特急券買ったぜ。
レッドアローだぜ。
新幹線みたいな車両だぜ。トイレもついてるぜ。
飲酒しちゃったぜ。
住宅街だった風景が……。
山になっていく。中央線みたいだなあ。高尾山みたいだなあ。
「電車で遠出で飲酒! しかも特急券安いし(所沢からだと510円)! なんかテンションあがるわねえ!」
と、同行してくれたTさん。
「みそかつ丼の有名な店があるんでしょ? 楽しみ!」
でも、しかし……。
ラストオーダーの時間の前に……。
店は終わっていた。
「なにこれ! ラストオーダー前に閉店!? 東京ではありえない……!」
だからここは秩父なんだってば。
山がどーんとあるねえ。雰囲気あるねえ。
観光案内所に寄ってみる。
秩父は、人気アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の舞台になったんだそうで、『あの花』マップを配布していた。
そんなに流行ってるの?
駅前のお土産屋モール、仲見世。
あっ、あの花!
あの花!
あの花!
オミヤゲ売り場には、ビックリするほど『あの花グッズ』であふれかえっていた。
埼玉は、アニメのロケ地になることが多いので、「アニメツーリズムに力を入れている」というのは知っていたけれど、
マジで? そんなんで人来るの? と思っていた。
でも、メッチャ観光客来てた……。
大きな山のそば、という、霊験あらたかな場所なので、確かにテンション上がると思う。
非現実的な雰囲気の中で、アニメの雰囲気にひたる。楽しそう。
駅前になぜかあった居酒屋バンコク。入りたかった……。
とりあえず矢尾デパートに行くことに。
駅から7分くらいか。
デパート……丸広くらいでかいんだろうなー、
と思っていたのだけど、あったのが、こじんまりとした建物だった。
こじんまりとしたデパート。かわいい。
ドアーも古くて可愛らしい。
入り口もレトロ。
屋上遊園地に行ってみた。
ああ! 山!
屋上遊園地のハンパなき景色の良さよ!!
利便性としては坂戸市(わかる人だけ分かってください)くらいしか栄えてないけど、これだけ美しかったら、「俺、秩父出身なんだぜ」って、誇りに思えるのかもしれないな、と思った。
ちなみに私の故郷、一本松駅からも、秩父山脈の青いシルエットが見えます。キレイです。
小さなお子さんがいなかったので、ライドにライドしてみることに。「大塚さん、バカみたいだよ……」とTさん。そんなことは分かってんだよ。
UFOキャッチャーが、古いメロディだった! 確かドリカムの人が作曲したやつだよね。都内ではもう聞けないやつ。せつなくなる。
おすましパンダ。
「レストランでなんか食べてみよっか」ということになり、屋上レストラン『カプチーナ』へ。
わーい! レストランだ!
しかし店頭にタヌキって何!
秩父を一望しつつ……。
ああ、客が誰もいない。
でも接客がとても丁寧。ステキ。
ぼんやりした、ファミレス的なメニューの中から、ファミレス的なメニューを選ぶ。
ラーメン。普通にうまかった!
Tさんが食べた豆腐ハンバーグのセット。普通にうまかったらしい。
ほか、いろいろ見てまわったんだけれど、「八尾」は、通常のイトーヨーカドーくらいの規模であった。
それでも、中学生のお客は楽しそうで、1台しかないプリクラにむらがっていた。
中学生女子たちの笑顔。可愛かった。
ちょっと遊びに来るところ、そういう位置づけなんだろう。
ここがなくなったら、息抜きする場所がない、というような。
チラシを貰った。秩父デパートとしては秩父商品を推してるんですね。
秩父うどん買った!
八尾デパートのぞばにタイヤキ屋があったので寄る。
おいしかったよ。
「ねえ、大塚さん……」
「何、浦和出身の、都会者のTさん」
「秩父に生まれたら、どんな感じかな?」
「どんな感じだろうねえ」
「私だったら、家を出て都会で暮らして、『秩父っていいとこなんだよ』って自慢するなあ」
「確かになあ、……地元の仕事も多くなさそうだし、そういう感じなのかなあ」
とにかく山が美しいんだ。
町並みもレトロだった。
昭和のまま時間の止まった理髪店とかを眺めつつ、「埼玉にこういうの場所あったんだ」と思った。
17時になって、行こうと思っていた『高砂ホルモン』(多分、有名店)に行った。
……1号店は、瞬殺で満席!
1号店スタッフさんに教えてもらって、2号店に移動。2号店、食べログにも載ってないんですけど……。
現地に来ないと分からないことっていっぱいあるなあ……。
ちょう人気店。
なにたべよっかな。
来たよホルモン!
辛いタレにつけて食べます。
焼こう。
このホルモンが………ウマかった!
なんか、先々週、熊谷に行った時も、ローカルデパート→焼肉、
っていう流れだった気がするんだけど、気のせいだよね!
帰路は地酒を飲みながら。
埼玉は広い。
東京の属州みたいだけど、本当は「ザ・地方」だ。
私も鶴ケ島市の一本松駅にいた時、本屋もない、CD屋もない、どこにも行けない、誰も分かってくれない、と、せっぱつまっていた。
多分、秩父の子も同じ。
ツタヤもブックオフもない場所で、文化を浴びる機会がない。
山は美しい。愛してる。でもプリクラしかない。
今はアマゾンとか、動画共有サイトとかあるから、少しはいいだろうけど……。
私は東京に出て来た。
このサイトを見ている人の中でも、東京に出てきたり、出てこなかったりした人もいると思う。
でも私も貴方も、秩父の子も、田舎の人なんだ。
いとしい田舎。
それは間違いない。
秩父出身の友人、なんで私の鶴ヶ島出身を笑ったんだろう。
ま、秩父、カッコイイからね。肉もおいしいし。
超ムカついてたんだけど、許してあげよう。
そう思ったりしました。
私がお手伝いをした『埼玉のおきて』という本が、3/25に発売になります。
よろしかったら書店で、お手に取ってみてみてね!