森永の工場はチョコのにおい
指定された森永製菓の工場にやってきました。
指定されたのは横浜にある森永製菓の工場。門をぬけるとほんのりチョコレートの香りがして目に見えるもの全てがおいしそうである。
敷地の中にはグラウンドや池なんかもあり、たしかに環境はよさそう。でも甘酒を飲むのに適した環境とはどこなんだろう。
期待して待っていると研究員の方がやってきて僕をほの暗い廊下の先へと誘導した。
敷地の中にはグラウンドや池なんかもあり、たしかに環境はよさそう。でも甘酒を飲むのに適した環境とはどこなんだろう。
期待して待っていると研究員の方がやってきて僕をほの暗い廊下の先へと誘導した。
こちらへどうぞ~。
ピンときた。たぶんあれだ、最新のVRだ。
視聴覚室みたいなところに入るとそこはバーチャル空間で、ボタン一つで星空になったり砂漠になったりするのだ。そこで甘酒を飲めばたしかに美味いに違いない。
森永製菓め、お菓子メーカーだと思っていたらずいぶんと進んだことをしているな。
視聴覚室みたいなところに入るとそこはバーチャル空間で、ボタン一つで星空になったり砂漠になったりするのだ。そこで甘酒を飲めばたしかに美味いに違いない。
森永製菓め、お菓子メーカーだと思っていたらずいぶんと進んだことをしているな。
ずいぶん厳重な入り口である。開発段階だろうか。見せちゃっていいのか。
でもマイナス28℃って書いてあるな。
それではこちらでお待ち下さい!と室内に誘導され、外からドアを閉められた。
ええっと、VRは……と
ええっと、VRは……と
いやいやいやいやおまえらここ冷凍倉庫だから。
森永製菓「マイナス30℃の冷凍倉庫を撮影用に確保しました!ここで甘酒飲んだら安藤さん、さぞ美味しいかなと思って!」
まてこら。マイナス30℃ってマグロ凍らす温度だろう。死にそうになったらどうしたらいいのか。
まてこら。マイナス30℃ってマグロ凍らす温度だろう。死にそうになったらどうしたらいいのか。
「中から助けを呼ぶと外の回転灯が点灯するので大丈夫です!」
極寒の地で甘酒について聞く
じたばたしてもすでに倉庫のマグロである、なすすべがない。甘酒を飲むまで帰れなさそうなのでさっさと終わらせたいと思う。
甘酒が温まるまでの間、ここで甘酒担当田仲さんに話を聞くことになった。せめて温めておいてくれ、という僕の心の叫びはきっと外には聞こえない。
甘酒が温まるまでの間、ここで甘酒担当田仲さんに話を聞くことになった。せめて温めておいてくれ、という僕の心の叫びはきっと外には聞こえない。
僕とふたりで冷凍倉庫に閉じ込められた甘酒担当の田仲さん。担当だからってこういう仕事は断っていいと思います。
田仲さん「森永の甘酒について知りたくないですか」
――これ知りたいって言わないと出られないやつですよね。知りたいですよ。でも手短にお願いします、寒いので。
田仲さん「はい!甘酒は地域によって酒粕から作られるものと米麹から作られるものがあるんですが、森永の甘酒はみなさんに楽しんでいただけるよう、それぞれの原料をブレンドして作っているんです。」
――これ知りたいって言わないと出られないやつですよね。知りたいですよ。でも手短にお願いします、寒いので。
田仲さん「はい!甘酒は地域によって酒粕から作られるものと米麹から作られるものがあるんですが、森永の甘酒はみなさんに楽しんでいただけるよう、それぞれの原料をブレンドして作っているんです。」
「2種類の原料をブレンドしています!」
――なるほど。ちなみに田仲さんは酒粕と米麹、どっちの甘酒が好きなんですか。
田仲さん「ええっと、わたしはちょっと、、」
――嫌いなんですね、甘酒。
田仲さん「ええっと、わたしはちょっと、、」
――嫌いなんですね、甘酒。
「正直、苦手でした。」どうなってんだ森永。
田仲さん「でも今は飲めるようになりました。甘酒の担当になって1年なんですが、この前はじめて自主的に飲みたいなって思えて。」
田仲さんはじつは甘酒が苦手で、別の部署にいた頃は1缶飲みきったことがなかったのだとか。正直でいいと思います、僕も子どもの頃は苦手だったので。
――でも今は飲めるんですよね?
