特集 2013年12月30日

Tumblrランキングで振り返る、今年のデイリーポータルZ名珍場面集

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年の瀬にこんにちは。編集部・石川です。みなさま、当サイトの隠れたキラーコンテンツ「よりぬきデイリーポータルZ」(以下、よりぬき)をご存知でしょうか。

毎日3本の長編記事の更新、さらに各種投稿コーナーにブログにUSTREAMにリンクに……と、毎日更新でありながら膨大な更新量を誇る当サイト。「そんなに見きれないよ~」という方のために、この「よりぬき」は各ページから選りすぐりのおもしろ写真・おもしろフレーズだけを抜き出した、スクラップブックのコーナーなのです。
インターネットにラブとコメディを振りまく、たのしいよみものサイトです。

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> 個人サイト デイリーポータルZ

煮詰めたよりぬきを更に濃縮

その中身はデイリーポータルZのエッセンスをさらに煮詰めたような濃厚さ。Tumblrというサービスを使って運営しています。

今日はそんな2013年の「よりぬき」から、reblog数が多い(ざっくり言うと「TwitterでRT数が多い」みたいな感じです)写真・フレーズを、ランキングでご紹介します。エッセンスを煮詰めた濃厚な液体を、さらに煮詰めてキューブ状に固めました。濃厚すぎて胸焼けするかもしれませんが、どうかご賞味ください。
第20位
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第20位は、連載・GIFアニメ研究会から。いつものライター陣にくわえ外部の方にもたくさんの作品を作ってもらった連載でした。こちらはテクノ手芸部のよしだともふみさんの作品。刺繍のアニメかな、と思ってたらいきなりカメラがパンして現実世界に戻ってくるのがダイナミック。
引用元ページでは最後の爆発シーンは紙吹雪を空気圧で吹き飛ばして撮影、というメイキング動画も紹介されています。
第19位
トイレの個室が空かなくなったらビルの同じフロアにIT系の企業が入ってきている。
続いては編集部ブログに掲載した、コラボ記事のおしらせより。記事本編はコラボ相手のItmediaに掲載されているのですが、その裏話として掲載されたボツネタが秀逸だったため19位に輝きました。

テーマ「職場あるある」に寄せられたボツネタで、ライター伊藤さんによるもの。
その後も伊藤さんは記事「エクストリーム雑務」で職場での特撮撮影に挑むなど、切れの良い職場ハックを繰り広げています。

余談ですが弊社ニフティもIT企業のためいつもトイレが満室です。
第18位
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地名を入れると勝手に校歌を作ってくれるジェネレータ、その使用例の画像が18位。これ、この画像自体はコンテンツじゃなくて、ただの説明用画像なんですよ。なのにランクインしているあたり、このジェネレータの完成度の高さを物語っています。ちなみにこのページは第17回文化庁メディア芸術祭 審査委員会推薦作品にも選ばれています。納得の18位。
第17位
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読者投稿のコーナー、こねったーからの1枚。こういう時事ネタが出てくると、この記事も一気に年末総集編らしくなりますね!
(検索経由でやってきた未来の方向けの説明:2013年には、バイト先店内の冷蔵庫に入った写真をTwitterにアップして大問題になった人がいたのです)
かわいい絵と裏腹に、超強引なこじつけ販促。このギャップが多くの人の心を掴みました。
第16位
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ライター大山さんのライフワークである共食いキャラ探しの成果から、「もしかしたら今までの中で一番かわいそうかも!」というこの写真。まさか手に持っている三味線の材料を知らないわけではあるまい猫の、この軽快なステップと柔和な笑顔。多くのTumblrユーザーの涙を誘っての16位です。
第15位
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新横浜の立坑の写真。立坑というのは、トンネルを作るとき、トンネルを掘る機械(シールドマシン)を入れるために最初に掘られる縦穴のこと。現在工事中の横浜環状北線で2010年に撮影したものです(そのときの記事)。

それがなんで2013年に話題を集めたかというと、出典の記事の中で大山さんが、「過去に行った似ている場所」として再掲載したため。2013年の記事本編にはさらにみっしりした梁と柱の群れも載っているので、気になった人は出典の記事もあわせてどうぞ。
第14位
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きました!再びGIFアニメ研究会より、わたくし石川の作品がランクイン。デジタルガジェットの力であの人気女優が(勝手に)喋る!

