特集 2014年2月24日

履くと靴ヒモが自動でほどける靴

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映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』に、未来のシューズが登場する。未来へとタイムスリップした主人公のマーティーが恐る恐るその靴を履くと、キュイン、というモータ音とともに自動で靴ひもが締まるのだ。

そして先週、そのシューズに関するニュースがネットを騒がせた。ナイキが2015年までにあれを実現するのだという。(ニュース記事
インターネットユーザー。電子工作でオリジナルの処刑器具を作ったり、辺境の国の変な音楽を集めたりしています。「技術力の低い人限定ロボコン(通称:ヘボコン)」主催者。1980年岐阜県生まれ。(動画インタビュー)

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来年もう未来だ

まずはそのシューズ、Youtubeから動画でご覧いただこう。
シリーズ1作目、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の公開が1985年。2はその4年後の公開だが、作中での「現在」はひきつづき1985年である。

主人公のマーティーがタイムスリップしたのは、そこから30年後の未来。未来の世界ではみんなこんなシューズを履き、若者は宙に浮くスケボーみたいなやつに乗っている。車はジェット噴射で飛ぶ。そのテクノロジーは、今見ても十分に未来。

そんな2015年、気が付けばもう来年なのだ。

もはや我々には一刻の猶予も残されていない。ナイキより一足先に、僕が自動で靴ヒモが締まるシューズを作ってしまおう。

と思ったけど、

やっぱり難しそうなので靴ヒモを自動的にほどくことにしました。

これもカスタムと呼んでいいのか

愛用のスニーカーです
愛用のスニーカーです
できれば靴のデザインから設計していきたいところだが、そうなると先にナイキの方のシューズが完成してしまいそうなので、今回は手持ちの靴をカスタムしていくことにした。

以前adidasのカスタムシューズが作れるサイトでライター北村さんが都道府県カスタムシューズを作っていた。あれは確かにカスタムだったが、「ヒモを自動でほどく」もカスタムの範疇に入れていいのだろうか。
これが今回の心臓部
これが今回の心臓部
モーターである。ギアードモーターといって、モーターの横に小さなギアボックスが内蔵されている。これによって、普通のモーターより回転が遅くなり、パワーが強くなる。
これを側面につけて
これを側面につけて
こんな感じで巻いて引っ張り、ほどく
こんな感じで巻いて引っ張り、ほどく
いきなりほぼ完成しているように見えるが、上のアニメーションはただのコマ撮りである。実際には手で巻きつけている。これを自動化したい。

ちなみに、なぜ靴ヒモをほどくのか、とか、ほどいても意味がない、とか言うのは無粋である。僕は以前から醤油をかけすぎる機械とかメガネに指紋をつける機械などを製作しており、ずっと人類のビターな未来について夢想しているのだ。

(というか無粋であるということにしておかないと話が進まないので、そういうことにしておいてほしい)

木がいい

人類のビターな未来のために我々がまずやるべきことは、モーターの回転軸の加工だ。今のままだと短いし細いしで、ヒモを巻き取るのが難しい。これを延長して、太く長くしたい。
こんなに小っちゃいのだ
こんなに小っちゃいのだ
ところでギアードモーターってふつう4~5000円する高価な部品なのだが、上の写真のモーターは秋葉原のパーツ屋で210円で見つけたものだ。カゴに大量に入って投げ売り状態であった。そのかわり説明書も何もついておらず、不明点が多い。
この軸はなんだ
この軸はなんだ
回転軸が謎の俵型をしており、どの部品と噛み合うのかよくわからない。そもそも規格品ではないのかもしれない。仕方がないので自分で合う部品を削り出すことにした。
角材を短く切って
角材を短く切って
穴開けて
穴開けて
リューターで俵型に広げていく
リューターで俵型に広げていく
餅につけて食べたい感じの木屑が出てくる
餅につけて食べたい感じの木屑が出てくる
こういう機械の工作、どこが大変かって言われると、部品をうまく動かすところが大変なんじゃないかと思うだろう。

でも実際やってみると、モーターみたいな動く部品は売ってるものを買ってくればいいからそんなに苦労しない。そうじゃなくて、それを支えたり、接続したり、延長したりするための「動かない部品」。これはたいてい自分でちょうどいい形のを作らなきゃいけなくて、むしろそっちが大変なのだ。
削れた
削れた
でも最近、木で作ると楽なことに気づいた。削りやすいし、柔らかいのでちょっと形が変でも無理やりねじ込めば変形してはまる。
無理やりねじ込んだ
無理やりねじ込んだ
削ったり叩いたり無理やりねじ込んだり。一見手先の作業と思われる工作だが、やってみるとけっこう暴力である。
よく回る
よく回る
これでうまく靴ヒモをほどくことができるか、シューズにあてて動かしてみよう。
スムーズ!
スムーズ!
記事的にはこの辺でひと波乱があり、試行錯誤に突入するといいのだが、見事に成功してしまった。まだ角材一個つけただけなのに、これ、もうほぼ完成じゃないか。本記事は3~4ページの枠なので、ここであわてて改ページします。
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