会社を休んだ日、部屋着でごろごろしながらふと思う。
「今ごろ会社ではみんなどうしているだろう」
子どもの頃は病気で学校を休むと休んでる間じゅうずっと学校のことを考えていた。「もう給食だあ」「そろそろ6時間目の授業かな」
そうして思うのは、家にいるこの状態で、いつもいるはずの会社や学校に瞬間移動したらどうしよう! ということだ。
※2008年9月に掲載された記事の写真画像を大きくして加筆修正のうえ再掲載しました。
18:00 今日は休みの日。ビールを飲んでだらだら
19:30 寝ころがってテレビでも観るか
みんな、真面目に働いていた
「今ごろ会社ではみんなどうしているだろう」
休日自宅でふと思った夕方。瞬間移動してみたら、当然みんな真面目に働いていた。
この日はデイリーポータルZの新サービス「風雲! コネタ城」のリリース日。アクセスの様子や早くも集まるネタの投稿など、編集部では忙しく対応のやりとりが行われていた。私が自宅で休んでいる間も、会社ではみんな忙しくしていた。
いや、それは分かっていたことなのだ。けれど、こうしてみると普通に働いているということがなんだかものすごくキチンとしていることみたいに感じる。
靴を履いているだけでみんなが立派に見える
前日同時刻の自宅での行動を会社で再現しています
なんだこれ? と思ったみなさま、ですよね。ちょっとやっていることを説明します。
これ、休暇(有給休暇)をもらった前日の同時間の自分の行動を、そのまま翌日会社でやってみているのだ。
これまで何度も頭のなかで想像した休日の自分が会社にいるという図。写真で見られて単純にうれしい。
上の写真の元になった自宅での前日18:00のわたし
同、19:30のわたし
撮影のために部屋着を会社に持ち込み、トイレで着替えた。
部屋着でオフィス内に戻った途端、自分で着替えておきながらかなりオロオロする。
なにしろTシャツは10年ぐらい前に南船橋のフリーマーケットで買って以来ずっと着てる自分おなじみの部屋着だし、ズボンはよれっよれで色あせあせだ。
気に入っています
そんな部屋着で会社にいる。
コスプレのような分かりやすい「変な格好」をしているわけではないので余計に違和感がある。
改めて、休日の自分を瞬間移動
説明は以上だ。
せっかく会社に部屋着で現れた。もう少し前日の休暇の私を事務所に再現してみたい。
17:00。平日休みをとってみたものの、用事もなく近場の店やらスーパーやらで買物をしたりして自宅へ。帰るなり部屋着に着替えて思う。
今ごろ会社ではみんなどうしているだろう。
シロアリの外来種、イエアリというのがやばいということを延々やっていた
左から、上司・同僚・上司。みんな頑張って働いています
何の用もない休日は自由すぎてビールを飲むタイミングが分からず、食事中でも風呂上りでもない変な時間につい飲んでしまう
撮影のため本当に飲むつもりで持ってきたが、部屋着の上にビールまで開けたらこれは頭が本当に分からないことになりそうで怖くて開けられなかった
昼があいまいだったので早めに晩ごはんに。とはいえ、きっちり作るのも面倒なので残りもののおでんでも
定時から少し経ったが会社では結構な人がまだ働いている。残業にそなえコンビニでおやつを買って戻ってくる人がちらほら
テレビを観ながらたまに思い出すとやるゴキブリ体操。寝た状態で両手をあげてぶらぶらします。冷え性や手足のむくみに効果があるらしい
営業チームが活発な打ち合せをやっていた。デイリーポータルチームも引き続き作業しては軽い打ち合わせをして作業に戻ってをして忙しそうだ
このところ涼しくなってきて、汗をあまりかかないのでうっかり風呂を忘れてしまう。あわてて沸かして入った
まだまだ会社では多くの人が作業をしている。休憩スペースならなじむかと思ってみたが、かえって浮いた
梨があったのをすっかり忘れてた。思い出してラッキー
メンテナンスのタイミングについて編集部では全体ミーティング。活発な意見が飛び交う
みんな良く働く。
私のいないところでも地球は回っている
自宅の姿勢でオフィスに紛れ込み、気づいたことが2つある。
(1)会社にくらべて、家では相当くつろいでいるのだなあ
(2)私のいないところでも世界は正常に回っているのだなあ
部屋着の頭でぼんやり思った。
あぐらで梨を食べるなんて会社じゃまずありえないけど、家では全く普通のことだ。
会社と自宅での緊張感の違いは思った以上だった。
そして、これは当たり前のことだが、私がいない日も会社ではみんな普通に仕事して普通に打ち合せしている。地球は回っていた。
私が家にいる間もエレベーターホールではエレベータに人が乗っては降りていく
さて、私はずいぶんと早寝早起きの体質で本当は21時ぐらいに眠気のピークがくる。なんとか22時まで待ち、22時になるとあとはいつでも寝ていいぞということにしている。
翌日の朝が早いということもあり、昨日私は22時ぴったりに寝た。
今ごろ会社ではみんなどうしているだろう。
22:00 もう寝ます
おやすみなさい
世の中にはたくさんの人がいる
「私がいなくても地球は回っている」と書いた。同時に、世の中にはたくさんの人がいるよなあ、というこれまた当たり前のこともぐぐっと実感がわいた。
私が寝ているときに居酒屋で舟盛りのお刺身を食べている人たちがいる。その時間に自宅でご飯を食べている人もいるだろうし、職業によってはこれから勤めが始まるという人も、今起きたという人もいるだろう。
東京が22時でも7時の地域もあれば13時の地域もある。考えれば考えるほど、ぐっと視点が引けてくる。ゴゴゴゴゴーっやっほー! 地球が見えるぞーい!
部屋着で会社でゴロゴロするというやってることのマヌケさ反面、思いのほか真面目なオチがついてびっくりだ。
なんだか最近自分視野狭いなあと感じたら、部屋着で町に繰り出すことをおすすめします。
撮影の間は本気でみんな普通に働いていました