コラボ企画 2014年2月13日

悲劇・UULAなんかなくても生きていける~無人島編

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気がつくと、僕は浜に打ち上げられていた。無人島で一人、生き抜いていかなければいけない状況。

十分な道具もなければ、手持ちの知恵と勇気も今ひとつ頼りない。はたしてこの島を脱出し、無事に帰ることができるのか。
インターネットユーザー。電子工作でオリジナルの処刑器具を作ったり、辺境の国の変な音楽を集めたりしています。「技術力の低い人限定ロボコン(通称:ヘボコン)」主催者。1980年岐阜県生まれ。(動画インタビュー)

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まえおき

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……
……
あれ…
あれ…
ここは…
ここは…
無人島だ!
無人島だ!
僕は東京でウェブサイトの編集の仕事をしていて、この日は船に乗って離島に取材にいくつもりだった。珍しく船での移動であることを除けばふつうの一泊出張。いつもと変わらない調子で家を出た。

いつもと違うことと言えば、出がけに、いつもあまり話しかけてこない父が珍しく声をかけてきたことくらいだ。父はただ一言「UULA見ていけよ」とぶっきらぼうに言った(何のことだかよくわからなかったので無視した)。

その後、乗っていた船が突然の暴風雨に巻き込まれ難破、僕はこうして一人無人島に漂着した。
どうすんだこれ…
どうすんだこれ…
父は漁師だ。僕が編集者の仕事に就いたのは、自分のあとを継がせようとする父に反抗してのことだ。

父は海と共に生きてきた。海のことを誰よりもよく知る男である。彼の忠告どおり、UULAとかいうのを見ておけばこんなことにはならなかったのだろうか。いや、そんなことないだろ。UULAがなんだか知らないが、あの暴風雨に太刀打ちできる方法など存在しなかったはずだ。
とにかく、ここから脱出しなければ……。
とにかく、ここから脱出しなければ……。

企画説明

さあみなさん、突然のことで面食らったと思う。この企画はいつものデイリーの記事と違って、ストーリーものなのだ。

でも、我々ライターはただ台本をこなせばいいわけではない。用意されているのは台本ではなく、4つのミッションだ。
食料を探せ
食料を探せ
飲み水を確保せよ
飲み水を確保せよ
防寒具を手に入れろ!
防寒具を手に入れろ!
帰る方法を探せ!
帰る方法を探せ!
さあ、正直に言おう。ここは無人島は無人島でも、横須賀から10分で来れる無人島である。船も1時間に1本ある。
しかし、この4つのミッションをすべて自力で達成するまで、僕は東京に帰ることができない。なぜなら、そういうストーリーになっているからである。
ばっちり売店が写っていても、ここは無人島である。
ばっちり売店が写っていても、ここは無人島である。
以上がルール説明。シリーズ「UULAがなくても生きていける」第一話、ここ無人島よりお送りします。

サバイバルに向けて

さてここからは、台本なしの生サバイバルだ。まずは所持品の確認から。リュックの中にはこれだけのものが入っている。
取材用ペン&ノート、文房具、船酔い対策のエチケット袋、イヤフォンのケーブル、趣味の山野草ナビ図鑑
取材用ペン&ノート、文房具、船酔い対策のエチケット袋、イヤフォンのケーブル、趣味の山野草ナビ図鑑
趣味の野草?ずいぶんサバイバルに都合のいい趣味だ。正直いうと、撮影前日に不安すぎて図書館で借りてきてしまったのだ。反則!と思うかもしれないが、先に言っちゃうけど結果的に全く役に立たなかったので許して欲しい。

