専門家ではない人にオークションでの落札金額を占ってもらう企画、第二弾の今回も出品物を探すところから始まります(第一弾では化石を占い師に占ってもらいました)。
リアル海彦山彦
オークションに出品して高値になりそうなものを探すため、今回は山と海に分かれて何かいいものが落ちていないか探すことにした。幸いなことに日本には海もあれば山もあるのだ、どちらも探しておいて損はないだろう。
でも一人でどっちも探すのは大変なので、片方をライター地主くんにお願いした。
でも一人でどっちも探すのは大変なので、片方をライター地主くんにお願いした。
地主くんには山をお願いしました。
当日はお互いのスケジュールをすりあわせて、朝の9時に現地で探索を開始する約束をした。その日の朝、最初に地主くんから送られてきた写真が上の写真である。
いっぽうその頃、僕は海に来ていた。
いっぽうその頃、僕は海に来ていた。
わーい。
ずいぶんとテンションが違って見えるのはなぜだろう。
海か山か、どっちがいいか聞いたとき山と答えたのは地主くんだし、当日現地に着くのが20分遅れたのも地主くんである。僕はこういうことちくちく言うぞ。
まあいい。
二人同時に別の場所を探すため、何かいいものが見つかり次第写真を撮って送り合うことにした。
海か山か、どっちがいいか聞いたとき山と答えたのは地主くんだし、当日現地に着くのが20分遅れたのも地主くんである。僕はこういうことちくちく言うぞ。
まあいい。
二人同時に別の場所を探すため、何かいいものが見つかり次第写真を撮って送り合うことにした。
実際のタイムラインより。
雨が降ってきそうということもあり、制限時間は2時間とする。その間でそれぞれオークションに出品できそうなものを見つけてくるのがミッションとなる。
それではお願いします!
それではお願いします!
いきなり漂うゴミ拾い感
次にお互いに送り合った写真が上の2枚である。
なんというか、ゴミ拾い感がはんぱない。特に打ち合わせもしていないのにお互い地域指定のゴミ袋を用意して来ているあたり、あらかじめゴミ拾いになるだろうという大人の予測が垣間見える。落ちているものを出品する、という方針自体間違っていたか。
ともかくある程度発見があったので見ていこう。まずは海を探した僕の収穫から。
なんというか、ゴミ拾い感がはんぱない。特に打ち合わせもしていないのにお互い地域指定のゴミ袋を用意して来ているあたり、あらかじめゴミ拾いになるだろうという大人の予測が垣間見える。落ちているものを出品する、という方針自体間違っていたか。
ともかくある程度発見があったので見ていこう。まずは海を探した僕の収穫から。
テニスボール。
靴。
靴。
そして
靴。
わずか1時間たらずで片方だけの靴を5つも見つけた。みんな海に靴を片方流しすぎである。しかし靴はちょっと出品しにくい。
靴の他にもペットボトル、流木、瓶など、集まったものはほぼゴミだった。
靴の他にもペットボトル、流木、瓶など、集まったものはほぼゴミだった。
全体的にゴミといっていいラインナップ。
そんな中、ぎりぎり「いいもの感」のあった漂流物がこちら
ビー玉。
だいぶ「いいもの」のハードルが下がっているのがわかる。
なにしろ2時間さがしてビー玉ひとつである。その分袋いっぱいのゴミを持ち帰ったので許してもらいたい。
なにしろ2時間さがしてビー玉ひとつである。その分袋いっぱいのゴミを持ち帰ったので許してもらいたい。
ゴミ拾い終了。雨降ってきたし。
途中から雨が降ってきたこともあり、このあたりで海のゴミ拾いは終了とさせていただきたい。山の地主くんはどうだろう。
しばらくして地主くんから送られてきた写真がこちらである。
しばらくして地主くんから送られてきた写真がこちらである。
どんぐり。
どんぐり以降、音信不通
山を探しているはずの地主くんからは、開始早々どんぐりの写真が送られてきてはからうんともすんとも連絡がなかった。大丈夫だろうか、腹をすかせたクマにどんぐりごと食べられてはいないか。
そのあと送られてきたのがこの写真。最初どこに地主くんがいるのかわからなかった。
僕がゴミの写真を送りつけていた間、地主くんからはほとんど返信がなかった。そしてたまに送られてくる写真の山感がはんぱない。すまない。その後もぽつりぽつりと「なにも見つかりません」というメッセージが入る。