余談ですが、製作にあたってこの女優さんの名前を何度か人に聞いたのですが最後まで覚えられず、当時の更新通知Tweetなどを見てもずっと「あの人気女優」で通しています。どうせまた忘れるのでもう教えてくれなくてもいいです。
第13位
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さらにGIFアニメ研究会の快進撃が続きます。こちらはクリハラさん。こちらは今までの作品とちょっとウケ方が違って、海外からの支持を受けての13位です。日本語テキストサイトであるデイリーが、言葉の壁を越えた瞬間だ。

ちなみにGIFアニメ研究会の発端となったコンテスト企画「国際GIFアニメアワード」は2014年も開催予定です。皆様の応募をお待ちすると共に、新たな名作GIFも続々登場すると思いますのでお楽しみに。(宣伝)
第12位
「さわやか3組」という番組があった。
NHK教育テレビで放送されていた教育ドラマで、小学生の中学年をターゲットにしたドラマだった。道徳心を養うことが目的で、学校の内外で起こる何気ないことを主人公達が乗り越えて行き、そこから何かしらの教訓を得るという内容だったと思う。

それはたとえば、「人のものを盗んではいけません」とか「正直でいましょう」とかそんな単純なものだ。小学生の中学年がターゲットだから決して難しい内容ではなく、学校の授業内でしばしば見ることもあった。

僕が唯一覚えているお話がある。
「さわやか3組」は小学生の頃に見ていたので、どんなお話があったかは全く覚えていない。でも、たった一つだけ覚えている話があるのだ。

そのお話はこうだ。
タバコ屋の自販機の1台に、おつりの取り忘れがあることを男子2人が見つける。その金額は50円。その50円をその2人はネコババしてアイスを買ってしまう。しかし、2人の内の1人が『本当にいいのかな?』と後ろめたさを感じる。そんなお話だった。

そこまでは別にいい。
い かにも小学生の道徳心を養う感じがするストーリーだ。でも、このお話には続きがあって、「本当にいいのか?」と疑問を感じた男子が、タバコ屋からちょっと 離れたベンチに座りタバコ屋を見ている。すると、そこにスーツを着たサラリーマンが走って来て、自販機のおつりの出るところに手を突っ込んで「あれ、ない な」的なことを言うのだ。さらに、タバコ屋のおばあちゃんに「50円取り忘れて、届いてないですか、駅から戻ってきたんですよ」的なことを必死に言うの だ。

小学生の僕は呆気にとられた。
大人がわざわざ50円を取りに来るのか、と。50円はもちろん大切だ。自分で50円を稼ぐのは 大変なことだ。しかし、わざわざ取りに来るのか、大人が、と当時の僕は何度も思った。あんな大人になっちゃダメだとすら感じだ。器が小さすぎる。小学生な がらにそう思ったのだ。そのお話の本来の狙いではないところで、僕は大切な何かを感じ、そういう大人にならないでいようと心に誓ったわけだ。

しかし、そういう大人になってしまった。
家のテーブルに置いてあった50円が無くなって、大掃除のように部屋中をひっくり返して50円を探した。いつか出てくるさ、ではなく必死に探したのだ、つい最近。さわやか3組のような大人になってしまった。

な、長い!出典はライター地主さんのエッセイ連載ですが、面白かったのでついつい全文引用してしまいました。

実はこの記事は2010年公開なのですが、たまたま読み返して投入してみたところ、予想外のスマッシュヒット。リバイバルで12位にランクインしました。時が経っても物悲しさが色あせない、いいエピソードです。
第11位
クラス替えの掲示をみて心が躍った。今年は先輩と同じクラスだ。
こんどは天久さん主宰の投稿コーナー「書き出し小説大賞」より、鳳仙花さんの作品。短文中心の(さっきのは例外!)「よりぬき」の中で、もとより短文勝負のこのコーナーはひときわ高い攻撃力を誇ります。

今回のランキングには漏れましたが26位にも第10回より、大伴さんの「席をつめたがカップルは座ろうとせず、私はただ横の老婆にすり寄っただけの人間になってしまった。」がランクインしています。

さあ、そろそろおなかいっぱいになってきました?
胃薬片手に、次ページではベスト10の発表です!
いったん広告です
第10位
もの作りの最大の敵は作ってる最中の「これもしかして面白くないんじゃない?」というささやきである。振り向いたら石にされるぐらいの声だと思う。
本当に「吹いた」瞬間だけを記録する装置「吹至多三十六景」の作者インタビュー記事です。同じバカな物を作る仲間に出会った林さんが、共感を込めて書いた一言。その後なぜか「もしかして面白くないんじゃない?」が「もしかして面白いんじゃない?」に改変されたバージョンも出回っているのですが、それだと意味が通らないので元々はこちらです。
第9位
部下OLに課長が急にちょっかい出さなくなったらその子と不倫してる
19位で登場したコラボの告知ブログがまた登場。ボツネタなのに年間9位というこの成り上がり。スラム街出身のサッカー選手みたいな野心を感じます。

ちなみに発言者は編集部・古賀さん。これは実際に周囲にそういう人がいた経験がないと出せないリアリティだぞ、と思うのですが、なにせ同僚だけにうっかりきくと弊社の要らぬ内情を知ってしまう恐れがあり、まだ詳細はきけていません。
第8位
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クリハラさん好評連載中「生きる知恵」の記念すべき第1回より。回転寿司のメニューに抹茶アイスがない場合のサバイバル術です。

