シューズで県を表現とはこれいかに!?
ある日、デイリーポータルZ編集部の石川さんからこんな電話がかかってきました。
まったく意味が分かりません
ライター仕事なんてもんをやっていると、時々ムチャ振りな仕事というのを頼まれたりするもんですが、シューズで県……というのはその中でもかなりハイレベルなムチャ振り&意味の分からなさ!
まあ「○○モデル」みたいな限定モデルのシューズってよくありますが、そういう感じで「群馬県モデル」とか「栃木県モデル」を作るということなんでしょうか?
それにしてもやっぱり意味分からず
……依然、巨大なはてなマークが頭上に浮かびっぱなしですが、とりあえず手探りで「県モデル」のシューズを作ってみることにしましょう。
もちろん、ハンドメイドでシューズを作る技術なんてありませんから、今回のコラボ記事の相手でもあるadidasさんの、オンラインでシューズをデザインして実際に買うことまで出来るサービス「
mi adidas」(マイアディダス)を利用して「県モデル」シューズのデザインを考えていきますよッ。
色や素材を選んでいくだけでオリジナルデザインのシューズを作れるのだ
で、作ったシューズがこちら……
えーっと、えーっと……緑で陸地、青で海を表現して都道府県の形を表現しようと思ったんですが(ちなみに北海道を作ろうと思ったんだけど……)、まったく成功していませんね。
ま、予測はしていましたが、いくらなんでも県境を描けるほどデザインの自由度は高くないので、県の形をそのままシューズにするのは難しそうです(出来たとしても格好悪そうだし)。
……というわけで、若干路線を変更して都道府県の名物などをイメージした色でカラーリングした「○○モデル」シューズを作っていこうと思います。
日本一の山をはく!
まず作ってみた県シューズは静岡県のもの!
静岡「富士山モデル」
群馬県出身で東京に住んでいるボクが、どうしていきなり静岡県からはじめたかというと、……まあ作りやすそうだったからですな。
見てもらって分かるように(?)世界遺産ともなった日本の象徴「富士山モデル」! このくらいシンプルで分かりやすいカラーリングだと、シューズでも表現しやすいんじゃないでしょうか。
そこそこナイスな「富士山モデル」の出来に気をよくし、ついでに作ってみたのがこちら。
静岡「茶畑モデル」
静岡に広がる茶畑越しに富士山が見えている的な風景を表現ようとしたものの……、いやあ、シューズにしやすいデザインと、しにくいデザインはあります。
そして「富士山は静岡だけのモンじゃねーぞ、ふざけんな!」と山梨県の方たちに怒られそうなので、山梨名物のコレもシューズにしてみましたよ。
山梨「ぶどうモデル」
非常にそのまんまなデザインではありますが、ちょっとカワイイですよね、コレ。
とまあ、こんな感じで色んな県の名物をどんどんシューズにしてしまいたいと思います。
生肉をシューズに
続いてデザインするシューズは、わりと最近、行ったばかりの熊本モデル!
熊本にも名物はいっぱいあるものの、最近の熊本はコイツ一色なんですよね。
街中どこに行っても
このキャラクターだらけなの
……というわけで、熊本「某ゆるキャラモデル」
うん、シンプルで色数も少ないので結構イメージが伝わるんじゃないでしょうか。
熊本県のお土産屋さん、コレ作って売ってもいいですよ!(……というか、もうありそうなくらい沢山グッズ出てるけど)
正面から見ると、より某モンっぽく見えるのでは?
そして、熊本グルメといえばもちろん馬刺しですよね!
熊本で頂いた馬肉! 大変美味しゅうございました
熊本「馬刺しモデル」
レディー・ガガが生肉ドレスを作っていましたが、生肉をモチーフとしたシューズは世界初なんじゃないかな!?
注目して欲しいポイントは脂身のサシを表現したこのあたりです。
脂身をイメージ
「basashi」のロゴも入っています。こんなカスタマイズもできるんですねぇー!
群馬のライバル県もシューズに
続いては栃木県をシューズにしてしまいましょう。
我がふるさと群馬とは常に比較されライバル関係にある栃木県ですが、ボクは幼少の頃から栃木に行く機会が多かったので、わりと思い入れある県のひとつなんですよね。
……というわけで栃木名物「とちおとめ」をシューズ化!
