「雑務」を「ZATSUMU」に!
某日の午後、そんな感じで雑務に嫌気のさした会社員達が会議室に集結した。
DPZ編集部林、安藤
ライター伊藤、ニフティ営業部河合
即席で設けられた疑似オフィス。
「なんかリストラした人集めて押し込んだ部屋みたいだな」と林さんがつぶやく。
ここで「雑務をかっこよく」というスローガンのもとになされた不断の努力の結果が次の映像である。
エクストリーム電話とり
かっこいい!倒産を告げる電話だとしてもかっこいい!(そんなすごい連絡がこんなふうにかかってくるのかどうかは別にして)
電話を取る。会社の存続には不可欠な業務だが取り次ぎの面倒さや、もしクレーム等の電話だったらどうしようなど、とかくネガティブな事を考えてしまい、つい新人や後輩に押しつけてしまいがちだ。
「はあ、安藤はうるせーといって出て行きました。申し訳ございません」
しかし、自分を主人公として映画のマトリックスのような、迫力満点の映像(バレットタイムという)を撮影できるとしたらどうだろうか。
電話が鳴る前に受話器に手が伸びる程の、ハイテンションな雑務となるに違いない。
お茶汲みだってエクストリーム
ホワイトボードもエクストリーム
バレットタイムを雑務にフィットさせるには
このバレットタイム、検索してみると10台以上のiPhoneを並べて被写体を囲み連続撮影したり、ウェアラブルカメラ「GoPro」をシーリングファンに取り付けて回転させてたり、様々な工夫で再現されている。
iPhoneを並べて(不気味な絵ですいません)
シーリングファンで(不気味な絵でほんとすいません)
しかし、我々にはたくさんのiPhoneも、アメリカンな住宅のようにくるくる回るでかいファンもない。何より雑務に使用するには一層のモバイル性と手軽さが必要となる。
その課題に我々が出した答えがこれだ。
モバイルマトリックス!
モバイルマトリックスと私
ぐるんぐるん回ります
休日の会議室で電動ドリル
いい歳こいた会社員3人による打ち合わせで「GoProつけてぐるぐる回して自分撮りしたらかっこいいからやろう」というただの衝動としか思えない結論となった後、安藤さんが部材を取り揃えた。
いわばこの記事における重要な雑務である。
いかがわしさ満点の会議テーブル
ヘルメットの頭頂部にベアリングとアームを取り付けるというシンプルな構造。しかし「これ」用の部材を用意するとか結構途方にくれるんじゃないかと懸念したが見事にベストといっていい品々を調達。
回転部はキャスターを採用
コの字のスチールバーとキャスターのサイズが見事に一致!接着不要で組み立てが可能
ほら、ここの幅が奇跡のようにぴったりなんですよ
東急ハンズに飛び込んだ時はスタッフにどう問い合わせていいかわからず立ちつくしたらしいが、そこからこれらを見出すとはなんという雑務ニスト。
「これでエクストリームは我が手の内に」
愉快でたまらないといった面持ちでパーツを並べる。
口先まで出かかった「あんたのそれが一番エクストリームだよ」という言葉を飲み込んだ。
このとんちパーツをヘルメットに取り付ける。
007電動ドリルを持つ男
ヘルメットにドリルで穴を開けるという背徳感
「ヘルメットの頭にキャスターを取り付けた」という事実にウケているところ
うん、なかなかいい感じだ
仕上げはまさかのファイア
そしてスチールバーの先にGoProを取り付ければ完成。
GoProと目が合うと照れる
今やエクストリームカメラとしての地位を盤石にした感のあるGoProだが、私の周囲ではプロモーション映像のように、ロッキーマウンテンみたいな山脈をスノーボードで滑り降りたり、スキューバダイビングでザトウクジラと戯れたりするようなシーンとは対極にいる文化系の人ばかりがこのカメラを購入している。SNSで「買っちゃったぜ」みたいなコメントの後、二言目には「使う機会がない」とか言っていたりする。積ん読ならぬ積んGoProである。
「ちと重いな」
「GoProの重さでバランスが崩れますね」
「反対側におもりをつけて安定させましょう」
え、それ?
