特集 2012年7月4日

どうでもいいことを微速度撮影する

この記事の要素をすべて詰め込んだ写真
この記事の要素をすべて詰め込んだ写真
最近、微速度撮影に興味がある。

微速度撮影とは、一定の間隔で撮影した写真をパラパラ漫画のように動画にすることで、ゆっくりした動きのものをスムーズな早送りで見ることができる方法だ。

もともとは植物が成長する様子とか、星の動きなどを観察するために使われていたけど、カメラがデジタルになり性能も上がったことで、誰でも簡単に微速度撮影ができるようになった。

僕も撮ってみたい。何かこう、どうでもいいものを。
1974年東京生まれ。最近、史上初と思う「ダムライター」を名乗りはじめましたが特になにも変化はありません。著書に写真集「ダム」「車両基地」など。
(動画インタビュー)

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どうでもいい成長記録

微速度撮影と言うと、最近は都市や大自然を撮ったダイナミックな映像が多い。どれもかっこよくて美しいものばかりなので、後発の僕としてはもっとどうでもいいものを撮ってみたい。

当サイトでは、6年前に三土さんがトライしている(2009年には工藤さんも取り上げているけどこれはトライと言っていいのか)。

先人たちのチャレンジに敬意を表しつつ、当時と比べてカメラの性能もネット環境も飛躍的によくなったいま、新たな境地を開拓したいと思う。
乾燥わかめが戻るまでを!
乾燥わかめが戻るまでを!
たとえば、乾燥わかめを水で戻す様子はどうだろう。あの増え方は尋常じゃないけど、じっと見つめていても、ゆっくりすぎてわかめが戻るダイナミズムは感じられない。

いつも、ちょっと目を離した隙に「元から生でした」といった顔で奴らは平然と瑞々しい姿を晒しているのだ。

というわけで、乾燥わかめとカメラを用意して、およそ20分間撮影してみた。
生活感丸出しの使いかけで申し訳ない
生活感丸出しの使いかけで申し訳ない
三脚立ててわかめを撮る日が来るとは
三脚立ててわかめを撮る日が来るとは
...すごいとしか言いようがない。ちょっと目を離した隙に、キッチンの端ではこんなビッグバンが起きていたのだ。このわかめの膨張具合を見ると、人間の身体の70%が水分だ、というのも頷ける。

ちなみに、この動画の再生スピードは、水を注ぐところがおよそ2倍、その先は約20倍に早送りしている。

カメラのシャッターのタイミングは、よく分からなかったのでできるだけ連射にしてみた。なので撮影枚数は5000枚以上。途中でわかめが戻るスピードにムラがあるのは、カメラのメモリーカードが読み込みに手間取ってシャッターが切れなかったから。

試行錯誤でいろいろ改善点はあるけど、肝心のわかめが戻っていく様子はよく分かると思う。
これがまさかあんなことになるとは
これがまさかあんなことになるとは

手がふやけるまで

日常の中でゆっくり変化するどうでもいいこと、次はお風呂に入っているときに思いついた。

お湯に浸かっているといつの間にか手がふやけて指先がシワシワになってしまうけど、ああなっていく変化を眺めたい。
こうシワシワになる過程を見たい
こうシワシワになる過程を見たい
というわけで桶にお湯を張り、手を浸けて1時間撮影した。
1秒に1回シャッターを切って1時間撮影した、およそ3600枚の画像をを10秒で再生してみたけど、あまり劇的な変化は見えない。中指や薬指の先だけを注目していると、なんとなくシワが寄ってきているような気もする、という程度。

1時間、片手をお湯につけたままじっと待って、こういう結果のこともある。手がすごくかゆい。微速度撮影は撮影技術よりも精神力が重要だと思った。
画像管理ソフトの中が自分の手だらけ
画像管理ソフトの中が自分の手だらけ

氷が溶けるようす

そう言えば先日、コップに氷とジュースを入れて、飲もうと思ってそのまま数時間忘れていたことがあった。思い出したときには氷はすっかり溶けて、水とジュースがコップの中で上下に分離していた。

あれは悲しかった。でも微速度のネタとしてはいいんじゃないか。

というわけで撮影してみた。
もったいないけど...
もったいないけど...
やっぱりこのまま飲みたい
やっぱりこのまま飲みたい
この日は特に寒くはなかったけど、氷が溶けきるまでに4時間近くかかった。シャッターは2秒おき、6000枚以上の画像を繋げてある。