栃木「とちおとめモデル」。あら、結構ポップでカワイイ!
こだわりポイントは、このアイレット(ひも穴)でイチゴのツブツブを表現したところ!
「15」とナンバーが刺繍されています。ユーモア!
お次は、栃木県民に愛飲されているこちらの飲み物をシューズ化してしまいましょう。
……とはいえ、栃木県&近県の人以外にどの程度通じるのか分かりません。
北関東ではよく見かけるんですが……
栃木「レモン牛乳モデル」
特徴的なカラーリングなんで、気持ちは分かってもらえるんじゃないでしょうか!?
しかし最近じゃレモン牛乳も「U字工事でおなじみ!!」っていうポジションなんですねぇ……
アンテナショップを巡ってシューズ作り
ここまで静岡、山梨、熊本、栃木の名物をシューズ化してきましたが、そろそろボクの「県知識」も底をついてきました……早ッ!
日本全国を旅しているものの、各地の珍スポットをピンポイントに廻ってるだけで、名物を食べたりお土産買ったりはしていないもんで、あんまりその辺に詳しくないんですよね……。
そこでネタ探しのため、各県のアンテナショップを巡ってみることに。
やって来ました有楽町
有楽町~銀座周辺には各県のアンテナショップがメチャクチャ集まっているので、ご当地ネタを探すには最適なんですよね。
まず最初は大阪のアンテナショップに
大阪名物といえば、パチパチパンチをはじめ山ほどあるわけですが、ボク個人としてはコイツのイメージが強いです。
くいだおれ太郎
ほい、大阪「くいだおれ太郎モデル」
もーちょいシマシマ模様を細かく出来たら雰囲気出るんですが……。
まあ、こんなモンか。
大阪の人たちがみんな大好きな某球団!
大阪「大阪の人がみんな大好きな某球団モデル」
おおーっ、何となく雰囲気出てる! ……というか、ただ単に虎モデルのシューズという気もしなくもないですけど。
センスを要する沖縄シューズ
お次は沖縄のアンテナショップです
沖縄名物もいっぱいあって選び切れないので、独断と偏見でコレをチョイスしました。
シークヮーサー!
そしてコチラが沖縄「シークヮーサーモデル」
柑橘感、出てますでしょうか……?
シークヮーサーに似てるかどうか以前の問題として、シューズとしてかなり思い切ったカラーリングという感じが……。コレをはきこなすにはかなりのセンスを必要としそうです。
そしてお次も沖縄名物ですが、こちらもなかなかはきづらそうなデザインとなっております。
何モデルのシューズか分かりますでしょうか?
沖縄「紅いもタルトモデル」でした!
コレ、沖縄土産ということでよくもらうので、個人的には「沖縄といったら!」という印象があるのですが、一般的にどーなのかはよく分かりません。
横から見ると、より「紅いもタルト」っぽいですね
意外な広島名物もシューズに!
続いて広島のアンテナショップ
コレも完全に独断ですが、広島名物といえば「お好み焼き」しかありません!
ボク的にお好み焼きは、大阪よりも広島派。おたふくソースは正義なのだ!
というわけで、コレをシューズ化したいのですが……
広島「お好み焼きモデル」……ううーんコレはひどい
こ、こういうイメージなんですけど……
いやぁー……少々シューズには向いていないモチーフでしたかね。
もうちょっとシューズにしやすい(?)名物はないかとアンテナショップを探索すると……。
やたらとレモン関係の商品があることに気付きます
「ふりかけ」に「混ぜ込みご飯の素」って……広島の人はなぜレモンをご飯にかけたがるのか!?
ボクは知らなかったんですけど、広島の瀬戸田は国産レモン発祥の地らしいのです。
それじゃレモンのシューズ化いってみましょうか
広島「レモンモデル」
ああーっ、何かサワヤカ!
コレをはけば軽やかなステップを踏めそうじゃあないですかッ!(ゴルフシューズだけど)
山形名物はもちろん……
アンテナショップ巡りの最後は山形
山形名物といえば、ももいろクローバーZの「ももクロのニッポン万歳!」でも歌われているとおり……。
山形さくらんぼ大好きです!
というわけで、山形「さくらんぼモデル」
えーっと、コレのどこがさくらんぼなのかといいますと……説明させて下さい! 説明をッ!
