特集 2017年5月3日

江古田コンパのカクテル「レインボー」が美しすぎてまいった

作るのが難しいといわれるカクテル「レインボー」
作るのが難しいといわれるカクテル「レインボー」
今では作れる人があまりいないといわれるカクテル「レインボー」。

それが練馬区の江古田駅ちかくにある「江古田コンパ」でいただけるという。ぜひ味わってみたい。
東京葛飾生まれ。江戸っ子ぽいとよく言われますが、新潟と茨城のハーフです。
好きなものは犬と酸っぱいもの全般。そこらへんの人にすぐに話しかけてしまう癖がある。上野・浅草が庭。(動画インタビュー)

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江古田で知らぬ人は無し

地元で有名な「江古田コンパ」にやってきた。

コンパとは昭和40年台前半に流行ったカクテルバーの総称で、学生など若者向けにできた低価格で楽しめる飲み屋の業態のこと。

コンパには「みんなで飲みましょう」といった意味があり、女性も気楽にお酒が飲めるような場だそうだ。
女性でも気楽に入れ…ないような外観。だけどなんと、22時前にいけば女性は半額です。私は知らずに22時半にきたけど!
女性でも気楽に入れ…ないような外観。だけどなんと、22時前にいけば女性は半額です。私は知らずに22時半にきたけど!
昔は色んな所にコンパがあったそうだが、低価格ではやっていけないと徐々に減り、今ではここしかないそうだ。

なかなか入りにくい外観だったけど、入ってみると気取らない雰囲気で居心地がよさそう。ママと原さんの名コンビが迎えてくれた。
注文したらこのやりとり。可愛い話し方のママとバーテンの原さんの掛け合いが面白いお店だ。
注文したらこのやりとり。可愛い話し方のママとバーテンの原さんの掛け合いが面白いお店だ。
どんな雰囲気かは北村ヂンさんが以前書いた「江古田コンパってどんなお店?」を読んでもらうとして、今回はこちらでいただける「レインボー」というお酒に注目したい。

以前、企画で私が7色のジュースをつくったことがあったのだけど、それとは比にならないほど美しい7色のカクテルがここで飲める、というタレコミをいただきやってきたのだ。

裏メニューです!

ちなみにこのレインボー、江古田コンパのメニューには書かれていない。知る人ぞ知る裏メニューなのである。
以前ラップを利用して7色のジュースをつくったことがある。ママにこの画像を見せながら説明すると「うんうんうんうんうん……全然違いますね!」とバッサリ。ですよね。
以前ラップを利用して7色のジュースをつくったことがある。ママにこの画像を見せながら説明すると「うんうんうんうんうん……全然違いますね!」とバッサリ。ですよね。
という訳でさっそく注文。するとママ「高いわよ~? それにアレ、飲むもんじゃないわよ、いいの?」と慎重な反応。

確かにお値段は2500円と、ほかの5~600円台のお酒に比べたら高い。でも自分、覚悟してきてるんで大丈夫です! (22時前に来なかったことは後悔してるけど)

飲むもんじゃないわよ、と言ったのは、リキュールを重ねたものなので味を楽しむものではなく、見て楽しむものだ、ということのようだ。
作ってるところは企業秘密だそうで、隠れてつくる原さん。
作ってるところは企業秘密だそうで、隠れてつくる原さん。
10分くらいママと常連さんとで「この時期はタケノコがおいしいね」などと話していると、後ろから原さんの「できましたよ」、との声。いよいよご対面!
かと思いきや、原さんの手作りの照明器具がでてきた。百均グッズで作ったそうだ。
かと思いきや、原さんの手作りの照明器具がでてきた。百均グッズで作ったそうだ。
すごいよ原さん! (カクテルも照明も!)
すごいよ原さん! (カクテルも照明も!)
こちらがカクテル「レインボー」。惚れ惚れするほど美しい。ホテルのバーなんかだと5千~1万5千円はするのだとか。
こちらがカクテル「レインボー」。惚れ惚れするほど美しい。ホテルのバーなんかだと5千~1万5千円はするのだとか。
そう。レインボーはここだけのものではない。他のお店でも出してくれるところはあるそうだが、こんなに美しく仕上げるには相当なテクニックが必要だそうだ。しかもここの何倍ものお値段になるという。
甘いレインボーに合わせて、エイヒレのあぶりを注文。
甘いレインボーに合わせて、エイヒレのあぶりを注文。
ちなみに使っているのはローズシロップ、グルナデン(ざくろ)シロップ、アプリコットブランデー、グリーンミント、バイオレット、バナナ、ブルーキュラソーだそうだ。

