チーズオムライス
極めてよく伸びるチーズが入っている
冒頭に宣言した通り、ラケルはオムライスを中心にしたファミレスチェーンだ。まず第一に押さえておきたいこととして、この店のオムライスはうまいのである。写真は編集部の藤原君が注文した「チーズオムライス」。どうみてもうまそうだろう、これ。
ぼくが注文したオムライスのセット
こちらのチーズも大変優秀な伸び方をする
なにせこの世のオムライス一般がうまい。ときおり食べたくなってしまう。しかしオムライスは悲しいことに、どことなく子どもっぽい食べ物じゃないか。「オムライスを食いに行こうぜ」なんて言うの、恥ずかしいだろう。
そこでどうすればいいか。「オムライスを食いに行こうぜ」の婉曲表現として「ラケル行こう」と言えばいいのだ。これでオムライスに迷えるあわれな羊たちがみな救われた。つまりラケルは神だ。
もう一度同じ写真見てください
さて。オムライスについて確認した後で、今度はセットのサイドメニューに注目していただきたい。
すごく変わった形のパン
このパンを「ラケルパン」と呼ぶ。フワフワでほんのり甘い味がついている。
ラケルパンの断面図
オムライス食べながらパンだと……そんなに炭水化物ばかり食えるかい、なんて思ってしまうかもしれない。しかし、あなたは確実にこのパンをペロリと食べることができる。ぼくが保証する。
なにせパンにはバターがじっとりとしみ込んでいて、油断すると手がぬめぬめのぐちょぐちょになるのだ。そんなものうまいに決まっているだろう。恐ろしいことである。
小ぶりのジャガイモそのまんま、味はついていない
ラケルにおけるもう一つの定番つけあわせがある。「小さめのジャガイモをそのまんまふかしたやつ」だ。
ラケルは女性向けのお店だ(この部分後ほどゆっくり解説させていただきたい)。しかしどうだろう、ジャガイモをふかしたやつを付け合わせに食べたい、という欲望は、運動部に入っている男子中学生のそれではないだろうか。
都会で暮らしていると「じゃがいもふかしたやつ食べたいな……」なんてなかなか言えないものだが、もちろんこの婉曲表現として「ラケル行こうぜ」が使えるのである。
理由1と2からどうなるか。もうものすごくお腹いっぱいになるのだ。
会社帰りにラケルに来てもらったライター2人
お腹がパンパンになったのは僕だけではない。今回ラケルに誘ったのは当サイトライターの江ノ島君とトルー君(そういう名前)だ。2人とも20代、まだまだ食べ盛りの余韻を残したお年頃であるが、しっかりお腹いっぱいになってくれた。
ちなみに江ノ島君が食べているのがこれ。鳥のもも肉が乗っていて、大変に頼もしい
まるでマンガのように口元をソースでメイクアップしながら食べる。こんなに一心不乱に集中している男の姿、みたことあるか?
トルー君が食べているのがこれ。小さめながらもハンバーグがついていて、戦闘力は十分にある
もちろん量の少ない単品メニューも存在するが、店側としては明らかにセットメニューを押している。やはりお腹パンパンになりながらセットメニューを食べなくてはいけないのだ。ぼくはそう思う。
コラーゲンが入っているというスープ
そうそう、言い忘れたがスープがうまいということも付け足しておきたい。ぼくは今までラケルに行って特段そんなことを考えたことはなかったのだが、
江ノ島君がスープを飲んだ瞬間、「スープうまい!スープうまいっすね!あー……うまい……」と騒ぎ出したので「言われてみればそうかもしれないな」と思った。
みなさんお気づきかもしれないが、ラケルは大変にかわいいお店である。先ほど「女性向け」と書いたのは正にこの部分だ。
まず外観からしてかわいい
入口にいる熊がかわいい
おしぼりですらかわいい
店員さんの制服もかわいい
仲良くメニューを見る2人
これだけかわいいを連発されてしまうと、こちらとしてもその雰囲気に流されてしまうものである。結果として、注文時にメニューを仲良く見る2人。この光景も見ようによっては大変にかわいいものといえないだろうか。そんなこといったら気持ち悪いか。
ちなみにラケルに行くとしたら断然、男同士で行くべきだ。店内は女性ばかりであり、ヘンな緊張感が発生する。他の飲食店ではなかなか味わえない、たまらない気持だ。
オムライスレストランとしての印象が強いラケルだが、デザートもすごい。ここまで完全にお腹パンパンなのだが、絶対に注文するべきだ。大丈夫、お腹パンパンの状態からまたお腹パンパンになるだけだ。状態としては何も変わらない。
これは「ビタミンパフェ」。栄養素押しのパフェなんて初めて見た
これは「フルーツバスケットフレンチトースト」。フレンチトーストが見えないほどのデコレーション
だいたい2~3人前くらいの量がある
ちゃんとしたデザート(ちゃんとしてないガッカリデザートってありますよね)なので、これだけのために来てもいいと思う。本当はこの記事も「ラケルのデザートがすごい!!!」というような内容にするつもりだった。
でも、ついついオムライスセットをみんなで食べてしまったので、このような構成になったしだい。オムライスは強いなぁ……。
いくつものカゴ
ラケルはありとあらゆるところにかわいい装飾が施されている。その中でも興味深かったのが天井に配置されているカゴだ。なんで天井にカゴがついているんだろう。このカゴについてこんな会話が交わされた。
斎藤 ラケルって内装がいちいち凝ってるんだよね。かわいいものがあちこちにおいてある。過剰に女の子向の店って感じするよな~。
江ノ島 天井にハチの巣が飾ってありますね。
斎藤 ハチの巣?
トルー えっ?
斎藤 ハチの巣じゃなくてカゴだよ。
江ノ島 あっ……そうかカゴか。立派なハチの巣を飾ってあるのかと思いました! 古い家の玄関みたいに。
斎藤 玄関? でもたしかにカゴも唐突だから、パッと見てなんだかわからないよね……。なんでカゴが天井に設置してあるんだろう。
トルー あれは、卵を集めるカゴなんだと思います。ここはオムライスのお店ですから。「採ってきたばかりの新鮮な卵を使ってオムライスを作っている」という演出なのではないでしょうか。
斎藤 すごい! ロジカルに結論を出している。
トルー これロジカルですか。
ぼんやりしているとカゴがハチの巣に見えてしまうし、ちゃんと見ているとカゴの置かれている意図までわかってくる。まことに見るものを映し出すカゴだなあ……と思った。こんなカゴが置いてあるのはラケルだけである。
ラケルはもっと知られていいはず
今回ラケルを書くにあたって編集部に「ラケルってすごい店ですよね」と言ったら「ラケルって何ですか」と返されてしまった。今回一緒に来てくれた人たちもみんなラケルに来たことがないそうだ。もっとメジャーなお店だとぼくは思っていた。
しかしラケルは関東、東海、関西、九州と広範囲にわたって50店舗展開している。知っている人は知っているお店といっていいだろう。
みんなももっとラケル行けばいいと思う。繰り返しになるが、できれば男同士で行くのが緊張感あっていいと思う。