特集 2023年8月15日

和食のニュースタンダードになるか、ざるメシ

ざる蕎麦がある。

白米もある。

どちらも日本人に馴染みきった、スタンダード中のスタンダードだ。

しかしざる飯はない。

これだけ当たり前に存在する両者なのに、誰もここをくっつけてみようとはしない。

やってみたくなってきた。

平成元年生まれ。令和から原始まで、古いものと新しいものが好き。

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ピリリとした非日常がやってくる

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さっそくのざるメシだ

ざるメシ、非常に簡単なのだ。

炊いたご飯を冷まして、ザルにのせるだけ。

なぜ誰もやらなかったんだと思う手軽さだ。

しかしだ。

見慣れない。

見慣れたものしか目に入らないはずなのに。

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一昔前なら海外のおかしな日本イメージ……今ならむしろAIの作り出した産物って感じだ
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とりあえず食べてみよう
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箸でご飯を持ち上げ…
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つゆにつけて
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持ち上げるのだが…
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さみしい

誰もがやる前から思ったであろう、最初の関門だ。

食べづらい。

ぽろぽろと暗いつゆの中へと落ちていく粒たち。

なんとかすくって食べてみよう。

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美味しい!

味は美味しい。

美味しくない要素がないのだ。

麺つゆと白米は合う。薬味と白米も合う。

当たり前のように、美味しい。

これはいけるんじゃないか。

和食のニュー・スタンダードとして、高らかに名乗りをあげたいと思った。

 

ちょうどその時、

同居する家族は蕎麦を茹でて食べようとしていた。

 

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蕎麦の美味しさとともに、すこしずつ深まる知見

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すこしもらって食べる

ざるメシの後に食べて、強く感じたことがある。

蕎麦は、麺をズズズとすするということだ。

喉ごしのよい炭水化物が、勢いよく口の中に飛び込んでくる。

その愉悦。

当たり前になっているが、とっても気持ち良い体験なのだ。

ざるメシにはそれがない。

代わりに食べづらい。

…しかし、そこは道具次第でなんとかなるはずだ。

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リゾット用スプーンを買ってきた
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圧倒的に食べやすい!
知見①…ざるメシにはリゾット用スプーンが合う

このまま出オチで終わりたくない。

もう少し、ざるメシと真剣に向き合いたい。

食べ物で遊ぶ大人になりたくはないのだ。

 

そう心に決めると、ざるメシには喉ごしがない分、別のメリットが浮かんでくる。

知見②…ざるメシはつゆの味をダイレクトに感じることができる

食感というのは想像以上に大きいもので、同じぐらいつゆをつけても、蕎麦よりご飯の方がつゆの旨味甘味を感じられる。

そして、食べづらい分ゆっくりと味わえる。

つゆの配合もざる蕎麦とは変わってくる。

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水、めんつゆ、醤油を煮立たせて鰹節でダシをとる
知見③…ざるメシには、あっさり・キリリとしたつゆが合う

今回、にんべんの麺つゆをベースに使ったが、蕎麦で食べるときよりも甘味を強く感じる。

米自体も甘いからだろう。

料理として成立させるには、やはりひと手間が大事だ。

麺つゆ20ml・濃口醤油10ml・水120mlを足し、煮立たせて鰹節を追いダシとしていれる。

あとは冷やすだけだ。

あっさりしながら、風味が増して最高だ。

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むしろ、鰹節を薬味としてつかうのもありだ。梅干しとかも絶対合うだろうけど、それだとお茶漬けに近づいてしまう

 

じわじわと見えてくる、ざるメシのたしかな魅力

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おくらの天ぷらとともに食べるざるメシ

ざるメシ、言ってみれば冷や飯なんだけれど、こうして舞台が整うと妙に豪華に感じられるのだ。

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ざるから米がなくなると、お茶碗の時よりやり切った感がある

それに、カロリー的には全然たいしたことないのに、食べるスピードと見た目からわりかし満腹感がある。

つまりヘルシーなのだ。

さらにだ。

慣れてくると箸でも食べられるようになってくるし、それが妙に通っぽい。

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蕎麦ちょこの側面を沿わせるようにして、ほんのちょちょんと、数粒につゆをつける

うまくできると、すこしだけ誇らしいのだ。

これぞ日本通の証…なんて世界線は存在しないけども。

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市販のご飯でも試してみた。すこし硬めでこれはこれで美味しい
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すこしずつ、知見が集まってきた

気合をいれて20まで項目をつくったけど、果たしてどこまでたまるだろうか。

もうすこしだけあがいてみたい。

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白い写真ばっかり続いたので、お口直しに新潟名物・へぎそばの写真を

蕎麦に丼ものをつけたくなるけど、ざるメシにはつけたくならない。やっぱりざるメシ、ヘルシー。

 

⏩ 米をゆでてみる

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