それ以外に、海岸に打ち上げられた漂着物に使えるものがあるかもしれない。探索してみよう。
探索中。思いっきり人工物が見えるが気にしてはならない
探索中。思いっきり人工物が見えるが気にしてはならない
貝殻は水をためるうえで器として使えるかもしれない
貝殻は水をためるうえで器として使えるかもしれない
ペットボトル!容器に、海水を入れておもりに、投げて武器に…と可能性は無限大
ペットボトル!容器に、海水を入れておもりに、投げて武器に…と可能性は無限大
この竹の切れ端はスコップになるし
この竹の切れ端はスコップになるし
野生動物と戦うことになったらナイフとしても使える
野生動物と戦うことになったらナイフとしても使える
これだけのアイテムが集まった。
これだけのアイテムが集まった。
アイテム集めをしていて、サバイバルっていうよりアドベンチャーゲームみたいだな、と思った。その程度にはインドア趣味の僕である。体力だって自身がない。果たしてこれだけの備品で無人島サバイバルは可能なのか?いまのところ、不安しかない。

ミッション1

食料を探せ
食料を探せ
何はなくとも食糧確保である。人間なにも食べずには生きられないし、生きられたとしても空腹だとイライラしてしまったりしてよくない。生死を分かつ場面ではちょっとしたイライラが命取りになるかもしれないし。
植物を探して山のほうに来た
植物を探して山のほうに来た
無人島といっても住んでる人がいないだけで、日帰り観光地として整備されているこの島。遊歩道もあり、移動はたやすい。
茂みからガサガサという音がした!
茂みからガサガサという音がした!
あわてて近寄ったけど逃げてしまったようだ
あわてて近寄ったけど逃げてしまったようだ
ウサギだろうかネズミだろうか、はたまた野良猫か。なんにしろ見つからなくてよかった気がする。素手で動物を倒して捌いて食料に…なんていう技量も度胸もあるわけがない。

薬味、出現

引き続き何かないかと山沿いを歩いていると、見覚えのある葉が視界に入った。
あれ、これ…
あれ、これ…
刺身のパックに入ってるやつ!
刺身のパックに入ってるやつ!
大葉だ!これまで薬味としてしか見てなくて、食料として意識したことはなかったが、大量に食べられれば確かに貴重なビタミン源といえそうだ。
そして、すごく大量にある
そして、すごく大量にある
薬味ってそんなにモリモリ食べてもいいのかな…。今まで考えたこともなかった悩み。ワサビは胃腸的に問題ありそうだが、大葉なら…。いや、その前に、これ、本当に大葉だろうか。紫蘇といえばあの独特の香り。ちょっと葉を揉んで嗅いでみた。
雑草臭…思ってたのと違う…
雑草臭…思ってたのと違う…
本で調べるも、科名から調べるタイプの本だったためどこに載っているかさっぱりわからず
本で調べるも、科名から調べるタイプの本だったためどこに載っているかさっぱりわからず
なんだかよくわからない草。
ザ・雑草、という感じだ。大葉とは違うっぽい。違うっぽいけど、これ形は似てるし、もう大葉ってことにして、食糧確保ミッションは達成にしちゃだめですかね?
バツが出ました
バツが出ました
ミッション達成かどうかは撮影係のライター西村さんがジャッジしてくれる。全部ミッション達成しないと帰れないのは西村さんも同じなのだが、妥協せずちゃんと厳しくジャッジしていてえらい。

ところでさっきの草、家に帰ってから「大葉に似た草」で検索したら、「かぶれるかもしれないので触るな」とヤフー知恵袋に書いてあった。ちょっと舐めちゃったよ…。

森のスイーツ

そして道なき道(という名目の遊歩道)を歩き続けることしばらく。
とはいえ道端だけでは植物のバリエーションに乏しく、だんだん深入りしていく
とはいえ道端だけでは植物のバリエーションに乏しく、だんだん深入りしていく
色味のない冬の地面に、急に赤い物体を発見した。
おや
おや
うまそう!
うまそう!
まだちょっと青いけど、きっと熟せば真っ赤な実になるに違いない。
しかもいっぱいなってる!
しかもいっぱいなってる!
ビジュアル的には食べられそうな感じがする。西村さんも「グミの実に似てるからいけますよ!硬いから違うと思うけど」とテンションが上がっている。「違うと思うけどいけますよ」って、自分は食べないと思ってその無責任な理屈はなんなんだ。
本で調べようとするも、「『山野草』だから木は載ってないんじゃないですか」という西村さんの鋭い指摘
本で調べようとするも、「『山野草』だから木は載ってないんじゃないですか」という西村さんの鋭い指摘
これ、もう食べてみるしかないんじゃないか。
幸い、リュックの中にはカッターナイフがある。まずは半分に切ってみよう。
スパッと刃が通った
スパッと刃が通った
断面
断面
外周は果肉のような感じで、手で潰すと崩れるほどのやわらかさ。真ん中は種っぽいのだけど、こちらも力を加えると潰れる。全体にやわらかく、そしてジューシーなのだ。これ、食べていい?

