本当だ! ダマダマに!
「おおおおー、これが『トウフ』だよ!」
たまたま長年のナゾが解けた、瞬間であった。
そのあと、作った『ミルク酒』を飲みながら、
「天然黒糖は、作りたてが、ものすごく美味しいよ」「泡盛はコーラ割りも、結構イケるよ」「今度来た時には釣りにおいで、自分で釣った魚を海の上で食べるのは最高だよ」「ここでは、美味しいけど、あんまり釣れないキツネウオは、女子高生って呼んでるんだよ、理由は宮古島高校ー宮古高校の女子高生の夏服に模様が似てるから!」「ちなみにブダイの仲間、ビタロウは、なぜか『ヒロシ』(笑)」「ところで君ら、本当は何歳なんだ?(笑)」「それにしても、女の子にしては、酒強いねえ〜」
など、話は脱線。
ケンジさんは、池間の唄を歌ってくれた。沖縄の唄というのは、島ごとに違ったりするのだけれど、池間は「基本アカペラで、1000曲くらいある」のだそう。
ケンジさんの唄は、「うわー、ノド使ってる、イイ声! 基礎歌唱力が高っ!」という、素晴らしい声だった。
「今度はヒロシを釣りに来ますー!!」
「釣りにおいでー!!」
車の中から手をふる。暗闇のなかに、ケンジさんとアシカワさん、お二人のシルエットが消えていく。
「運転手させちゃって…すみません」
まず、ノンアルコールのD介さんにあやまった。
「いやいや、興味深い話で、楽しかったですよ。……しかし本当に、みなさん、お酒強いですね〜」
「いえいえ〜…恥ずかしながら」
取材モードのスイッチを切ったら、酔いがまわってきた。
嬉しかった。すごく嬉しかった。普段逢えない人に逢えたことも、意外なお酒の誕生秘話が聴けたことも。
奇跡的だ。私たちはたぶん、『ミルク酒のかみさま』に呼ばれたのだ。
2次会は、D介さんも飲めるように、市街のお洒落なバー「ボックリーのチョッキ」に移動した。
「『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』、宮古島でやらないんですよねえ」「うわ、それはファンにはキツイですね」「DVD化待ちですねえ」「きっとDVDになったら、また内容変えちゃいますよ、そういう作品だもん」「そうかなあ、ああ…。そういえばテレビ版で、第三新東京市第壱中学校のアスカの修学旅行先が宮古島になってて、1日目が第三新東京国際空港→オキナワ(本島)、2日目が本島→ケラマ諸島→ミヤコ島、3日目がミヤコ島→第三新東京国際空港、なんですよね。2日目はダイビング、だったような」「へー! 宮古島に来る予定だったんですね。でもそれ、島間の距離的には、無茶なスケジュールですね」「でもあのエヴァの設定だと、宮古島は水没してる筈なんですよね…」「なるほど! でも、もしかして水没してるトコが地下観光都市とかになってて、島と島を、高速移動出来る海中道路が出来てたりするのかもしれないですよ!」「あはは」
なんて、東京にいる時と変わらないモードで、アニメの話などをした。さっきまで海人といたのに! 少しだけ変な感じがした。
……これだけいい出会いがあったんだから、後は雨でもいいや、と思ったが、「晴れ女」の底力なのか、ビーチに出るたびに晴れてしまった。移動中、『サマーヌード』を何度も聴いた。
「はしゃぎすぎーてるー、なつのーこどーもさ…」 |