ずっと気になっているお店があるんです

昔からずーっと気になっているのに、どうも機会がなくて実際に入ったことはないお店って意外にあったりしますよね。

ボクにとってのそんなお店がこの「江古田コンパ」。

西武池袋線の江古田駅からほど近い場所にある「江古田コンパ」。学生時代、このすぐ近くにある学校に通っていたのでホント毎日のように前を通っていて、とにかくすっごく気になってはいたものの、中に入ったことはありませんでした。

まず、なにが気になったって、この外観……。

江古田は古い学生街なので、昭和のニオイを残したアナクロ感あふれるお店が結構残っているんですが、そんな中でも「江古田コンパ」の昭和っぷりはかなりのもの。今が21世紀だなんてとても思えません。

さらに気になるのが「江古田コンパ」という名前。

「横浜銀蠅」「東京ヤンキース」「モンゴル800」「大田クルー」「東京プリン」など（……あんま思いつかなかったな）バンド名でも、地名＋○○というネーミングはインパクトの強いものが多いですが、「江古田」という、まあ正直微妙な知名度の地名に「コンパ」を組み合わせた結果の破壊力はスゴイ。

そもそも「コンパ」といわれても、「合コン」的なことしか思い浮かびませんが、どんな意味が込められているのか……？

とにかく「江古田コンパ」。一度聞いたら忘れられないナイスなネーミングではあります。

それだけ気になっていたのなら、どうしてさんざん近くを通っていた学生時代に行ってみなかったのか……。

その理由も「外観」と「名前」につきますよね。

こう、ひとことでズバッと説明するのが難しいんですが、あまり気を遣わない言い回しで表現しちゃうと……。

「どう考えてもボッタくられそう」

だって、見るからにアヤシイじゃないですか。特に入口の上にアーチ状に設置された電飾が……。まっとうなお店にはとても見えないでしょ。

入口の両脇に設置された料金表もまたアヤシイ。

この表示を信じるならば、全然高いお店ではないんですが、「値段が安い」「明朗会計」みたいなのをアピールされればされるほど逆に「そうは言いつつも、会計の時になったら怖いお兄さんが出てきて何十万円も請求されて……」と思ってしまいます。

「江古田コンパ」という店名も、いざ入るとなるとハードルが高い。

これが「居酒屋・江古田」とか「スナック・江古田」とかだったらどんなお店なのか予想がつきますが、「江古田コンパ」じゃどんなお店なのか全然分かりません。

そんなわけで学生時代にはもちろん、今でもちょっと入る勇気が持てないでいるこの「江古田コンパ」。でも「取材」という名目があればがんばれるんじゃないか……ということで、デイリーポータルＺの企画にかこつけて行ってみることにしました。

……念のため、カードや免許証などは家に置いて。

ついに足を踏み入れた「江古田コンパ」の内部！

怖いお兄さんはいなそうなので一安心ですが、今まで見たことのない不思議な雰囲気の店内に、どうしたらいいのやらアタフタ。

そうこうしていると、カウンターの中に入ってたママが超フレンドリーに話しかけてきました。

ママ　アラーいらっしゃーい。はじめて？　こっちに座ったらー？　お仕事帰り？　マー大変ねー。今日はグイグイ（身振りをつけて）飲まなきゃ！

うーん、なんとも強烈なキャラクターのママ！　はたしてこの「江古田コンパ」はどんなお店なんでしょうか……。