撮影前日にネットで下調べをしていたら、米軍が使っているというサバイバルマニュアルに行き当たった。食料がなくて野草を食べる場合、まずは肌に貼って15分、その後くちびるに乗せて15分、その後口の中に入れて15分…、と段階的に接触を増やし、毒性がないか確認するのだそうだ。さすが米軍、理にかなったノウハウだ。
それを一切参考にせず、面倒なのでそのまま舐めた
それを一切参考にせず、面倒なのでそのまま舐めた
ん……
ん……
甘い!!!!
甘い!!!!
甘い。甘味には果実みたいな複雑さがなくて、砂糖水みたいなピュアな甘さ。で、ちょっと苦い。ひとことでいうと「甘苦い」。
家に冷やしておいて風呂上りに食べようとは思わないけど、でも緊急時には十分ありうる味。というかこの甘さ、緊急時ならご馳走の部類だ。そしてあたりにたくさんなっており、備蓄も十分。これ、食料でいいんじゃないですか!?
インターネットを駆使してジャッジ中(携帯の電波が入るタイプの無人島)
インターネットを駆使してジャッジ中(携帯の電波が入るタイプの無人島)
マルでた!!!!!
マルでた!!!!!
山になってる適当な実を食べてみるブログがあり、これと同じと思われる実の評価に「まあまあ」って書いてあったのがマルの決め手になったようだ。

食べていいか確認するのに、「食用以外のものを食べるブログ」を根拠にしておりやや不安!しかしやるべきことは山ほどあるのだ。ここはさっさと次のミッションに進もう。

※ちなみにアオキという木の実でした。食用じゃないので食べてみるのはおすすめしません…。

ミッション2

飲水を確保せよ
飲水を確保せよ
人は食料なしで数週間生きられるが、水なしでは3日しか持たないそうである。海水ならたくさんあるけど、海水は代謝するのに飲んだ量以上の水分を必要とするため、水分摂取としてはマイナス作用なのだそうだ。食料探してる場合じゃなかった。急いで水の確保をせねば!

その前に、西村さんに「さっきの実、あれ結構ジューシーだったから、飲み水もOKってことでダメですかね?」と聞いたがやはりダメだった。チッ。
水の作り方については以前本で読んだことがある。まず最初に確保した竹スコップで海岸に穴を掘る
水の作り方については以前本で読んだことがある。まず最初に確保した竹スコップで海岸に穴を掘る
ちょっと盛り上げて土手っぽい感じに
ちょっと盛り上げて土手っぽい感じに
ペットボトルに海水を汲みに……行くも波が来て逃げているところ
ペットボトルに海水を汲みに……行くも波が来て逃げているところ
このシーン、ただ水を汲むだけなのにへっぴり腰の写真がたくさんあって、あとで見てちょっとおちこんだ。
なんとか汲んだら
なんとか汲んだら
さっきの穴にまく
さっきの穴にまく
真ん中に飲み水をためる器として貝殻を設置
真ん中に飲み水をためる器として貝殻を設置
上をビニール袋で覆って、
上をビニール袋で覆って、
真ん中に石を置いて、完成
真ん中に石を置いて、完成
穴にまいた海水が蒸発、それがビニール袋の内側表面で結露して水滴となり、低くなっている貝殻のほうに流れて溜まる、という仕組みだ。
本で読んだ知識なので、やり方としては間違ってないはず。ただ、今日はあいにくの曇り空だ。1月、気温も低い。結露するほど海水って蒸発するものだろうか?

