かつて、アメリカの( J. W. ロビンソン社)ゆかりのデパートが、国内に幾つかあったのだという。春日部店はそのうちのひとつ。
現在は、西武になっている。
『クレヨンしんちゃん』に登場する「アクションデパート」は、ここ、旧ロビンソン百貨店春日部店がモデルだそうだ。
春日部駅。
ここがしんちゃんの町か。
しんちゃんによる街案内があった……今回はデパートにしか行かないけれど、今度はコレを参考に歩いてみたいものだ。
都内の私の自宅アパートから、90分ほどかかった。
しんちゃんの父のひろしは、都内まで通勤をしてるはずだから、通勤けっこう大変だなあ、私の故郷・鶴ケ島市一本松駅も遠いけど……などと、ひろしを再評価してしまった。
ひろし、35歳くらいらしい。それで一戸建てをローンで買って、子供2人いて、犬まで飼ってるんだもんなあ、まっとうだよなあ……。
40過ぎてフワフワ暮らしてる私と正反対。
歩いていると、旧ロビンソンが見えてきた。
で、デカイ……! なんだかものすごくデカイ!
80年代の建築物だから、デザインがバブリーでイカスわ。
中に入ると、どーんと吹き抜け。
こんな立派なでっかいデパートだったのかよ! と驚きながら。フロアを見る。
うん、内容的には、他の埼玉ローカルデパート同様、マダム向きのものがそろっておりますね。
ペットショップはこちら! と、猫の絵の付いたポスターがあったので、「猫見ようっと」と思って上階に行ったら、猫が一匹もおらず、犬ばっかりだった。
猫、お昼寝タイムか何かだったのだろうか。
他にもブンチョウ、ウザギ、カメ、など、子供が飼いやすい動物が並んでいた。「育ってしまったため激安! ハムスター500円」という目玉商品もあり、思わず買いそうになった。本当に、春日部は。子供を育てるにはいい場所なんだろうなあ。
ペットショップの隣に、子供が遊べるコーナーがあった。
「沢山すくえても最高5個まで、すくえなくても3個プレゼント」。なんと微妙なルールだ。
なんか見たことのない、幼児用のゲームが……。
ミニ図鑑がもらえる、そしてミニゲームが出来る、というゲームをやってみることにした(その時、お子さんが一人もいなかったので)。
おでん図鑑?
まわる寿司図鑑!?
果物図鑑が出てしまった。
意外と知らない豆知識が載っている。
本気出してゲームやったら、レジェンド(最上級)になってしまった。まあ、当たり前か。
さて、展望レストラン的なところで、レストランっぽい食べ物を食べるぞ、と思ったら……。
レストラン街はあっても展望レストランはなかった。
レストラン街をぐるぐる歩く。美味しそうな寿司屋さんがあった。
中をのぞいたらパリッとした板前さんが立っていて、磨かれたショーケースの中には魚がたくさんあった。ああ、お金があったらここ入りたいけど、そうじゃないからムリ! と断念。
マダム客が多そうなデパートだけど、マダムは、こういうお寿司食べるのかなあ……大将と対面ですわって「ハマチお願い」とか言うのかなあ、と想像したけれど、シックリこなかった。
寿司屋さん。
ベトナム料理屋さんなんかもあった。
仕方がないので、地下に何かフードコートないかな、と、降りてみた。
KEYコーヒーとドナテロウズ(ジェラート屋さん)があって、そこの横が飲食スペースだった。落ち着くわあ。
私の隣に、同じジャージ姿の、女子中学生がすわった。
ドナテロウズの甘いジュースと、FLO(フロ・プレステージュ)のケーキを、もりもり食べていた。
分かります。女子は、中学生、高校生の頃は、ちょっとおかしいくらい、甘いものが食べたくなるものです。
それにしても、FLOのケーキなんて、昔は特別なものだったのに、今は女子中学生が気軽に買うものなんですね。
私もさくらジェラートとヘーゼルナッツジェラートを摂取。
さて、春日部に来たのだから、以前、ライター大坪さんが取材してた、春日部名物の紫色のうどん、「
藤うどん」も食べなければ、と思い、徒歩圏内の店を探し、行ってみた。
「津多家」さん。
藤うどんを出す店は、のぼりが出ています。
メニュー裏にあった地図。「ロビンソン」のままになってる!
なんだかクリィミーマミの髪の毛みたいなうどんであった。
日が暮れてきて――。
ロビンソン百貨店を見ると、とても美しかった。
フォトジェニックじゃないですか!
かわいい百貨店。
地元の人は、「ロビンソン」っていう名前のままが良かったんだろうなあ……。
いやべつに西武が悪いってわけじゃないけど……。
ロビンソン、っていう文字が看板になってる所を見てみたかったなあ、
とか、ぼやぼや考えた。
それから駅の反対側まで歩いて、「磯八」という、地元の人が集う居酒屋に行ってみた。
(埼玉の内陸といえば肉料理だし、本当はホルモンが食べたかったのだが、目当ての店が全部定休日であった)。
ほんとに満席でした。
突き出しの煮込みがやたら量多かった!
マグロの中落ち、安くて美味しかった。
そのあと、一件、ネットで情報を見つけた「居酒屋」に行ってみたのだが……。
居酒屋というよりはスナックで、60歳くらいのママが切り盛りしていた。
70歳前後の男性客たちが、美声でカラオケを歌っていた。
知らない曲ばっかりだった。
そして恋バナをしていた。「あと20年若かったらなあ」とつぶやいていた。
途中で、見た目が完全なサラリーマン(たぶん40代)が、「たっだいま~☆」と、完全にオネエさん言葉で、常連と合流していた。
そして、出張のおみやげを配っていた。
春日部にはこんなコミュニティがあるのか。
なんだか、いろんな意味で、夢みたいな場所だなあ……と思った。
春日部、深い。
また行きたいなあ……。
私がお手伝いをした『埼玉のおきて』という本が、3/25に発売になりました。 よろしかったら書店で、お手に取ってみてみてね!