遭難していないか、クマにやられていないか、開始から1時間ほどして不安になってきた頃のことである。地主くんから一転、興奮気味に着信があった。
遭難していないか、クマにやられていないか、開始から1時間ほどして不安になってきた頃のことである。地主くんから一転、興奮気味に着信があった。
何かの骨、見つかる
この距離からも瞳孔が開いているのがわかる。
地主くんから写真が届いた。「鹿か何かの骨を見つけました!」とのこと。山ならではでの発見である。
いわく「鹿か何かの骨」とのこと。
山ならではではあるけれど、ちょっとオークションには出品しにくくもある。もう少しこう、生々しくないものをお願いできないだろうか。
地主くんには「さらなる大物を期待しています!」とやんわりとゴミ拾いの続行をお願いした。いま終わったら鹿の骨と片方の靴を出品することになる。
地主くんには「さらなる大物を期待しています!」とやんわりとゴミ拾いの続行をお願いした。いま終わったら鹿の骨と片方の靴を出品することになる。
大逆転のケサランパサラン
海の方のゴミ拾いが一段落した頃、山の地主くんから再び勢い良く着信があった。どうした、今度こそクマ出たか。
「ケサランパサランを見つけました!!」
なんだと!
「ケサランパサランを見つけました!!」
なんだと!
これが地主くんの見つけた「ケサランパサラン」。
大発見ではないのか。
ケサランパサランとは、白い毛玉のような物体で、空中をフラフラと飛んでいると言われる。一つ一つが小さな妖力を持つ妖怪とも言われ、未確認生物として扱われることもある(ウィキペディアより)。
そんな妖怪をかたまりで見つけたというのだ。すごい。
ケサランパサラン、どこにあったの?と聞くと「山!」と言っていた、知ってる。
そんな妖怪をかたまりで見つけたというのだ。すごい。
ケサランパサラン、どこにあったの?と聞くと「山!」と言っていた、知ってる。
瓶に収穫されたケサランパサラン。
この後山を降りた地主くんに会いに行ったのだが、丁寧にも捕まえたケサランパサランらしきものを3つずつバラして瓶に詰めてくれていた。瓶詰めするとさらにいいもの感が増す。
そして驚くことにこれがたくさんあるのだ。
そして驚くことにこれがたくさんあるのだ。
12瓶ある。
どこ情報なのかわからないが、地主くんいわく本物のケサランパサランだと相場は一瓶3000円なのだとか。
「なのでこれだけでざっと3万6千円です。」
これは大変なことになってきた。
「なのでこれだけでざっと3万6千円です。」
これは大変なことになってきた。
さらにどんぐりと鹿の骨、そしてなんだかわからないガラス片みたいなものもセットにした。
これはもう山の地主くんの圧勝ということで揺るぎないだろう。なにせ3万6千円相当だもの。
というわけで今回の出品物は「ケサランパサラン(のようなもの)となかまたち」とういことになりました。
これを持って専門家ではない人に落札価格を予想してもらおうと思います。
というわけで今回の出品物は「ケサランパサラン(のようなもの)となかまたち」とういことになりました。
これを持って専門家ではない人に落札価格を予想してもらおうと思います。
いったん広告です
気象予報士に聞くケセランパサランの価値
今回、地主くんが見つけてきたケサランパサランらしきものを鑑定してもらうのはこの方、気象予報士の増田さんである。
増田さん(本物)。
毎週「あと出し天気予報」を連載してもらっている増田さんはウェザーマップ所属の気象予報士である。天気予報歴16年のキャリアを生かして謎物体の落札金額をズバリ予想してもらいたい。
その前にまず増田さんのお仕事について聞いた。
その前にまず増田さんのお仕事について聞いた。
いきなりケサランパサランいくら?とか言い出すの大人としてどうかと思って。
--まず気象予報士のしごとについて教えて下さい。普段はどんな仕事をされているんですか。
「テレビ局に行く日と行かない日で仕事のスタイルは変わってきますが、基本的にコンピューターが出してきた天気予報の分析結果ついて、正しいかどうかチェックをしたり過去のデータと経験にもとづいて予報を修正したりしていますね。」
「テレビ局に行く日と行かない日で仕事のスタイルは変わってきますが、基本的にコンピューターが出してきた天気予報の分析結果ついて、正しいかどうかチェックをしたり過去のデータと経験にもとづいて予報を修正したりしていますね。」
