架空の国家を創造している人
ネット上に自由に地図が作れる、オープンストリートマップの仕組みを使って、みんなで架空の国を作るという、オープンジオフィクション(以降OGF)というプロジェクトがある。
ひとまず、どんな国か、地図を見ていただきたい。
作安崎、骨焼市、深灣特別市、など、ありそうでなさそうな、読めそうで読めない。微妙な地名、異常に発達した鉄道と、徹底的に区画整理された街区の町並みなど、この世っぽいけど、この世っぽくない。この宙に浮いたような、ふしぎな違和感がたまらない。
改めていうが、上記の地図に描かれた国や都市は存在していない。人が勝手に空想して創り出したものだ。
こんなに緻密で細かな設定の地図を作り出したのはどんな人なのか。
イタリア出身のダヴィデさんが考え出した架空の国
OGFでは、自分に割り当てられた地域を、一定のルールに従って自分の国として自由に作ってよいことになっているのだが、その中の「イザランド」を作っているのは、日本在住のイタリア人、ダヴィデさんだ。
ダヴィデさんの創り出した「イザランド」には、上のような地図だけでなく、細かな設定があり、それがwiki形式でまとまっている。
このwikiによると、イザランドは、先史時代からイラシュン王国とソペケ王国などの王国が成立したり、統合を経て戦国時代、ナカイ王国の隆盛と、崩壊、そして19世紀に共和国制となるなど、かなり細かな歴史の設定がある。
歴史だけではなく、民族、宗教、地理、政治、文化など、かなり細かな設定が色々と決まっている。
イザランドの言葉は、bai文字(漢字)、イザランドで使われる文字、ローマ字などの交ぜ書きで表記され、漢字表記は、イザランド独特の読みで読まれる事があるため、首都の地名、作安崎もサインヅァウルとイザランドの読みかたで読まれる。ということになっているらしい。
イザランドのWikiで面白かったのが、イザランドに多い名字。という表。地名と名字は不可分の関係にあるとはいえ、マニアが過ぎるだろと思わず笑ってしまった。
架空の国や都市といったものの面白さは一体なんだろう。
架空地図を制作する人たちがいるということが、一般的に認知され始めてしばらく経つ。その表現方法は色々あるけれど、オープンジオフィクションという形で架空の地図や国家を設定している人たちも結構いるのだ。
このイザランドの創造者でもあるダヴィデさんとは一体どんな人なのか?