生きる知恵も人気で、ギリギリ圏外の21位には第7回の「タマネギを切る時は手元をフーフー吹きながら切ると目に染みない。」がランクイン。知恵とイラストの両輪で攻めるクリハラ作品の魅力です。
第7位
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こちらも投稿コーナー・こねったーより。拷問にしか見えない写真ですが実は誕生の瞬間。

こうやって作るのか!という驚きだけにとどまらず、「手作業なのか!」「この親指だけ素手の軍手はなんだ」「この手作りっぽい機械はなに」「頭燃えてるけど大丈夫か」など一枚で数々の驚きを与えてくれる、情報量の多い写真です。
第6位
このまえ雑談中にライター西村さんに「このまえ山口で人がたくさん死んだ
事件あったじゃないですか」と言ったところ

「壇ノ浦ですか?」

と返されました。この前ってそれ1185年ですよ。800年ぐらいまえです。

Tumblrページ:こちら
出典:メールマガジン「うっかりニフティ」
デイリーの各コーナーから選りすぐりでお送りしている「よりぬき」、サイトのみならずメルマガからもランクインです。

西村さんが1万年生きてるとかそういうことでは決してないはずなのですが、やはり古地図が好きな人は時代感覚のスパンが違います。京都の人が「このあいだの戦争」というと応仁の乱を指すといいますが、西村さんは鳥取出身なのにさらに300年も超越してます。
第5位
Getting the Perfect “Couple Photo” (Even When You’re Single)
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Tumblrページ:こちら
出典:instagram公式ブログ

いきなりのショッキング写真ですみません。

「よりぬき」では、デイリーのコンテンツ以外に、外部のサイトに載ったデイリー関連の情報もスクラップしています。

こちらは写真共有サービスinstagramの公式ブログより。ライター地主さんの、一人デートシリーズの写真がまとめられています。ここでは省略しましたが出典のページには英文での説明も。個人的には前々から「ファンデーション塗りすぎでは」と思っていたのですが、ここにも「He applied heavy makeup foundation」と書かれており万国共通の感想なのだと思いスッキリしました。

この後、地主さんは大躍進を遂げるのですが、その話はまた後ほど。
第4位
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12月の中旬に突如現われ、颯爽と4位の座をかっさらっていったこちらの写真。日本人ならたれぱんだを連想せずには居られないこの一枚、海外にも飛び火しての大人気だったのですが、外国人のコメントを見ると「タレてる」というより「溶けてる」という解釈が中心でした。

さあそろそろ胸焼けしてきましたか?その胸焼けを強さに変えて、次はいよいよベスト3!
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第3位
hokuoで見つけた「ブルーハワイ食パン」
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全国チェーンのパン屋さんhokuoには北海道限定のメニューがあり、それがこの「ブルーハワイ食パン」。

ランキングもベスト3にもなると、国内ウケだけではたどり着けず、海外票は必須。ただ海外ユーザーのコメントを見てみると、大多数がこれをミント味のパンだと思っている様子。たしかに「青い=ハワイ」という認識は日本独特なような気もします。(といっても、日本でも食パンが青い→ハワイだ!とは思いませんが…)
第2位
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海外からの「ほしい!」「すばらしい!」で埋め尽くされたのがこちらの一枚。僕はこれのおかげで「OMFG」という表現を覚えました。(Oh My F○○king God、「なんてこった!」という意味だそうです)。

欧米人はタコが嫌いだと聞いていましたが、これを見ると英語圏のタコ需要は確実に存在しています。タコ先進国・日本、2014年の海外進出の突破口はタコにあるかもしれません。
第1位
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なんか見たことある写真が出てきたぞ!!
というわけで、今年のベスト・オブ・よりぬきは、地主さんのこの記事でした。

5位でご紹介したのはinstagramのブログからの引用でしたが、こんどは本家デイリーの記事からの引用です。同じ内容だし2回も出さなくていいじゃん、とも思ったのですが、これだけ他の記事とreblog数が一桁違うんですよ。これは外すわけにはいきません。
リブログしてるユーザーも、日本はもとより世界各国。2位までは海外といっても英語圏が中心でしたが、こちらはアラビア語やスペイン語など、異国情緒あふれるコメントが飛び交っています。

ちなみにこのあと地主さんは中国のテレビに出たりCNNのサイトに載ったりGuardianのサイトに載ったりと大躍進。特にGuardianでは「今年一番キモかった自分撮り」の座を勝手に与えられ、はんぶん人気者、はんぶん晒し者みたいな状態で世界を股にかけています。

デイリーポータルZの長崎港

いかがでしたでしょうか、写真と短文で振り返る2013年のデイリーポータルZ。日本語の読み物サイトとしてほぼ鎖国状態にあるデイリーポータルZ、この「よりぬき」は、そこから世界に羽ばたく貴重な貿易窓口となっています。

「名珍場面」としか言いようのないこれらの写真やテキストたち。2014年も世界に日本の名珍場面をお届けすべく、頑張っていきたいと思います。

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