この、ひもとアイレットでさくらんぼを表現したつもりだったんですが……気持ちだけは分かって欲しいのです!
もちろん我らが群馬もシューズに
さて、色々な県の名物をシューズ化してきたわけですが、まだ「あの県」が出てきていませんよね?
そう、我らが群馬県!(ボクの地元)
『群馬のおきて』好評発売中です!(宣伝)
もちろん、群馬の名物もシューズ化しちゃいますよ。そして、群馬名物といえばもちろん……。
ねぎ&こんにゃく!
つーわけで、群馬「下仁田ねぎモデル」
白い部分が太く、甘くて味わい深い「下仁田ねぎ」の魅力を詰め込んだシューズです(?)。
そして、こんにゃくも……。
群馬「こんにゃくモデル」
この辺のボツボツ感でこんにゃくを表現しました
あ、ああー……ねぎ&こんにゃくというシューズとは明らかに食い合わせの悪そうなモチーフなのに、思ったよりも無難な感じにまとまりましたね。
この辺が群馬が万年地味県のポジションに落ち着いてしまっている由縁でしょうか!?
ついでにもうひとつ、こんな群馬モデルシューズも作ってみました。
群馬「鶴舞う形の群馬県モデル」
おそらく県外の人には全然意味が分からないと思いますが、群馬県には県民みんなが暗記している郷土かるた「上毛かるた」というのがあって、その中でも最も有名な札が「鶴舞う形の群馬県」なんですよね。
群馬県の形が鶴が飛び立っている姿に似ている、ということなんですが……。
正直あんま似てないですよね、鶴に
ま、そんなわけで「鶴」のシューズを作ったわけです(ちなみに群馬には野生の鶴は住んでいません)。
コレもまあまあ無難なデザインに落ち着いてますね。
オリジナルシューズをおねだり!?
さて、ホントだったらここで「色々な県のシューズを作ったし、めでたしめでたし……おーわり」という感じで締めくくりたいところなんですが、実は編集部からはさらにこんな指令を出されていたのです。
どーゆーことなのよ!?
おおう、ザ・ムチャ振りパート2!
実は、adidasではクリスマスに向けて、自分のデザインしたシューズを「ねぇ~ん、買ってぇ~ん」と誰かにおねだりするという「
おねだりキャンペーン」をやるんだそうです。
というわけで、作ったシューズをその県の関係者に見せて感想を聞き、あわよくばおねだりしてしまうという、「おねだりキャンペーン」リアル版をやってくれ、ということらしいのですが……どうしましょ。
まあ、とりあえずこちらのイベントに参加したついでに
群馬県人会の西部さん、赤石さんに群馬モデルシューズのデザインを見せて感想を聞いてみることに
「ああーっ、面白ーい! ……けど、自分ではきたいかというと……」
「ねぎとかこんにゃく、わりとそのまんまだからねー。もうすこし工夫して欲しかったというか……」
「強いていえば下仁田ねぎモデルがカワイイかなとは思うけど、はきたいかというと……」
県の名物をシューズで表現する……というコンセプト自体は面白がってもらえたものの、実際にはきたいかと聞くとビミョーな表情に。
まあ、ねぎやこんにゃくをモチーフにしたシューズなんて足に装着したくないですよね……やっぱ。
さすがに無理!
……というわけで、非常に空気を読みがち&弱気でビクビクしがちなボクには、面と向かっての「おねだり」はハードルが高過ぎました!
ま、しかしホントの「おねだりキャンペーン」の方はネット上でおねだり出来ちゃうらしいので、それならボクもおねだれるかも!?
みなさんも、がんばっておねだってみて下さい!
まあ万年サンダルなんですけどね、ボクは
県の名物をモチーフに色んなオリジナルシューズをデザインしてきたわけですが、なかなか面白くて、いくつかはマジで購入して使いたいと思ったくらい(いくつかはあんまはきたくない感じになってしまいましたが)。
普段は冬でもサンダル or 雪駄などで暮らしているボクが、今年の冬、もしもシューズをはいているのを見かけたら、それはどこかの県モデルのシューズかもしれません。
ちなみに「
mi adidas」(マイアディダス)では何とオリジナルのサンダルもデザインできるので、そっちをはいている可能性もありますが……。