特集 2014年6月2日

埼玉のハーブうどん、「すったて」紀行

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埼玉はうどんが美味いシリーズ、「埼玉・加須うどん食べ歩き!」「埼玉、川島町はうどんが美味い」「埼玉、鬼うどん紀行」に続き、第4弾です。
埼玉生まれ。電子書籍『初恋と座間のヒマワリ』(リイド社刊)発売中。最近、ほぼ毎日ブログを更新していますので、良かったら読んでください。

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私はハーブが好きです。とくにベトナム料理。
麺料理にも、さまざまなハーブを入れて、立ち上がる香りと麺のハーモニーを楽しみながら食べるのです。たまりません。

埼玉にも、「ジャパニーズハーブ&味噌うどん」を楽しむ食べ方があるらしいのです。
それが「すったて」!!

「すったて」は、以前取材した川島町の名物です。
むかし、農作業のあとに、採ってきたばかりの大葉、ゴマ、ミョウガなどの夏野菜をすって、味噌味にして、うどんをつけて食べたのが始まりだとか。
ささっと食べれるし、さっぱりしてるから、都合が良かったんでしょうね。

ちなみに「すったて」の名前の由来は、「(野菜)すりたて」だそう。直球なネーミングですね。

夏期限定メニューなので、前の取材時は食べられませんでした。今、やっと「すったて」が始まったので、川島町を再訪し、食べ歩くことにしました。
すったて! B級グルメとして、町おこしにも使われているすったて! 一体どんな味?
一件目「泉の里」(埼玉県比企郡川島町吹塚755-1)へ。
一件目「泉の里」(埼玉県比企郡川島町吹塚755-1)へ。
店前に、自転車専用駐車スペースがありました。
サイクリストがツーリングでやって来るのかしら。頑張れば12台くらい止められそうなスペースだけれど……きっと、休憩&グルメスポットとして人気なんでしょうね。
そしてこのお店、テレビ出てます。
そしてこのお店、テレビ出てます。
『ぴったんこカンカン』ほか、いろんなテレビに出ている有名店らしいです。イベント「埼玉県B級ご当地グルメ王」にも出場しているとか。ふむふむ。

キレイな店内。席に座ると、「すったての美味しい作り方」がメニューにはさまっていました。おお、わかりやすい! 親切!
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1:煎りたての金ゴマを良くする
2:お味噌を入れ良くする
3:玉ねぎを入れ良くする
4:きゅうりを入れる
5:きゅうりをたたきつぶす
6:つゆを半分入れる
7:棒でまぜる
8:残りのつゆを全部入れる
9:氷を3個入れ、たっぷり薬味を入れて出来上がり

なるほどなるほど。………何かの儀式みたいに複雑ですね。
ジャパニーズハーブ!
ジャパニーズハーブ!
言われた通り、すりますよ。
言われた通り、すりますよ。
きゅうりをたたきつぶします。
きゅうりをたたきつぶします。
麺も美味しそう。
麺も美味しそう。
出来上がった「汁」につけて、うどんを食べてみます。

……うーん、さっぱりしますね。美味しいね。
美味しい、けど……。
ベトナム料理みたいに、味がふくらむわけじゃないのね。
それぞれのハーブが、互いを引き立てるというよりも、「私は私」と主張しているような。
ジャパニーズハーブ、我が強いねえ。
しかしこう、美味しいんだけど、テンション低めの食べ物というか……。
ゴマをすったりする「儀式」は楽しいけど、これはもしかして、家庭で食べるローテンションな料理ではないのかな?
と思ってしまいました。
いや実際、発祥は家庭料理なのですが。