中身言っちゃっていいんですね、と聞くと「入ってるもの言ったって、そうそう作れないから大丈夫。このヒントだけで作れる人がいたら、そのバーテンはすごく勉強している人だね」と原さん。なんかかっこいい!

ちなみにこのままほっとくと24時間後に混ざりだして、最後ドドメ色になるそうだ。
「中身公開しても大丈夫よ、それでもつくれないから」 スゴ腕の原さん。良いバーテンを目指してる人はこのお店に来るといろいろと学べるぞ!
「中身公開しても大丈夫よ、それでもつくれないから」 スゴ腕の原さん。良いバーテンを目指してる人はこのお店に来るといろいろと学べるぞ!
わ! 火をつけた!
わ! 火をつけた!
さらに紙ナプキンをかざして、ゆらゆらと色めく虹を見せてくれた。演出付きだったのね!
さらに紙ナプキンをかざして、ゆらゆらと色めく虹を見せてくれた。演出付きだったのね!

ちょっとしたショーが終わったあと、ママがスッとストローをさしてくれた。入れ方にコツがあるらしく、まだ不思議と混ざらない。

バナナ味にいったりミント味にいったり、小刻みにストローを扱いながらちょっとずつ飲んだ。面白いよこれ!
ストローだから、ちょっとずつ味わう事ができる。味がくっきり分かれててすっごい面白い。
ストローだから、ちょっとずつ味わう事ができる。味がくっきり分かれててすっごい面白い。
下の方はアルコール度数ゼロのシロップらしく、すごく甘い。上にいくにつれ徐々にツンと辛いお酒の味が強まっていくかんじ。最上段はアルコール度数50にもなる。その度数の違いで層ができるわけだ。

一番加減が難しいのが度数30~40の中間層。全く同じ度数になっている所もあり、その場合はエキス分(糖度)の多さで比重が変わるのだとか。そのバランスが「今」は難しいという。

昔の方が作るの簡単だった

昔リキュールの輸入がなかった時代は、サントリーがメインで作っていたという。同じサントリーがつくったリキュールは、明確に度数が違っていたそうでその頃はレインボーが作りやすかったという。しかしその後、サントリーが一部を残し作るのをやめてしまい、また、輸入で色んなメーカーのリキュールが入るようになると、度数がそれぞれ違うからバランスをとるのが難しくなっちゃったそうなのだ。
ステンドグラスみたいな見え方も。頑張れば9色までいけるそうだけど、バランスはやはり7色が美しいとのこと。
ステンドグラスみたいな見え方も。頑張れば9色までいけるそうだけど、バランスはやはり7色が美しいとのこと。
という感じで、7色のレインボーカクテルを楽しみながらいただくことができた。ただ飲むだけじゃなくて、パフォーマンスを見せてくれるところがうれしい。

「ちょっと酔ってきたかも…」ともらすと「レインボーは幸せになるお酒ですよ。…ただし1週間しか持たないけどね」と笑う原さん。あらーそれはまた来ないと!
7色でちょうど7日分の幸せか。一層一層大事にのもう。
7色でちょうど7日分の幸せか。一層一層大事にのもう。
すごく素敵なお店でした!
すごく素敵なお店でした!

確かに気軽だった

いい感じでユニークなお店だった。お二人がつくる雰囲気に一気にファンになったので、またきっと行こうと思う。22時前に。

「江古田コンパ」
場所:西武池袋線 江古田駅 南口徒歩2分
電話: 03-3950-6329
休み:日曜、月曜(←休みが増えたそうです)
時間:7時~翌2時頃
冷え冷えのレーズンバターもおいしい
冷え冷えのレーズンバターもおいしい
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