どこかで誰かに
正直なところ、
これが初めての外国料理として出されたら、あ、これ美味しいじゃん、と思うところまでは来れたと思う。年に1回くらいなら全然アリだ。
ただ、日常的に食べたいかと言われると、今のところ蕎麦を食べたい。
私は蕎麦を食べたい。
でもどこかでこの知見が実を結ぶことを願っている。
と、ここまでもっともらしいことを言ってきたが、
このざるメシ、今のままでは致命的欠陥がある。
気付いている人も多いかもしれないが、ざるとは余分な水分を切るためのものだ。
炊飯器で炊いた米なら、ざるである必要がない。
これじゃ料理としての必然性に欠けてしまう。
そこで思いついたことがある。
米の調理法には2種類ある。
炊飯器で炊く「炊き干し法」と、鍋で茹でる「湯取り法」だ。
以前、小麦を粒のまま食べる記事を書いた時に知ったのだが、米って実は10分茹でればもう食べられるのだ。
正確には、30分浸水した後、沸騰したお湯で8~10分ほど茹でる。
こうすると、デンプン質がお湯に溶けだす分、さっぱりパラパラした米になるのだ。
茹で終わったらお湯を切れば完成なのだが、お好みで水分をふき取った鍋に戻し、短時間蒸らしてもよい。
今回、蕎麦みたいに茹でてから冷水で洗ったものと、茹でた後さらに蒸らしてから冷水で洗ったものを相盛りしてみた。
ざるに乗せる意味は出てきた。
しかし、洗ったのが失敗だった。
麺と違い、べちゃっとしてふやけてしまうのだ。
そもそも冷たい米って、どうしても美味しく感じにくいものだ。
冷ます必要はなかった。
さて、話をもどすと茹でただけの米よりは、茹でて蒸した米の方がふっくらして美味しい。
ならば、冷水で締めずに、茹でて蒸した米をあたたかいまま出すのが正解だと思う。
その代わりつゆには氷を入れて冷やす。
これがベストバランス。
最後にあっさり系の米ともっちり系の米、どちらが合うのか試してみたい。ゆめぴりかは、日本人が好きなコシヒカリ系のもっちり甘い米をさらに突き詰めたブランド米だ。
これまで使ってた米は、スーパーで特売してた「ななつぼし」。
お高い米ならどう変わるか。
まずはササニシキだ。
調理法が定まったこともあり、一気に料理としてのレベルがあがった気がする。
炊飯器で炊くよりも、どこか香り高い気がする。一粒一粒が立っていて、サクサクとした歯触りが心地よい。麺料理に通ずる歯応えだ。
味も、すっきり淡麗。奥ゆかしい。これはこれで美味しい。
特に、つゆを味わうお米だと思う。
では、ゆめぴりかはどうか。
これ、めちゃくちゃ美味い。
正直こっちの方が好きだ。
もともとが粘り気の強い品種なのだが、茹でたおかげで、サクサクした歯ざわりのあとに、もっちりした食感・強い甘味・旨味がくる。
甘い米って、やっぱり美味しい。
おかずに合わせるにはトゥーマッチかもしれないが、シンプルに味わうざるメシにはぴったりだ。
薬味もなしで、ゆめぴりかそのものを味わいたくなる。
素材の味を大切にするのは、和食的にも本懐ではないか。
正直なところ、
これが初めての外国料理として出されたら、あ、これ美味しいじゃん、と思うところまでは来れたと思う。年に1回くらいなら全然アリだ。
ただ、日常的に食べたいかと言われると、今のところ蕎麦を食べたい。
私は蕎麦を食べたい。
でもどこかでこの知見が実を結ぶことを願っている。
<もどる | ▽デイリーポータルZトップへ | |
▲デイリーポータルZトップへ | バックナンバーいちらんへ |