10月気温の振り返り
増田:
10月ですが、結構晴れなかったですね。
林:
晴れなかったですね。
増田:
これは秋雨が長引いたということなんですけど、そうなると、なんかこの、フラストレーションというか、責任感を感じてしまうということがありますね(笑)
林:
気象庁の人とかも、別に気象庁のせいじゃないのになんとなく矢面に立ってる感じしますもんね。むしろ解説してる方なのに。
増田:
10月でウワッとなったのが一度あって、24日の金曜日だったかな。あれはみんなびっくりするぐらいの大外しで「今週末は雨が降るんで今日が秋晴れラストチャンスです」っていうふうに、結構自信を持って予報したら、もう昼から雨が普通に降り始めて……。洗濯も、布団も干したって人も多くて、平謝り……。これは久々に僕も青ざめたという感じの外し方で……。
林:
24日の雨……1ミリ以下の雨が細かく降ったんですね。
増田:
それでも、結構しっかり降った感じで。これ、コンピューターも完全に外してて。西の方で止まってると思った雨雲が一気にサーッと流れてきて、もう来ちゃったの!?っていう(苦笑)
![]()
西村:
コンピューターも外したって、ちょっと珍しいんじゃないですか?
増田:
おっしゃる通りで、そういや昔はこういう外し方よくしたよなと思って。いろんな声いただきましたが「逆に最近それだけ当たるようになってきていることの裏返しだよね」という風に言ってくれる方いましたが、その分、この一回のインパクト大きいよなとは思った一日でした。
林:
あ、キャロットタワーに登っていた日だ! 雨降ってましたね。
林:
そういう時って翌日の放送で「昨日外しちゃいましたね」とかは言わないんですか?
増田:
言いたかったんです。言って平謝りしたかったんですけど、金曜日だったので謝れず……(増田さんが出演している『THE TIME, 』は、月〜金の放送です)なので、SNSには書いたんですけども、あまりにもショックが大きくて、手が動かなくて、キーボードが打てず……。夜にやっと手が動いて謝りましたけど、久々にバズりました(苦笑)
— 増田雅昭🌤気象予報士 (@MasudaMasaaki) October 24, 2025
林:
増田さんの天気への思いが、我々とはやっぱり全然違いますね。「外しちゃった、アハハ」みたいにはならないですね。こう、けっこうえぐられるような……。
増田:
この外し方はね……月曜日もう1回テレビで謝っときました。まぁ、10月は曇りや雨が多かったのでね。
林:
10月(と11月初旬)は寒かった気がします。
増田:
やっぱりアップダウンが大きいので、下がるタイミングは気温以上に余計に寒く感じるっていうのはありますね。あと、この下がるタイミング(10月20日ごろ)で雨も降ってますから。
林:
11月の長期予報では、暖かいって言ってた気がするんですが。
増田:
はい、そうですね、11月は高い。均すと結果的にはそうなると思います。
林:
そうか、均すと体感は違いますもんね。
増田:
そうなんですよね。ならすとそうなんですけれども、10月の初めまで普通に暑かったのを経験した後で、ガクッと気温が下がると、もう皆さん冬が来た、冬が来たっておっしゃいますけれども、この体感のギャップに、昔に比べると敏感になってるのかもしれないですね。
林:
暑熱順化(体が徐々に暑さに慣れること)ってありますけど、逆はあるんですか? 寒いのになれるみたいな。
増田:
寒いのに慣れるというのも、あるんでしょうけど。同じ気温10℃でも、冬の10℃は暖かいのに、10月の10℃なんでびっくりするほど寒い。
林:
今、寒いって言ってますけど、3月と同じぐらいの気温ですよね。花見やってる時期ですもんね。
西村:
1月とかの寒さを経験したうえで、これぐらいだったら「ちょっとあったかくなってきたな」って言うぐらいですもんね。
増田:
やはり、快適な環境にいることが増えたからというのもあるのではないでしょうか? 室内環境も含めて。だから寒さ、まぁ暑さは本当に暑くなっていますけども、快適なゾーンの気温を少しでも外れると、寒さや暑さを感じやすくなっているのかもしれないですね。
はたして「二季」化してるのか
林:
流行語大賞に「二季」がノミネートされています。この連載では、梅雨を入れて五季になるとか増やす方向で言ってましたけど、世の中のトレンドは減らす方向で二季だったんだと。極端な方が流行っちゃうんですかね?
増田:
皆さんのイメージでは、秋が短くなった、秋がなくなった。春が短くなった、春がない。というイメージなんでしょうね。さっきも言ったように、快適ゾーンが狭くなってきているのもあるんでしょう。
林:
二季がもし選ばれたら、気象予報士は授賞式に行けないですかね。
増田:
誰が行くんだろう? 二季って言ってる気象予報士いましたっけ? (今回とは関係ないけれど)昔、森田さん(ウェザーマップ会長・気象予報士)は流行語大賞の授賞式に行ったんでしょう?
小林:
1990年の「気象観測史上(はじめての…)」っていう流行語で森田さんが授賞式に行ってますね。
西村:
二季、つまり夏と冬しかないというような、そう思ってしまいそうというところはあると思うんですけど、どうなんでしょう。
増田:
季節は、かならずグラデーションになっている訳ですから、必ず秋や春という部分はあるわけです。たしかに夏の時期が長くはなっていますが、一方でどこにしわ寄せが行くかっていうと、今で言う冬が短くなるはずで、去年もお伝えしたように12月が秋化していくんだろうなという風に思いますね。
林:
二季というよりも、この連載を読んでいる人たちは、こっち(実際の季節感)の感覚があるんじゃないですか。夏のこの辺に梅雨があるんですよね。きっと。
増田:
梅雨はそうですね。年の後半だと、秋か冬がだんだん短くなる。やっぱり短くなる季節は愛おしいですから、桜なんてあれだけ短いから、みんながあれだけ愛でているということで、そのうち秋とか冬をみんな愛でるようになるのかな? と思いますね。
林:
今、秋ですもんね。(11月12日)
増田:
今は秋ですよ。
西村:
秋っぽい気候ですよね。ちょうど。
林:
秋は大陸から高気圧と低気圧が交互にやってくるんですよね。(そして少しずつ気温が下がる)
増田:
秋の後半では時々そこに寒気もやってくる。秋と一言で言っても、前半は台風も来たりしますし、今も台風が来てるってことは、まだ秋っぽさもあるわけで。
西村:
二季ではないと。
増田:
季節は必ずグラデーションがあるわけだから、だって30℃、35℃出た次の日に、最高気温5℃とかは絶対ないわけで……。
林:
肌の感覚ってあっという間に忘れちゃうんですよね。だから、気温がガクッと落ちちゃったりしたら、あ、寒いってなっちゃう。冬が来たって思っちゃうけど、10℃下回ってないですもんね。
西村:
ホントの冬だったらもっと寒いですからね。
林:
10℃以上あるんだったらダウン着なくてもいいですもんね。
西村:
なんだっけ、冬コート
小林:
冬コートーちゃん(10℃がコートを着るか着ないかの目安)だ。
増田:
どうすればいいんですかね。急に冬が来たって、みんな10℃を越えてるようなところで言っちゃってるから、秋が無いことになってしまっている。
林:
口内炎ばっかりできてるんだよねって、口内炎ができてない時期もあるのに言っちゃうみたいな感じですかね。
西村:
普通の時のことが記憶に残らないんですよね……。

