り物がいいな。そんなもんあるか？
そんな...
被り物は......
...覆面だ。
インターネット広しといえど、人形の覆面の作り方は載っていなかった。でも思いついちゃったから作る。
...これは......いい感じだ
ーーーーーかくして、かなしんぼの隠された才覚ー覆面レスラーとしての道は切り開かれたのであった。
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再会
そんなある日、会社から帰宅すると祖母からの届け物があった。
実に数十年振りの親子の再会の瞬間である。
祖母曰く「引き出しを掃除してたら奥から出てきた」とのこと。
マジ？そんなことあるんだ。うれしすぎ。おばあちゃんありがとう。
「てか～、俺ら初めての感じしなくない？絶対どっかで会ったことあるよね〜！」などとナンパ師のようなことを考えながらじっくりと眺める。（初対面の気がしないのは、単純にここ数日間赤ちゃんフクロウと向き合い続けていたからである）
あ！！！！！ちょっと待って！！！！！！
見てください、頭頂部に模様が！！！！！
...いや、違う。頭頂部だけじゃない。
こいつ、身体全体に模様がある。
写真だとわかりづらいけど、頭頂部・前面・背面・羽・尻尾に毛並みのような柄が浮かび上がっている。
口元のディティールも細かい（くちばしの先端は多分ハゲてるだけです）。
なんなんだこのこだわりようは。
！羽もちゃんと動くぞ！！
毛羽が脱落した部分から毛並みを表現したくぼみが複数見えた。
そうか。つまり、このくぼみが全身に入ってるってことか。なんて手の込んだことを...。
エポック社はなぜこんな大変なものを作るに至ったのか、実物を見てさらに謎は深まるばかりだが、とにもかくにも今はフクロウ親子の再会を喜ぼう。
久しぶりに会ったわが子が覆面レスラーになっていたとき、親は何を思うのだろう。
大人になる過程で悲しみも怒りもそぎ落とされた表情から感情は読み取れない。
ただ、そこそこ元気そうな子の様子を見て、心の中で眉を開いてくれていることを願うばかりだ。
フクロウはもう売ってませんがこれもかわいいです
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