わからないけど、まあダメだったらそのときに別の手を考えるとしよう。まずはこれで様子を見てみる。数時間放置することにした。
無人島だがまだ遭遇してないだけで原住民とかいるかもしれないので、一応書置きを残しておいた。「実験中です。こわさないで」
無人島だがまだ遭遇してないだけで原住民とかいるかもしれないので、一応書置きを残しておいた。「実験中です。こわさないで」

ミッション3

防寒具を手に入れろ!
防寒具を手に入れろ!
何を隠そう1月である。服装は長袖Tシャツ一枚。寒いのだ。
おまけにこちら、漂流中に片袖がもげている。
おまけにこちら、漂流中に片袖がもげている。
サバイバル中の保温はすごく重要だ。凍死リスクはもちろん、そこまでいかなくても凍えた状態では野生動物に襲われたときに不利だ。食料が少ないこの状況、体温維持のためのエネルギー消費も節約していきたいし。

体を温めるには、なんといっても風呂が一番。といっても火がないので(あと島内はバーベキュー禁止なので)お湯は沸かせない。そこで思いついたのが、砂風呂、そして落ち葉風呂である。
砂風呂は服に砂が入って長期のサバイバルに支障をきたすと判断、落ち葉いってみます
砂風呂は服に砂が入って長期のサバイバルに支障をきたすと判断、落ち葉いってみます
なおこの撮影の前日にライターのおおたさんが落ち葉に潜った記事を公開しており、たいへん悔しい思いをしたことは付け加えておく。だが、こちとら生きるか死ぬかの瀬戸際である。ネタ被りだろうがなんだろうが、なりふり構ってられないのだ。
虫が怖いのでこわごわ腕を入れる
虫が怖いのでこわごわ腕を入れる
あたたかい!!
あたたかい!!
うわっ、ほんとにあったかい。保温性もさることながら、海風が完全に遮断されるのがありがたい。
全身はいるとまさに風呂
全身はいるとまさに風呂
こんど冬場に野宿することになったら、目指すべくは山だな。そう確信する温かさ。しばし満喫。

服が欲しい

ただ、あいにくサバイバルってけっこう忙しい。ずっと風呂に浸かってるわけにはいかないのだ。風呂の次に必要なのは、着用したまま移動できる「服」。せめて、もげた片袖を覆う何かが欲しい。
ツルで編むか、とも思ったのだがそうそう手ごろな植物も見つからず
ツルで編むか、とも思ったのだがそうそう手ごろな植物も見つからず
結局落ち葉に戻ってきた
結局落ち葉に戻ってきた
今回は「取材先に移動中に漂着」という設定なので、道具は文房具ぐらいしかもって来ていない。しかし、いやいや文房具、文明の利器の最たるものであった!
こんな秘密兵器が入っていた
こんな秘密兵器が入っていた
これで葉っぱをとめれば生地ができ、それを腕に巻けばもう袖である。
カシャッ、カシャッ、…あれ
カシャッ、カシャッ、…あれ
あっ
あっ
信じられないことがおきた。今朝撮影に来る前に100均で買ったホチキス、芯が入ってなかったのだ。
あまりにベタな展開に呆然とする
あまりにベタな展開に呆然とする
「100均だから」といわれれば返す言葉もない。コスト削減の結果であり、企業努力の成果である。でも。「せめて『芯は別売り』って書いといてよ!」と思わず叫んだ僕はわがままだろうか!
とおもったけど思いのほかすぐに代替策が見つかった。
とおもったけど思いのほかすぐに代替策が見つかった。
セロハンテープもあったのだ。ちょっと固定が弱いが、ぜいたく言ってられる状況でもない。
長く連ねて
長く連ねて
腕に巻いていく
腕に巻いていく
幾重にも
幾重にも
おう……
おう……
みすぼらしさに思わず声がオクターブ低くなる。
しかしステルス性能が高い。腕だけ消えたように…みえませんか?
しかしステルス性能が高い。腕だけ消えたように…みえませんか?
これ、すきまだらけにみえるが、実際付けてみると意外に暖かい。そりゃ布の袖よりは寒いだろうけど、これまでずっと吹きっさらしだった腕に比べたら天と地ほどの差。これでも寒ければ、単にもっとたくさん巻けばいいのだ。
しかも落ち葉に完全に同化することが可能
しかも落ち葉に完全に同化することが可能
落ち葉の上から手を出してもカモフラージュになるため、野生動物と戦う際、塹壕を使った投石などが容易になるのもよい。(机上の空論)

