特集 2023年8月15日

和食のニュースタンダードになるか、ざるメシ

ざる蕎麦がある。

白米もある。

どちらも日本人に馴染みきった、スタンダード中のスタンダードだ。

しかしざる飯はない。

これだけ当たり前に存在する両者なのに、誰もここをくっつけてみようとはしない。

やってみたくなってきた。

平成元年生まれ。令和から原始まで、古いものと新しいものが好き。

前の記事:バブル遺産。京都・祇園のド派手近未来ビルが楽しい

> 個人サイト 畳の夢

ピリリとした非日常がやってくる

19388E82-C76B-47ED-896E-0015562EADA2.jpeg
さっそくのざるメシだ

ざるメシ、非常に簡単なのだ。

炊いたご飯を冷まして、ザルにのせるだけ。

なぜ誰もやらなかったんだと思う手軽さだ。

しかしだ。

見慣れない。

見慣れたものしか目に入らないはずなのに。

FACD7368-40A1-4F03-B851-AC762BC2439D.jpeg
一昔前なら海外のおかしな日本イメージ……今ならむしろAIの作り出した産物って感じだ
B656D15C-A5C9-473C-B831-4516D3EA1671.jpeg
とりあえず食べてみよう
A6011EC9-1792-4CF6-8C6C-913A0CC745E1.jpeg
箸でご飯を持ち上げ…
39031285-B3E3-41E5-90CD-BF07874F90E2.jpeg
つゆにつけて
D8DBD8E7-DD16-4601-9315-6AC47C9CDFB9.jpeg
持ち上げるのだが…
C1F928A7-4ACE-40AD-8351-1D2F7B5526BD.jpeg
さみしい

誰もがやる前から思ったであろう、最初の関門だ。

食べづらい。

ぽろぽろと暗いつゆの中へと落ちていく粒たち。

なんとかすくって食べてみよう。

74DF3B36-AD46-4535-A569-66F3C0239E1C.jpeg
美味しい!

味は美味しい。

美味しくない要素がないのだ。

麺つゆと白米は合う。薬味と白米も合う。

当たり前のように、美味しい。

これはいけるんじゃないか。

和食のニュー・スタンダードとして、高らかに名乗りをあげたいと思った。

 

ちょうどその時、

同居する家族は蕎麦を茹でて食べようとしていた。

 

いったん広告です

蕎麦の美味しさとともに、すこしずつ深まる知見

4E79EA58-A67F-43A2-8F87-7B2EBB1BA3E1.jpeg
すこしもらって食べる

ざるメシの後に食べて、強く感じたことがある。

蕎麦は、麺をズズズとすするということだ。

喉ごしのよい炭水化物が、勢いよく口の中に飛び込んでくる。

その愉悦。

当たり前になっているが、とっても気持ち良い体験なのだ。

ざるメシにはそれがない。

代わりに食べづらい。

…しかし、そこは道具次第でなんとかなるはずだ。

0F58ECEB-0C14-4871-BEC7-4E945EDE57A8.jpeg
リゾット用スプーンを買ってきた
6FB7721D-F235-445C-8D5F-0A6179C6C825.jpeg
圧倒的に食べやすい!
知見①…ざるメシにはリゾット用スプーンが合う

このまま出オチで終わりたくない。

もう少し、ざるメシと真剣に向き合いたい。

食べ物で遊ぶ大人になりたくはないのだ。

 

そう心に決めると、ざるメシには喉ごしがない分、別のメリットが浮かんでくる。

知見②…ざるメシはつゆの味をダイレクトに感じることができる

食感というのは想像以上に大きいもので、同じぐらいつゆをつけても、蕎麦よりご飯の方がつゆの旨味甘味を感じられる。

そして、食べづらい分ゆっくりと味わえる。

つゆの配合もざる蕎麦とは変わってくる。

D5BF814C-2D9B-4734-8DC0-C5736A3E9DB2.jpeg
水、めんつゆ、醤油を煮立たせて鰹節でダシをとる
知見③…ざるメシには、あっさり・キリリとしたつゆが合う

今回、にんべんの麺つゆをベースに使ったが、蕎麦で食べるときよりも甘味を強く感じる。

米自体も甘いからだろう。

料理として成立させるには、やはりひと手間が大事だ。

麺つゆ20ml・濃口醤油10ml・水120mlを足し、煮立たせて鰹節を追いダシとしていれる。

あとは冷やすだけだ。

あっさりしながら、風味が増して最高だ。

64867274-D915-4DCA-B8C1-469D854DDE99.jpeg
むしろ、鰹節を薬味としてつかうのもありだ。梅干しとかも絶対合うだろうけど、それだとお茶漬けに近づいてしまう

 

じわじわと見えてくる、ざるメシのたしかな魅力

BCD1C240-AF0C-4AF7-9840-9B3405540123.jpeg
おくらの天ぷらとともに食べるざるメシ

ざるメシ、言ってみれば冷や飯なんだけれど、こうして舞台が整うと妙に豪華に感じられるのだ。

C1E0219A-43AD-4494-892D-C2BD27EE22B0.jpeg
ざるから米がなくなると、お茶碗の時よりやり切った感がある

それに、カロリー的には全然たいしたことないのに、食べるスピードと見た目からわりかし満腹感がある。

つまりヘルシーなのだ。

さらにだ。

慣れてくると箸でも食べられるようになってくるし、それが妙に通っぽい。

CDD5D87A-99EE-44F4-BF93-F6D86F2802C4.jpeg
蕎麦ちょこの側面を沿わせるようにして、ほんのちょちょんと、数粒につゆをつける

うまくできると、すこしだけ誇らしいのだ。

これぞ日本通の証…なんて世界線は存在しないけども。

153E0777-66A9-4874-854D-18B7D8780738.jpeg
市販のご飯でも試してみた。すこし硬めでこれはこれで美味しい
1C99D1DB-CA70-45CA-85EB-6C4F0C12D0B1.jpeg
すこしずつ、知見が集まってきた

気合をいれて20まで項目をつくったけど、果たしてどこまでたまるだろうか。

もうすこしだけあがいてみたい。

7FF5508D-E2B3-48DC-A1BA-DD74FD8EC77E.jpeg
白い写真ばっかり続いたので、お口直しに新潟名物・へぎそばの写真を

蕎麦に丼ものをつけたくなるけど、ざるメシにはつけたくならない。やっぱりざるメシ、ヘルシー。

 

⏩ 米をゆでてみる

▽デイリーポータルZトップへ つぎへ>

banner.jpg

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