そしてやっぱり、かけた時間の割におもしろくない。分離も期待したほどしなかった。ちなみに撮影に使ったコーラはこのあとスタッフがおいし...く飲み干しました。

わかめと氷のコラボで

よし、じゃあこれまでの要素を2つ組み合わせよう。つまり、乾燥わかめと氷を同じ皿に入れるのだ。氷が溶け、その水を吸ってわかめが戻るという寸法。

ものすごくミクロなピタゴラスイッチである。

いや、ピタゴラスイッチにわかめは登場しない。
氷に囲まれて若干戸惑い気味.jpg
氷に囲まれて若干戸惑い気味.jpg
うおお、これはいい意味で気持ち悪い映像が撮れた。じわじわ水分を吸って戻っていく様子はまるでアメーバが増殖していくようである。

外に出よう

しかし、ずっと家の中で撮影していて、わかめは戻ったけど僕はなんだか煮詰まった。もっといろいろな要素も取り入れるため、外に出てみよう。
河原にやってきた
河原にやってきた
この状態で2時間撮影
この状態で2時間撮影
当サイトで困ったときの頼みの綱、河原にやってきた。ちょうどいい感じに細かい雲が浮いているし、サイクリングやサッカーをしている人もいて、奥の方ではスプリンクラーがまわり、遠くの橋には列車も通る。

動く要素満載だ、ということで、こんな動画を撮ってみた。
結局、乾燥わかめの呪縛からは逃れられなかった。

でも雲がじわじわ動く青空の下、乾燥わかめがぶわっと増える様子は、なかなか意味が分からなくていいんじゃないかと思う。
何をどうにも説明のしようがない系画像
何をどうにも説明のしようがない系画像
反省点としては、2回に分けるなら1度にもっと大量に戻した方がインパクトあったかも知れない。あと2回目はポン酢をかけすぎてしょっぱかった。

最後に、わかめとも氷とも違うものを撮ってみたいと思う。

ダムを微速度撮影する

というわけでダムにやってきた。

そもそもこの企画、まずダムを撮ってみたかったのだ。動かないダムを動画で撮る人はそんなにいないし、それなら微速度なんて相当どうでもいいんじゃないかと思ったのだ。
少し霧がかってていい感じ!
少し霧がかってていい感じ!
雨が降ったりやんだりの天気だったけど、早朝からダムにカメラを向けて数時間撮ってみた。
山奥のせいか、木々から水蒸気が立ちのぼって、それが雲になるような場面が撮れてしまった。思いがけずかっこいい。ダムは微動だにしないけど。

ここからはこの記事の趣旨とは違うけど、これで火がついて、ダムのかっこいい動画を作りたいと思った。そこで今まで撮り貯めていた動画も使って、ところどころ微速度撮影も取り入れて、勝手にダムのプロモーション動画を作ったので見てみてください。

BGMはダム好き仲間である風味堂のベーシスト、鳥口さんに作ってもらった。
カメラ壊れるかとヒヤヒヤしながら太陽も微速度撮影
カメラ壊れるかとヒヤヒヤしながら太陽も微速度撮影
このために動画編集ソフトを買って、ほとんど一夜漬けで作ったのだけど、楽し過ぎて時間を忘れた。というわけで、これからはダムの動画をメインに撮っていきたいと思う(着地点ずれすぎ)。

思ったよりたいへん

どうでもいいこともかっこいいダムも、微速度撮影するのは楽しかった。でも、数秒の動画に数時間かかるし、セットしたら状況が悪くならないように祈りながらただひたすら待つ、というのは根気がいる。あとカメラは消耗するし(1度に数千回シャッターを切る)、パソコンの中はほとんど同じ画像で溢れる。なので、そういったことも耐えられる、という人はぜひトライしてみてください。
わかめで一杯になったので新しいハードディスクも買った
わかめで一杯になったので新しいハードディスクも買った

ダムと工場のイベントやります

きたる7月28日、当サイトライターの大山さんと一緒にトークライブをすることになりました。題して「ダムvs工場~ダムナイトと工場萌えドボク頂上対決!」。

土木鑑賞ブームの火付け役であるダムと工場、それぞれ独自にイベントを行っていましたが、ついに共同でそのステキさを語り合うイベントが実現!

どうなるか僕も予想がつきませんが、ぜひ観に来てください。詳しくはこちらへ!
対決というか「いいよねー」と言い合うイベントです
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