特集 2023年8月15日

和食のニュースタンダードになるか、ざるメシ

むしろここからが本題。ざるメシにはインディカ米の茹で方が合う

と、ここまでもっともらしいことを言ってきたが、

このざるメシ、今のままでは致命的欠陥がある。

気付いている人も多いかもしれないが、ざるとは余分な水分を切るためのものだ。

炊飯器で炊いた米なら、ざるである必要がない。

これじゃ料理としての必然性に欠けてしまう。

そこで思いついたことがある。

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インディカ米(いわゆるタイ米)みたいに茹でてみよう

米の調理法には2種類ある。

炊飯器で炊く「炊き干し法」と、鍋で茹でる「湯取り法」だ。

以前、小麦を粒のまま食べる記事を書いた時に知ったのだが、米って実は10分茹でればもう食べられるのだ。

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茹でた後、お湯を切ってフタをした鍋で蒸らす

正確には、30分浸水した後、沸騰したお湯で8~10分ほど茹でる。

こうすると、デンプン質がお湯に溶けだす分、さっぱりパラパラした米になるのだ。

茹で終わったらお湯を切れば完成なのだが、お好みで水分をふき取った鍋に戻し、短時間蒸らしてもよい。

今回、蕎麦みたいに茹でてから冷水で洗ったものと、茹でた後さらに蒸らしてから冷水で洗ったものを相盛りしてみた。

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写真では伝わらなくて申し訳ないが、どちらにしろこれははっきり言って失敗だった

ざるに乗せる意味は出てきた。

しかし、洗ったのが失敗だった。

麺と違い、べちゃっとしてふやけてしまうのだ。

そもそも冷たい米って、どうしても美味しく感じにくいものだ。

冷ます必要はなかった。

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湯取り法で茹でた後に蒸し、あたたかいまま盛った米。ふっくらサラサラとして心地よい。インドみたいに手づかみで食べたくなるのもわかる(あちらはインディカ米だけど)

さて、話をもどすと茹でただけの米よりは、茹でて蒸した米の方がふっくらして美味しい。

ならば、冷水で締めずに、茹でて蒸した米をあたたかいまま出すのが正解だと思う。

その代わりつゆには氷を入れて冷やす。

これがベストバランス。

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余談だが湯どり法だとお米が長く感じるのは気のせいだろうか
現状の正解
30分浸水→下味としてパスタみたいに塩を溶かした鍋で8分茹でる→10分蒸す→そのまま盛り付け
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お口直しその2…調布・田麦山の十割蕎麦&ミニかつ丼

 

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最後はざるメシに合うブランド米さがし、ササニシキ VS ゆめぴりか

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このために買ってきた、さっぱりあっさり米の代表「ササニシキ」&もっちり甘め米代表「ゆめぴりか」

最後にあっさり系の米ともっちり系の米、どちらが合うのか試してみたい。ゆめぴりかは、日本人が好きなコシヒカリ系のもっちり甘い米をさらに突き詰めたブランド米だ。

これまで使ってた米は、スーパーで特売してた「ななつぼし」。

お高い米ならどう変わるか。

まずはササニシキだ。

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知人からのカタログギフトでもらったササニシキ。最近では珍しい米だ

調理法が定まったこともあり、一気に料理としてのレベルがあがった気がする。

炊飯器で炊くよりも、どこか香り高い気がする。一粒一粒が立っていて、サクサクとした歯触りが心地よい。麺料理に通ずる歯応えだ。

味も、すっきり淡麗。奥ゆかしい。これはこれで美味しい。

特に、つゆを味わうお米だと思う。

 

では、ゆめぴりかはどうか。

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もっちりふっくらと盛り付けられるゆめぴりか

これ、めちゃくちゃ美味い。

正直こっちの方が好きだ。

もともとが粘り気の強い品種なのだが、茹でたおかげで、サクサクした歯ざわりのあとに、もっちりした食感・強い甘味・旨味がくる。

甘い米って、やっぱり美味しい。

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ツヤツヤキラキラして見目も麗しい

おかずに合わせるにはトゥーマッチかもしれないが、シンプルに味わうざるメシにはぴったりだ。

薬味もなしで、ゆめぴりかそのものを味わいたくなる。

素材の味を大切にするのは、和食的にも本懐ではないか。

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湯取り法なら、そば湯ならぬこめ湯も楽しめる。過酷な減量明けのボクサーが喜ぶやつだ
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けっきょく15個でした。自分ひとりだけでなく、もっと集まってくれないかな
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最後に、現状のおすすめレシピをまとめておきます

どこかで誰かに

正直なところ、

これが初めての外国料理として出されたら、あ、これ美味しいじゃん、と思うところまでは来れたと思う。年に1回くらいなら全然アリだ。

ただ、日常的に食べたいかと言われると、今のところ蕎麦を食べたい。

私は蕎麦を食べたい。

でもどこかでこの知見が実を結ぶことを願っている。

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以前、読者の方から食事シーンが合成っぽいと突っ込まれたけど、壁が白いだけなんです

 

 

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