田仲さん「はい!甘酒って私みたいに子どもの頃にダメで、そのイメージのまま大人になっても手を出さない人がわりと多いんですよね。好意度調査とかすると3割とか、ものすごい低い数字をたたき出す不思議な飲み物なんですよ。」
ちなみにココアで好意度テスト(好きかどうか聞くテスト)をすると9割くらいが好きと答えるのだとか。甘酒は最近になって美容と健康に効果があるとテレビなんかでとりあげられて人気になったが、それまでずいぶんとしいたげられてきた飲み物なのだ。
田仲さんはじつは甘酒が苦手で、別の部署にいた頃は1缶飲みきったことがなかったのだとか。正直でいいと思います、僕も子どもの頃は苦手だったので。
――でも今は飲めるんですよね?
田仲さん「はい!甘酒って私みたいに子どもの頃にダメで、そのイメージのまま大人になっても手を出さない人がわりと多いんですよね。好意度調査とかすると3割とか、ものすごい低い数字をたたき出す不思議な飲み物なんですよ。」
ちなみにココアで好意度テスト(好きかどうか聞くテスト)をすると9割くらいが好きと答えるのだとか。甘酒は最近になって美容と健康に効果があるとテレビなんかでとりあげられて人気になったが、それまでずいぶんとしいたげられてきた飲み物なのだ。
あつあつの甘酒が届く
ここで扉のロックが外され、甘酒が届いた。出ましょう!今のうちに
田仲さん「さあ、あつあつですよ!」
田仲さん「さあ、あつあつですよ!」
たしかにあったけえけど!
温かい甘酒の缶が手に感触を蘇らせる。かつて甘酒が苦手だった田仲さんも、このマイナス30℃の環境ならばいっそう美味しく飲めることだろう。
でもこんなのうまいに決まってますよね。
僕たちは広告企画としてこれを書いている手前、安易に「うまい!」とか言わないようにしているんだけれど、しかしマイナス30℃の部屋で飲むあつあつの甘酒がものすごく美味しかったのは本当です。
これで目的は達したでしょう。外に、外に出してください。
これで目的は達したでしょう。外に、外に出してください。
仕事を終えて外へ。温度差でレンズが曇る。
極端に寒い環境で飲む甘酒はたしかに美味しかった。あの環境でならばココアでもみそ汁でも、温かければなんでも美味しいのでは、とも思うが、それはそれこれはこれである。
いったん広告です
苦手な人は「割り」で
――冷凍倉庫の中が寒すぎて聞きそびれたんですが、田仲さんが甘酒を飲めるようになったきっかけとかあるんですか。
田仲さん「仕事柄、試飲でたくさん飲むので嫌いとか言ってられないっていうのもあるんですが、苦手な人はまずはいろいろなもので割って飲むといいですよ。リンゴジュースとか牛乳なんかとも合います。」
なるほど。そういえばデイリーでも前に地主くんが甘酒にジャムを入れて飲んでいたな(甘酒にジャムを入れると美味しい)。
田仲さんに教えてもらった飲み方を家に帰って試してみた。まずはリンゴジュース割りから。
田仲さん「仕事柄、試飲でたくさん飲むので嫌いとか言ってられないっていうのもあるんですが、苦手な人はまずはいろいろなもので割って飲むといいですよ。リンゴジュースとか牛乳なんかとも合います。」
なるほど。そういえばデイリーでも前に地主くんが甘酒にジャムを入れて飲んでいたな(甘酒にジャムを入れると美味しい)。
田仲さんに教えてもらった飲み方を家に帰って試してみた。まずはリンゴジュース割りから。
リンゴの風味がなぜか増す、甘酒のリンゴジュース割り
背景が宇宙なのは特に意味はないです。
甘酒とリンゴジュースは1:1で混ぜてみた。
田仲さんが勧めていた甘酒のリンゴジュース割り、これがたしかに美味しいのだ。
甘酒って麹の香りだろうか、独特の風味があるので、きっと苦手な人はそこが嫌なんじゃないかと思うのだけれど、リンゴジュースで割るとなぜかあの風味がリンゴのふわりとした香りと合わさって「強いリンゴ風味」に変わるのだ。これは不思議。
味としては濃厚なリンゴジュースといった感じ。後味に少しだけ甘酒のコクが加わる。なるほど、これならきっと誰でも飲めると思います。
つぎは野菜ジュースで割ってみた。
田仲さんが勧めていた甘酒のリンゴジュース割り、これがたしかに美味しいのだ。
甘酒って麹の香りだろうか、独特の風味があるので、きっと苦手な人はそこが嫌なんじゃないかと思うのだけれど、リンゴジュースで割るとなぜかあの風味がリンゴのふわりとした香りと合わさって「強いリンゴ風味」に変わるのだ。これは不思議。