昔は天気図を手で引いていたのだとか。
--気象予報士のキャリアの長さで予報の精度が変わってきたりするんですか。
「どうですかね。ただ、同じデータでも人によって解釈が違ったりはするんですよ。晴れは晴れでも『快晴です!』ってズバリ言い切っちゃう人もいれば『晴れ間がのぞくでしょう』くらいの言い方でぼやかす人もいます。その人なりのスタイルはキャリアの長さで身につくものかもしれないですね。」
若い気象予報士はズバリ当てたがる、とも言っていた。やはりそのほうがかっこいいからだろうか。増田さんも20代の頃はそうやってよく勝負したがっていたのだとか。
では今回は若い頃を思い出してズバリ当ててもらいたいと思う。いよいよい本題に入る。
--ところで増田さん、これ、いくらだと思いますか。
「どうですかね。ただ、同じデータでも人によって解釈が違ったりはするんですよ。晴れは晴れでも『快晴です!』ってズバリ言い切っちゃう人もいれば『晴れ間がのぞくでしょう』くらいの言い方でぼやかす人もいます。その人なりのスタイルはキャリアの長さで身につくものかもしれないですね。」
若い気象予報士はズバリ当てたがる、とも言っていた。やはりそのほうがかっこいいからだろうか。増田さんも20代の頃はそうやってよく勝負したがっていたのだとか。
では今回は若い頃を思い出してズバリ当ててもらいたいと思う。いよいよい本題に入る。
--ところで増田さん、これ、いくらだと思いますか。
これ。
「え?なんですかこれ?」
--ケサランパサランです。
--ケサランパサランです。
「ケサラ…?」
--ケサランパサランです。空中にフワフワ漂っている毛みたいな白い物体なんですが、見つけると幸運になるとかいろいろ言われています。
「へー、初めて知りました。」
「へー、初めて知りました。」
天気予報ぜんぜん関係なくてすみません。
増田さんもケサランパサランは初めて見たということだった。直前までエルニーニョ現象と今年の冬の長期予想について話してもらっていたのに、急に謎物体とか持ちだして本当に申し訳ない。失礼は承知で、そこをなんとか落札金額を予報してもらえないでしょうか。
「そうですね…、これだけ軽いものなら少しの雨でも落ちてしまいますよね。ここ2日は晴れて空気が乾燥していたから、意外と遠くから飛んできたものかもしれません。えーっと昨日今日は温度が上がって関東近郊は南風だったので、それに乗ってやってきたのならば神奈川県の南部が原産かもしれませんね。」
さすが気象予報士である。採取当日の天気と照らしあわせて飛んできた場所を予想してくれた。
しかし僕の知りたいのはそういうことではなく値段である。
--ということは、ズバリこれいくらになると思いますか。
「これの値段ですか。」
--はい。ちなみに瓶は2個で100円だったそうです。同じものが12個あります。
「12個。」
--はい。あとどんぐりと鹿の骨も付けます。
「ますますわかんないですね。一瓶150円として12個で1800円、どんぐりと鹿の骨を各100円として、合計で2000円ってところでどうでしょう。」
--採ってきた地主くんは3万6千円って言っていましたが。
「そうですね…、これだけ軽いものなら少しの雨でも落ちてしまいますよね。ここ2日は晴れて空気が乾燥していたから、意外と遠くから飛んできたものかもしれません。えーっと昨日今日は温度が上がって関東近郊は南風だったので、それに乗ってやってきたのならば神奈川県の南部が原産かもしれませんね。」
さすが気象予報士である。採取当日の天気と照らしあわせて飛んできた場所を予想してくれた。
しかし僕の知りたいのはそういうことではなく値段である。
--ということは、ズバリこれいくらになると思いますか。
「これの値段ですか。」
--はい。ちなみに瓶は2個で100円だったそうです。同じものが12個あります。
「12個。」
--はい。あとどんぐりと鹿の骨も付けます。
「ますますわかんないですね。一瓶150円として12個で1800円、どんぐりと鹿の骨を各100円として、合計で2000円ってところでどうでしょう。」
--採ってきた地主くんは3万6千円って言っていましたが。
「ぜんぶで2000円で。」