ナイフなんて無かった
そいえばフォークと箸はあったが、ナイフが無かった。
店員さんが忘れていたのかと思っていたが、フォークと箸が入っていた袋には「お箸とフォークが入っています」とだけ書かれていた。
最初からナイフなんてなかったのだ。ナイフは要らないくらい肉が柔らかかったからな。
ミスターバークはもちろん岡山県内にたくさんあるチェーンだが、中国地方や四国、隣接する兵庫県、京都府、愛知県、長野県、埼玉県、熊本県にもある。気になったらぜひ。
はげます会担当の橋田です。
デイリーポータルZの大人気企画『勝手に食べ放題、地方チェーン店編』をはげます会会員専用ページで公開中です。鈴木さくらさん、こーだいさん、オカモトラボさん、DEEokinawaやんばるたろうさん、4名に挑戦してもらいました。「勝手に食べ放題」とは、食べ放題メニューがない店で好きなものを好きなだけ食べるという企画です。
「はげます会専用ページ」でしか読めませんが、オカモトラボさんのハンバーグレストラン「ミスター・バーク」の記事だけを紹介しちゃいます。
自らを檻から解放~勝手に食べ放題 岡山県のハンバーグチェーン編
ミスター・バークはハンバーグレストランチェーンだ。
全国的な知名度はあまり高くないかもしれないが、岡山県内での知名度は抜群である。
岡山県内ではミスタードーナツが10店舗に対して、ミスター・バークは12店舗。岡山で「ミスター」といえば僅差でミスター・バークとなる。
いわば岡山における静岡のさわやかのような存在だ。
食べ放題…いいのか?
僕は日常生活で運動することがほとんどない。家から職場まで自動車でドアtoドアだしデスクワーク。日本でも屈指の運動しない層である。
それを自覚しているがゆえに食べ放題とは距離を置いてきた。今回も楽しみな気持ちがありつつも、心の底には罪悪感がくすぶっている。
岡山が誇るハンバーグレストランチェーンのミスター・バーク。
ここがオカヤマinジャパンであることすら忘れさせるアメリカンな佇まいは、ロッキングチェアのおじいさんがいても不思議ではない。
しかし岡山県民にとっては我が家同然の安心感もある。僕の前世はアメリカ人だったのかもしれない。
いざメニュー表を前にすると心の底にくすぶっていた罪悪感が全身に広がった。
写真を見返しても笑ってしまうほどに表情が晴れない。
いつの間にか食べ放題を純粋に楽しめない体になってしまった。
「軽いものを」と考えたとはいえ、めちゃくちゃ日和っている。ミスター・バークでサーモンを頼むなんて、普段の僕なら発想さえない。
しかしいざ頼むと意外とアリだ。
僕は自らを思い込みという檻に閉じ込めた哀れな小鳥だったのだ。
ミスター・バークには頭の痛い問題がある。
その問題とは、ミスター・バークの二大巨頭である焼きたてハンバーグ(左)にするか健康バークビーフ(右)にするか問題だ。
…両方?
との考えが頭をよぎるが、ちょっと落ち着こう。食べきれない可能性が高い。
メニューの真ん中に最適解があった。一つの鉄板で両方が楽しめる「健康バークビーフ&ハンバーグ」だ。
普段の僕はトッピングはしない。その店の考える純粋なメニューを楽しみたい派なのだ。
しかし今日だけは玉子もトッピングしちゃおう。
焼いた肉とソースのこうばしい香りと共に健康バークビーフ&ハンバーグが運ばれてきた。
運ばれてきた健康バークビーフ&ハンバーグを見た瞬間、いつもと違う笑い声がでた。
と同時に全身にまとわりついていた罪悪感を嬉しさが突き抜けた。
良い…。玉子をトッピングして良かった。
「その店の純粋なメニューを楽しみたい派」って何だ?お前は海原雄山か。
肉の旨み。それに柔らかさ。
肉を焼いて食べるって一番うまいと思う。
ミスター・バークでは500円以上の注文でドリンクが無料になる。僕はこの時点ですでに500円を余裕で超えているので飲み放題の権利を持つ。
普段の僕ならドリンクコーナーで済ませる。絶対だ。
だが、今日の僕はもはや檻に捕らわれた小鳥ではない。もったいないとか気にせず有料のドリンクを頼む。
この世で一番うまい飲み物ことコーラだ。無料のドリンクは取りにいかなければならないのに対し、持ってきてくれる。すごく贅沢な気分だ。
ステーキの旨みに支配された口を、しゅわしゅわのコーラがスカッと流れていく。
…うめえ。
コーラとステーキってなんでこんなに旨いんだろう。僕の前世はアメリカ人だったのかもしれない(2回目)。
…しかし、ちょっとした誤算があった。コーラがめちゃくちゃ腹にたまるのだ。急に満腹になってきた。
しかしまだ胃には余裕はある。
普段だったら「ちょっと気になる」程度だったら頼まない。しかし、ちょっと気になるを頼む。これはすごい事だぞ!
三者三様のソーセージが三位一体となって贅沢三昧だ。
うめえ。前世はドイツ人だったのかも知れない。
三種のソーセージ盛り合わせでは満腹メーターは微動だにせず。これならいくらでも行けるぞ。
つづいて甘いものも気になっている。
普段だったらデザートを頼んだとしても、少しでも罪悪感の少ない普通のアイスクリームにするだろう。もう誰も僕を止められない。
じゃん!…あれ。ちょっと待てよこれ。
これメニューの上からの写真だと分からなったが…
アイスは2段だ。
しかもカップが食べられるやつだ。食べられると言う事は食べなければならない。それは誤算だ。
カラースプレー(カラフルなつぶつぶ)って改めて食べると旨いな。
満腹メーターに最後のとどめが刺された。
勝手に食べ放題は、普段通っている店でさえ新鮮さを与えてくれる。
3000円足らずで可能性を解き放つ。お手軽でいい。またやってみよう。
たまたま2500円ちょうどだった。GO TO イートクーポンでも無駄なく払えるぞ。
そいえばフォークと箸はあったが、ナイフが無かった。
店員さんが忘れていたのかと思っていたが、フォークと箸が入っていた袋には「お箸とフォークが入っています」とだけ書かれていた。
最初からナイフなんてなかったのだ。ナイフは要らないくらい肉が柔らかかったからな。
ミスターバークはもちろん岡山県内にたくさんあるチェーンだが、中国地方や四国、隣接する兵庫県、京都府、愛知県、長野県、埼玉県、熊本県にもある。気になったらぜひ。
食べたもの一覧と総額
上記3本ははげます会限定のページに公開されているので、全部読みたい人は入会してくださいね。
過去の「勝手に食べ放題」はこちらから読めます。
・勝手に食べ放題
・好きなものを勝手に食べ放題
・勝手に食べ放題 ~おしゃれな感じがするチェーン店の乱~
・勝手に食べ放題2015
・勝手に食べ放題2016~胃弱~
・勝手に食べ放題2018
・勝手に食べ放題2020
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