西村判定員、これどうですか!?
やったー!2つ目のマルでました!!
やったー!2つ目のマルでました!!
残りのノルマは、あと2つ。

ミッション2ふたたび

ここで、先ほど仕掛けた水の様子を見に行こう。記事を読むのは数十秒だが、現場ではもう3時間ほど経過している。
満ち潮で水没とかしてなくてよかった…。
満ち潮で水没とかしてなくてよかった…。
近寄ってみると、貝殻の周りだけ色が違うぞ。もしかして…
近寄ってみると、貝殻の周りだけ色が違うぞ。もしかして…
最初、貝殻に水がたくさん溜まっていて、そこに浸っているから中心部の色が違うのかと思った。よくみると違ったのだ。
真ん中は乾いていて、周りの白いところが全部水滴だった!!
真ん中は乾いていて、周りの白いところが全部水滴だった!!
かなりの量の水滴が溜まっている。まだ流れ落ちてくるには至ってなかったようで貝殻は空っぽだったけど、これだけ広範囲に水がついていればそれなりの量だ。しかも曇天の数時間でこれだけの水を確保できた。あとは時間さえ延ばせば安定供給が期待できるだろう。

ただ問題は、これがほんとに真水なのかどうか。何らかの原因で海水がついただけかもしれない。
舐めて確かめてみると
舐めて確かめてみると
水だー!!!
水だー!!!
西村判定員も味見
西村判定員も味見
マル!!!
マル!!!
よし!残すミッション達成ノルマはいよいよ1つ!

ミッション4

帰る方法を探せ!
帰る方法を探せ!
いよいよ最後のひとつ。このミッションをこなしておかないと、この物語はサバイバル術を身につけた僕が一生この島で暮らす結末になってしまう。

いったいどうすればこの島から脱出できるんだ!(けさ横須賀で往復の乗船チケットを買ったことはこの際置いておこう)

島内をくまなく散策して手がかりを探すことにする。
この島にやってきて半日、思い返してみれば、どことなく怪しいところがあった。
岩場で海苔を探していた時のこと。
岩場で海苔を探していた時のこと。
潮溜まりの中に、光るものを見つけた。
潮溜まりの中に、光るものを見つけた。
一円玉だ!
一円玉だ!
3つの一円玉。水場と見ればすぐにコインを投げ込んでしまうのは日本人のよくある性質である。しかも日本円。ということは、かつてここに日本人がいたということだ。

さらに、コインがあるということは、だ。
平成6年の一円玉だ
平成6年の一円玉だ
そう、コインには発行年が書かれている。ここ20年くらいの間に、この島に日本人がやってきたのだ!僕と同じように、漂着した人がいたのだろうか…。
ここは、日本近海のどこかなのか……?
ここは、日本近海のどこかなのか……?
また、歩いているとこんな場所にも出た。
これは、台場…
これは、台場…
フジテレビがある埋立地のことではない。砲台を置いていた跡だ。
砲台の跡。過去にだれかが漂着したとかいうレベルではない。ここは基地だか要塞だか、とにかく何らかの軍事拠点となっていたに違いないのだ!
山肌にはトンネルが掘られており
山肌にはトンネルが掘られており
入り込むと壁は苔とツタで覆われ、さながらアンコールワットのような趣になってくる。これも軍事施設のあとか
入り込むと壁は苔とツタで覆われ、さながらアンコールワットのような趣になってくる。これも軍事施設のあとか
壁に掘られているのは古代文字…
壁に掘られているのは古代文字…
古代文字で書かれた謎のメッセージ
古代文字で書かれた謎のメッセージ
僕が考古学者であれば、この文字のうえに生えた苔の厚みで、掘られた年代がわかったかもしれない
僕が考古学者であれば、この文字のうえに生えた苔の厚みで、掘られた年代がわかったかもしれない
謎の建造物は続く
謎の建造物は続く
本当に、ここはいったいどこなんだ…。
本当に、ここはいったいどこなんだ…。
猿島…要塞!?
猿島…要塞!?
衝撃の真実。どうもここは明治政府が作った要塞であったらしい。
フムー、なるほどー
フムー、なるほどー