味としては濃厚なリンゴジュースといった感じ。後味に少しだけ甘酒のコクが加わる。なるほど、これならきっと誰でも飲めると思います。
つぎは野菜ジュースで割ってみた。
野菜が幅をきかせる、甘酒の野菜ジュース割り
甘酒の野菜ジュース割り。
同じく比率は1:1。
これはほとんど甘酒を感じられなくなってしまった。甘酒ってわりと味の強いイメージがあったのだけれど、野菜ジュースの方が味も香りもだんぜん強い。かなり集中して飲まないと甘酒が見えてこない。
牛乳はどうだろう。
これはほとんど甘酒を感じられなくなってしまった。甘酒ってわりと味の強いイメージがあったのだけれど、野菜ジュースの方が味も香りもだんぜん強い。かなり集中して飲まないと甘酒が見えてこない。
牛乳はどうだろう。
甘さが盛り上がる、甘酒の牛乳割り
甘酒の牛乳割り。
比率は同じく1:1で。
甘酒の牛乳割り、これが驚きの美味しさだった。牛乳を入れたことで甘酒のクセがおさえられて、代わりに甘みが3倍くらいに盛り上がるのだ。なんだこの化学反応は。さらに後味にどこから出てきたかわからないが果物みたいな爽やかさが加わる。例えるならカルピスをすごく濃く作ったみたいな感じか。これうまいな、これが正解だと思いますよ。
炭酸はどうだろう。オロナミンCで割ってみた。
甘酒の牛乳割り、これが驚きの美味しさだった。牛乳を入れたことで甘酒のクセがおさえられて、代わりに甘みが3倍くらいに盛り上がるのだ。なんだこの化学反応は。さらに後味にどこから出てきたかわからないが果物みたいな爽やかさが加わる。例えるならカルピスをすごく濃く作ったみたいな感じか。これうまいな、これが正解だと思いますよ。
炭酸はどうだろう。オロナミンCで割ってみた。
乳製品っぽさが懐かしい、甘酒のオロナミンC割り
甘酒のオロナミンC割り。
野菜ジュース同様、オロナミンCの香りが強くて一見甘酒が感じられないのだけれど、後味のどこかにたしかにいるのがわかる。カルピスというかヤクルトというか、濃い乳製品飲料みたいな風味になってどこか懐かしい味だ。比率は同じく1:1。
最後に、酒といいつつアルコール度数のない甘酒に、あえてアルコールを足してみたい。甘酒の泡盛割りである。
最後に、酒といいつつアルコール度数のない甘酒に、あえてアルコールを足してみたい。甘酒の泡盛割りである。
マッコリに近い?甘酒の泡盛割り
甘酒の泡盛割り。
沖縄の、特に宮古島では泡盛に練乳を入れて飲んでいるらしいので(宮古島「ミルク泡盛のルーツを訪ねて」)、甘酒で割ってもやはり美味しいのではないかと思ったのだがはたして
うん、ちょっと違う。
舌触りがとろっとして後味に乳製品っぽいコクが出るので、しいていえば韓国のマッコリに近いような気もする。
ただ、なにしろ泡盛の風味とアルコール度数が強いので、マイルドな甘酒が完全に負けてしまった。他にならって1:1で配合したのだけれど、割合を変えて研究したらもっと美味しくなるのかもしれない。
※森永田仲さん情報:日本酒、ワイン、焼酎とは相性いいですよ!
ただ、なにしろ泡盛の風味とアルコール度数が強いので、マイルドな甘酒が完全に負けてしまった。他にならって1:1で配合したのだけれど、割合を変えて研究したらもっと美味しくなるのかもしれない。
※森永田仲さん情報:日本酒、ワイン、焼酎とは相性いいですよ!
最後の方が「どぶろく」みたいで美味しかった。
甘酒は深い
僕も田仲さんと同じく子どもの頃に飲んだ甘酒があまり好みではなく、それからずっと飲まずにいたのだけれど、大人になって飲んでみたら違和感なくむしろ美味しく感じられたのだ。大人になると味覚が変わるのだろうか、それとも甘酒自体が飲みやすく進化したのか。
ところで、これ言っちゃおしまいかもしれないけれど、甘酒って名前でお酒だと思って敬遠してる人、わりといると思うんですよねー。
ところで、これ言っちゃおしまいかもしれないけれど、甘酒って名前でお酒だと思って敬遠してる人、わりといると思うんですよねー。
凍るかなと思ってミカンとバナナを持って冷凍倉庫に入ってみたんだけど、凍るまで待てなかった。
【告知】各地の甘酒を調査した記事が来週19日に公開されます。酒粕か米麹か、あなたの地域の甘酒はどっちだ!(くりかえしますが森永の甘酒は両方をブレンドしています)