何のためらいもなくコラボ商品のキリンファイアを取り付けた。
安藤昌教、のちに「剝かない鬼」と呼ばれた男である。
しかしおかげで首の負担も激減。
スマホ操作しながら楽々撮影、ウェアラブルマトリックスの 誕生
コーヒー飲みたいなー(頭で回ってるよ!)
エクストリーム名刺交換
社会人にとって名刺交換は必須のスキルである。ちなみに私の友人はかなりの老け顔だったため、新卒間もない頃にお得意先で名刺交換する時、上司よりも先に先方が名刺を出してくる事がしばしばあったそうだ。
RECボタンを押しますので少々お待ちください
このように相手に接近する雑務の場合、回転するバーが恐怖心を与えて人によっては失礼となる可能性もあるので、「バーはちょっと」というお客様との名刺交換に備えてマジックハンド等を用意しておくといいだろう。いいのかな。
好印象はちょっとした気づかいから
エクストリーム傘ゴルフ
もはや雑務でもなんでもないが、駅で電車を待っている間に傘でゴルフをして煙たがれるサラリーマンのおっさんのステロタイプ像をかっこよくしてみた。
まったくの素人なのでよくわからないが、ゴルフは体に軸を作り、それを中心に回転してスイングするのが基本らしい。
ならば実際に自らが軸になるこのツールは鍛錬にうってつけなのではないだろうか。
あまり大振りをするとストッパーがはたらくので安心だ。(動画参照)
実際は公共の場で傘を振り回すなんてもっての他だし、こんなものを
頭の上でふよんふよん回してGoogleのストリートビュー撮影と勘違いされて「顔ちゃんとぼかせよコラァ!」などと胸ぐらをつかまれる危険もあるのでくれぐれもマネはしないでいただきたい。
部屋に戻る時もコツがいる。入口と垂直に体を向け…
バーが動いてぶつからないように手で抑えて入室
土下座もドエクストリーミング
次のミッションは最上級の謝罪、土下座である。
大人気の社会派ドラマや映画でも主題にされ、注目が高まっている土下座。実際そんなものした事がないという人が大半だろうが、昨今のメディアへの露出増により倍返しでカジュアル化が進み、何かあったらすぐ土下座などというディストピアな社会が到来しないとも限らない。
そして、日本のトレンドに敏感なハリウッドがマトリックスの次作に土下座を取り入れるに違いない(マトリックス・アポロジャイズド)。ならば我らが先取りしてしまおう。エージェントスミスが地団駄踏む姿が目に浮かぶではないか。
ククク、まるで蟻のようだ…
失礼します
「君か、犬に30億を貸し付けて我が社に大損害を与えたのは」
どう責任を取るつもりかね。そんなバーなんてつけて
このたびは大変、申し訳ございませんでした
「そんなかっこよく詫びられたらしょうがないなー。ほら君もやってごらん、蟻みたいだろう」「ほんとだうわー、まじで蟻ですね」(完)
常軌を逸したミスでも誠意を持って頭を丸めずに回せば、許していただけるばかりか、お偉いさんと一緒に下界を見下ろす事も可能になるのだ。
エクストリームは攻防一体
このモバイルマトリックスの構造をいかせば、嫌な上司に土下座を強要されても、やっつける事ができる。
土下座したまえ!
パワハラ上司め!ほら、土下座だくらえ!
逆に土下座させてやったぜ!
すっかり日が暮れようとしていた。さあこのテンションで残業だ(雑務だけで)
雑務よ、エクストリームであれ
雑務シーンに革命を起こそうと休日出勤してまで立ち上がった会社員達の、あさってのほうに向かった試みはいかがだっただろうか。御社でも導入すれば、社内は活性化し、株価もエクストリームに上昇なんてことになるかもしれないですよ(ならない)