もちろん、ローテンションな料理も好きですよ。
でも川島町のうどん、普通に美味しいから、普通の天ざるうどん食べたい、と思ってしまった……。

いや、川島町に住んでて、しょっちゅううどん食べてたら、時々「すったて」食べたくなるかもなあ、とは思うのですが。

これは取材班(大塚+友人3人)とも、ほぼ同意見で、いきなり「すったて否定」から始まってしまったんですけど、大丈夫か、この食べ歩き!?
2軒目は「だるまや」(埼玉県比企郡川島町上伊草985)、前回も来た店です。
2軒目は「だるまや」(埼玉県比企郡川島町上伊草985)、前回も来た店です。
「だるまや」、めっちゃうどんが美味しい店です。「泉の里」よりも観光客が少なく、地元密着型のお店。

地元の人たちを見ていると、揚げ物とミニうどんのセットとかを食べているケースが、大変多い感じ。
揚げ物は看板メニューです。
揚げ物は看板メニューです。
すったてもやってるよ!
すったてもやってるよ!
このお店では、天ぷらの付いたセットで出てきました。
このお店では、天ぷらの付いたセットで出てきました。
この店は自分でゴマをするシステムではありませんが、ハーブはどっさり。
この店は自分でゴマをするシステムではありませんが、ハーブはどっさり。
うんうん、うどん自体が美味しいから、何しても美味しいね。
でも、やはりジャパニーズハーブは味噌味&ダシ汁だと、あんま、まとまらんな………、
と思いながら食べていると、取材班(私のほか3人)は、思い思いの好きなメニューを食べているではないか! とんかつセットとか。

「だって~、とんかつ美味しそうだったんだもん」とTさん。
「冷やしとり天うどんも超うまいッス」とYさん。
「ざるうどん、無料ですりゴマ付いてくるっていいですね~」とMさん。

「あ、でも、すったても一口ください」と、3人。

……うん、一人で来たんじゃないんだから、1人はすったて、他の人は別メニューを頼むのも、いいかもしれないね。
最後は「むさしや」(埼玉県比企郡川島町戸守381-1)さんで。こちらも地元密着型のお店。
最後は「むさしや」(埼玉県比企郡川島町戸守381-1)さんで。こちらも地元密着型のお店。
ここも、うどんが美味いんだ。麺自体がうまい。水がいいのか、粉がいいのか。
ここも、うどんが美味いんだ。麺自体がうまい。水がいいのか、粉がいいのか。
たっぷり夏野菜。
たっぷり夏野菜。
「汁」できたよ。
「汁」できたよ。
前回来た時、「みそだれ」というメニューを頼んで(味噌をめんつゆでのばして食べる、キュウリ、ワカメが入っている)、それがすごく美味しかったので、あれに準じた味かな? と思ったら、………さっぱりしてる! さっぱりし過ぎてる! さわやかすぎる味でした。あらまー。

「これ、ダシ汁で味噌をのばすから、サッとした味なのかなあ。めんつゆでのばしたほうが美味しい気がする……」
「それだと、伝統の家庭料理の味にならんのでしょう」とTさん。

そりゃそうです。そうなんですよ。

結論としては………。
「すったて」よりも、前に来た時に食べた、普通のうどんのほうが、わかりやすく美味しかったな~、ということ。

でも、「すったて」の存在が、川島町を訪問するキッカケになったのは確かだし、「すったて」が独特の料理で、食べてみる価値があることは確か。
「すったて」普及に心をくだいている町のみなさんをDISる気なんてぜんぜんないんです。

ただ、川島町はフツーにうどんが天才的に美味しいんだよ! そっちを全国に知らせたいよ! と思ってしまったのですーー。

いやあ、埼玉うどん、どうやって世間に知らせたらいいんでしょう。
埼玉は、うどんがウリの市町村が共闘して、「さぬきに次ぐ第二のうどん県、埼玉」として、ちゃんとPRすればいいのに!!
ちゃんとPRしないから、世間的には埼玉の格安チェーン「山田うどん」ばかり知名度が上がっちゃって(……山田うどんは埼玉うどんじゃないですからね、アレは別モノ。ファストフードなので)。

ああ、私がこうやって埼玉のうどんのことについて考えても、1円にもならないんですけど、悩ましい………!!!!
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