ライター:スズキナオ
第一回:やるぞ窯の掃除!
第二回:いよいよ焼くぞ
第三回:芋とファミチキの焼け具合
第四回:たまごとりんごの焼け具合
第五回:コンビニ弁当の焼け具合
※小出し記事は書けたところから即、小出しに公開する連載企画です!
「銭湯の鏡に広告を出した話」の記事で取材させてもらって以来、大阪市此花区・千鳥橋の「千鳥温泉」には何度となくお世話になっている。
店主の桂秀明さんは脱サラしていきなり銭湯業界に飛び込んだ方で、前述の鏡広告のようなアイデアだけでなく、銭湯内でのライブイベントを企画したり、演劇を上演したりと柔軟な姿勢で銭湯を盛り上げようとがんばっている。
その桂さんに千鳥温泉のボイラー室を案内してもらったことがある。大きな窯が鎮座し、周りには計器類があれこれと設置されており、私たちが「いい湯だなー」と浸かっている温かいお湯はこのような場所で生まれているのだなと思った。
千鳥温泉のボイラーは重油を燃料にするタイプ(他に薪を使うもの、ガスを使うものなどがある)。窯の内部を説明してもらった際、桂さんが「ここがめっちゃ高温になるんで、焼き芋も焼けるんですよ」と言っていた。銭湯の重油式ボイラーで焼き芋……その際は深く考えずに「へー!」と驚いただけだったが、なんだか意外な取り合わせだったので記憶に残っていた。
今回、そのことをふと思い出し、桂さんのご協力のもと、ボイラーで焼き芋を焼かせてもらえることになった。さらに、芋だけでなく他の食材も焼かせてもらうことにした。
さあ、早速焼いていこう!
いや、その前に窯の掃除をする必要がある!
あれこれ焼かせてもらう前に、まず窯の内部を掃除する必要がある。毎日稼働して銭湯のお湯を温めているボイラー、使用するたびに窯の中には煤がたまっていくため、定期的にそれを取り除いていかないと熱の伝導効率が落ちてしまうのだという。
ここ最近、桂さんは忙しくてしばらく掃除ができていなかったそうなので、だいぶ煤がたまっているはずとのこと。長い柄のついたブラシやホウキやチリトリでガシガシと落としていく必要がある。
芋を焼かせてもらう以上、私も手伝わせていただく
「じゃあ、手伝ってもらえますか!煤がすごいんで、上はTシャツ、下はパンツだけになった方がいいですよ」と桂さんが言う。お、おう。
長い柄のついたブラシで穴の中にたまった煤をこすり落とす。なかなかしんどい作業である。あたりに煤がもうもうと舞い上がる。
窯で温められた空気は最終的に煙突をのぼって抜けていく。桂さんが「ここが煙突の根元なんですよ」と指差した。
桂さんに教えていただきながら、1時間ほど掃除をがんばった。よし、これでようやく芋だのリンゴだのが焼けるところまで来たぞ!
ライター:スズキナオ
第一回:やるぞ窯の掃除!
第二回:いよいよ焼くぞ
第三回:芋とファミチキの焼け具合
第四回:たまごとりんごの焼け具合
第五回:コンビニ弁当の焼け具合
※小出し記事は書けたところから即、小出しに公開する連載企画です!