「なるほどー」、じゃない。

なんでこんな案内板があるんだ。案内板があるということは、これを設置した人と、読む人がいるということなのだ。つまり…
建物だ!!
建物だ!!
どうやら発電施設らしい。そしてその周辺には
どうやら発電施設らしい。そしてその周辺には
自販機
自販機
売店
売店
港!
港!
そして…
あっ!
あっ!
!
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定期船の時刻表だ!!
定期船の時刻表だ!!
西村さん、これ、脱出できるのでは!!
マルーーーー!!
マルーーーー!!

ミッション・コンプリート

さいごはうっかり茶番劇になってしまったが、それを差し置いても、僕が食料・飲み水・防寒の3つのサバイバルミッションをこなしたことには変わりはない。こうして全てのミッションは完了し、僕は船に乗り込むことができたのだ!!!!

ここで物語は冒頭の、オープニングの続きに戻る。この挑戦の様子、そして物語の結末を、あらためてダイジェスト形式で見ていただきたい。
UULAを見なかったせいで無人島に漂着した僕は、漂着物を集め、持ち物に加えた。
UULAを見なかったせいで無人島に漂着した僕は、漂着物を集め、持ち物に加えた。
僕はどこからともなく聞こえてくる獣の咆哮におびえながら、食料を探す。生きるために。
この島の植生には豊富な食料資源が含まれているようだ。
この島の植生には豊富な食料資源が含まれているようだ。
甘い果実で、空腹を満たした
甘い果実で、空腹を満たした
手作りの蒸留装置で、海水から飲み水を得ることにも成功
手作りの蒸留装置で、海水から飲み水を得ることにも成功
三日ぶりの水を、体はスポンジのように吸い込む
三日ぶりの水を、体はスポンジのように吸い込む
夜は獣から隠れ、体温を維持するために落ち葉に潜り
夜は獣から隠れ、体温を維持するために落ち葉に潜り
また、それを身にまとうことで、衣類の代わりにした。
また、それを身にまとうことで、衣類の代わりにした。
いける。生きていける。UULAなんかなくても生きて行けるじゃないか。
そんな生活を続けたある日、ひとつの発見をする。
文明の遺物だ
文明の遺物だ
そしてかつての軍事基地の遺跡を発見した僕は
そしてかつての軍事基地の遺跡を発見した僕は
探索を続けるにつれ、核心に至る。
探索を続けるにつれ、核心に至る。
「ここは無人島じゃない。人間がいる!」
「ここは無人島じゃない。人間がいる!」
長いサバイバル生活でもう体は限界に来ていた。このまま慣れた土地でサバイバル生活を続けていても、いつか野垂れ死にするだけだろう。一か八かの可能性をかけて、体力を顧みず、三日三晩かけて島を横断した。そして、ついに…
村だ!
村だ!
村人によれば、ここは日本領の離島であり、月に一度、定期船が出ているのだという。そして、なんと今日がその船の日だというのだ。
船が来た!
船が来た!
さよなら、無人島
さよなら、無人島
ついに僕は脱出したのだ…!
ついに僕は脱出したのだ…!
結局、父の言っていたUULAがなんなのか最後までわからなかったが、なんにしろ、そんなものなくても僕が生き抜いたのは確かだ。

ざまあみろ、UULA。その時である。空はにわかに掻き曇り…
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嵐だ!!!

轟音がして、船が激しく揺れた。波が高い。僕は放り出されてしまう!
!
……
……
あれ…
あれ…
……
……
また漂着した…
また漂着した…

悲劇の三部作、あと2回続きます。

いかがでしたか、「悲劇・UULAなんかなくても生きて行ける~無人島編」。次回はお化けが怖い編集部・安藤が、夜の学校に宿直します。きっとまたひどい目にあってくれますので、おたのしみに!
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