街の真ん中で色をさけぶ
さて、何の色を呼んでみようか。そう思って探すと目に入ってくるのは標識や目印類だ。さすがにパキっとしていて見やすく、色が色であることを主張している。
「おれの色を呼んでくれ!」
そう言わんばかりだ。よしよし、今おまえの色に名前をつけてやる。
車椅子マーク #0033CC(■)
禁止マーク #CC0000(■)
入場口案内矢印 #66CC00(■)
青信号 #339999(■)
可燃ゴミ #CC6633(■)
不燃ゴミ #339999(■)
資源ゴミ #339966(■)
とまれ #CCCCCC(■)
マークの表す意味ではなく、その色そのものに注目する。思わぬことで脱構築気分を満喫。
標識や目印は基本的に原色で構成されていることが多い。こうなるともっとポップでかわいい色を呼んでみたくなる。#33CC00(■)とか、#FF3399(■)とか。#00CC99(■)なんてのもいいんじゃないかしら。
そうだ 。色とりどりと言えば地下鉄の路線のマーク。にわか鉄道ファンが集うとされる当デイリーポータルZ、やはり鉄道ははずせない。あの「○」の色を番号で呼ぼう。
丸の内線 #CC3333(■)
千代田線 #66CC99(■)
半蔵門線 #9999CC(■)
スリリングな色の違い
都営三田線 #336699(■)
東西線 #3399CC(■)
停車位置の表示、かわいい
銀座線 #FFCC33(■)
物の色と子供ごころ
指さし安全確認する運転手さんの隣で、私はテキパキ色を確認。日頃都営三田線#336699(■)を使うことが多い私だが、色で選ぶならやはり丸の内線#CC3333(■)か。あれ? この感覚、どこか懐かしいような…。
そうそう、子供の頃、 当時車体が赤だった丸の内線に乗るのが好きだった。池袋から新宿に行くのに丸の内線に乗りたくて、家族にわざわざ遠回りしてもらったこともあった。
子供には事情がない分、色に敏感なのかもしれない。物の色に注目するというのはちょっとした子供体験なのだ。
自分の中の内なる幼児性を満足させるため、色のバリエーションを求めて再び街へ出た。
色いろいろと言えばチェーン店の看板だ。ポップなのが多いコンビニに注目してみた。呼んだ色はマークの中でも特徴的な部分の色。
#FFFF00(■)
#33FFFF(■)
#0099FF(■)
#009966(■)
午前の部は #CC0000(■)
午後の部は #990066(■)
さすがにバラエティに富んだ色がコールできた。#990066(■)なんてこれまでに無いレアカラーだ。
うって変わって、同じような配色が多かったのが居酒屋の看板。赤い看板が目立つ。「赤ちょうちん」の名の通り、酒のあるところはやはり赤なんだろうか。
赤その1 #FF3300(■)
赤その2 #CC0000(■)
赤その3 #FF3333(■)
赤その4 #FF0000(■)
ただ、赤は赤でも微妙な違いがあった。 居酒屋の看板で知る、赤という色の幅。
居酒屋の看板がそろって赤いというのは何か訳でもあるんだろうか。人は#FF0000(■)あたりの色を見ると酒が飲みたくなるとか? #FF0000(■)で興奮させられてるのか。酒を前にして、人は闘牛場の牛になる。そんな煽られ方をしているとはついぞ知らなかった。居酒屋好きとしては、しかし、どうにもならない問題だ。
人工の色には多かれ少なかれ、もくろみを感じる。しがらみから離れ、 そろそろ新たな地平、自然物の色も調べていきたい。そんなとき目に付いたのはトラックに書かれたこのイラストだった。
そうだ、パンダだ、動物だ。動物を色で呼んでみよう。きっと新しい形で動物とのふれあいが始まるに違いない。