きっかけはダジャレから
おぼえているだろうか。9月、バクのアップ写真ばかりを集めたサイトを作ってデイリーで紹介した。
バク。
バックアップソフトのアクロニスとのコラボ企画である。バックアップだからバクのアップを撮りましょう、と提案したところすんなり通ってしまったのでバクの写真を1000枚くらい撮った夏の思い出だ。
その集大成がこのサイトである。
しかしバクアップのプロジェクトはこれで終わりではなかった。
バクのグッズを作ってプレゼントする。これがやりたかった。あれからずいぶん時間が経ってしまったのは忘れていたからではない。作ろうとしたグッズが特殊すぎたためである。
なにしろ作りたかったのは等身大のバクのクッションである。でかすぎるため、制作は難航を極めた。
バクのグッズを作ってプレゼントする。これがやりたかった。あれからずいぶん時間が経ってしまったのは忘れていたからではない。作ろうとしたグッズが特殊すぎたためである。
なにしろ作りたかったのは等身大のバクのクッションである。でかすぎるため、制作は難航を極めた。
作ってくれる会社がない
写真サイトを作るかたわら、オリジナルクッションを作っている会社数社に連絡を取って等身大のバクのクッションを作れないか聞いて回った。しかしそんなの作ってくれる会社はひとつもない。もう自分で手縫いするしかないかなと思っていた矢先である。
そういえば、と以前取材させてもらったとある会社のことを思い出したのだ。あそこなら引き受けてくれるかもしれない。
そういえば、と以前取材させてもらったとある会社のことを思い出したのだ。あそこなら引き受けてくれるかもしれない。
堀江織物の堀江兄弟である。
堀江織物のすごさについては以前ライター西村さんが等身大の自分を布にプリントした記事に詳しい(こちら)。
人の等身大が作れるのだからバクだってできるのではないか。そんな短絡的な発想で連絡してみたら「いけますよ」と二つ返事で受けてくれた。さすがである。
堀江さんいわく、前に柿の種の巨大なクッションを作ったことがあるのだとか、趣味で。どうしてそういうことをやるんだろう。
人の等身大が作れるのだからバクだってできるのではないか。そんな短絡的な発想で連絡してみたら「いけますよ」と二つ返事で受けてくれた。さすがである。
堀江さんいわく、前に柿の種の巨大なクッションを作ったことがあるのだとか、趣味で。どうしてそういうことをやるんだろう。
その巨大な柿の種のクッションは工場にじゃまそうに置かれていました。
これで道は開けた。僕の撮った中でいちばん可愛いく撮れたバクの写真を堀江さんに送ったうえで、制作過程を見学させてもらうことにした。
まずは転写シートにプリントする
等身大バククッションの制作は一宮にある堀江織物で行われた。
オリジナルグッズでも大量生産するのならば版を作ってシルクスクリーン印刷するところだが、今回はものが大きいだけで数は少数である。こういう時は版を作らなくてもいいデジタルプリントを使うのだとか。
巨大なプリンター。巻かれているのが転写用の紙。
まずは熱転写用の紙にバクをプリントしていく。
プリンターヘッドが走るたび、徐々にその姿を現していくバク。
プリンターヘッドが走るたび、徐々にその姿を現していくバク。
このサイズでも出力は数分で終わる。
すこし色が浅いのは布に転写するとくっきりに変わるらしい。
「バクですね」
「ええ、バクです」
あまりに巨大なバクのイメージに、僕も堀江さんも顔を見合わせた。「バクですね」以外に言葉が見当たらない。
「ええ、バクです」
あまりに巨大なバクのイメージに、僕も堀江さんも顔を見合わせた。「バクですね」以外に言葉が見当たらない。
熱で布に転写する
次に印刷した用紙と布とを合わせて熱をかけて転写する工程にはいる。ほとんど嫌がらせみたいなこのクッションを作るために、何人もの大人に大掛かりな機械を操って作業をしてもらい本当に恐縮する。
布と合わせて熱をかけると
下から布に転写されたバクが出てくる。その精度を確認するスタッフのみなさん。
プリントができたら次はカットである。
これは堀江さんの工場に最近導入されたという最新のカッターで切る。導入したはいいが活躍する場がなかったというこの最新機器を、今回バクのシルエットを抜くために使えてよかったと堀江さんは言っていた。ただ欲しい、使いみちは買ってから考えよう、というその姿勢がすごくいいと思う。
ほんと一瞬できれいにカットできる。
クッションの中身はウレタンフォームを入れることになった。
はじめ綿でお願いしていたのだが、綿屋さんに見積もったところ綿をパンパンに詰めると総重量が10キロを超えると言われたのだ。二歳児か。そんなの送りつけるの嫌がらせでしかないだろう。代わりにウレタンフォームにすることでずいぶん取り回しが楽になるということだった。
布と同じシェイプで精密にカットされたウレタンフォーム。サイズ感がおかしい。
縫製のプロのもとへ
堀江さんのところでも簡単な縫製はできるのだが、今回はかなり特殊な縫い方を必要とするため、専門のプロ工房にお願いすることにした。どんな分野にもプロは存在するのだ。
プリント出力したバク柄の布とウレタンフォームを縫製工場へと持っていく。
普通車で運べるギリギリのサイズ。
堀江さんいわく、ここ丸三被服(株)さんは「どんな縫製でも「できません」とは言わない」のだとか。
その割に堀江さんは「これなに、どうしてこんなの作るの」と責められていた。すみません。
今回のクッションの場合、普通だったら上面と下面の間に「マチ」を付けて立体にするのだが、「それでは面が優しくない(丸三被覆のおばちゃん談)」とのことで、上面の布を一回り大きくカットして、そのマージンでウレタンフォームを包み込むように縫製していく方法を採用した。
言っていることはなんとなくわかるが、技術的にそんなこと可能なのだろうか。
言っていることはなんとなくわかるが、技術的にそんなこと可能なのだろうか。
堀江さんはこの社長を「天才」と呼ぶ。
外周の長さの違う二つの布をひとつに縫い合わせていく。ものすごい技術力である。
このステッチで縫うと布が伸びても縫い目がほつれないらしい。
プリント、転写、カット、縫製と、ところどころにプロの技術が注ぎ込まれていく。
そして数日後、堀江さんから完成したバククッションの写真が送られてきた。
それがこちらである。
そして数日後、堀江さんから完成したバククッションの写真が送られてきた。
それがこちらである。
かわいい。
いい。はっきりいって可愛い。
でもうっかり当たると巨大なので注意してもらいたい。写真ではつかみにくいが、サイズ感としてはクッションというよりも家具である。
等身大のバクはほしいけどどうしても置くところがない、という人にはポスターも用意した。こちらも等身大である。いや、等身大にしようとしたら弊社デザイナーが勢い余ってもっと巨大にしてくれたので「大柄のバク」の等身大、くらいである。
でもうっかり当たると巨大なので注意してもらいたい。写真ではつかみにくいが、サイズ感としてはクッションというよりも家具である。
等身大のバクはほしいけどどうしても置くところがない、という人にはポスターも用意した。こちらも等身大である。いや、等身大にしようとしたら弊社デザイナーが勢い余ってもっと巨大にしてくれたので「大柄のバク」の等身大、くらいである。
デザインチェックは分割して出力した。
ポスターはB1で2案ご用意いたしました。どちらが当たるかはわかりません。
さらにバクのバッジも作った。
アクロニスの担当者さんと手作業で作りました。
バク。
満足である。正直僕も欲しいが家が狭いので今回は遠慮したい。十分にスペースのある方のみ、ご応募ください。