デジタルリマスター 2024年5月24日

F1になりたい(デジタルリマスター)

F1になりたい。その理由は「かっこいい」からである。あらん限りの技術と資本を投入して人間がコントロールできる限界のスピードを追い求めるF1。機能を追い求めた結果、獲得した流線型のフォルム。耳をつんざくエンジン音。華やいだスポーツビジネスとその裏側の政治的世界。誰がなんと言おうとF1はいつだって「かっこいい」。

そんなかっこいいF1になりたい。
ということで今回は、F1になることにした。

2007年4月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

ざんはわ編集部に所属するざんぎょう(写真右:石川大樹)とはわい(同左:大北栄人)は、ともに1980年生まれ。石川は岐阜、大北は大阪出身。基本的に原稿は2人で作っているが、倍早いかと思ったら倍遅い。

前の記事:皇帝ペンギンがそんなに偉いのか(デジタルリマスター)


とはいえ、ガソリンを主食にしたり走るたびにエンジン音がするのは御免なので、まずは形から入ることにした。いわゆる形態模写というやつだ。

早速公園で形態模写の研究をすることになったのだが、この日はざんはわの二人に加え、友人の佐野が参加してくれた。まずはお手並み拝見ということで、この3人がそれぞれ自分なりのF1を表現してみた。
なお、下にF1の各パーツの名称が書いてあるので、記事を読む際の参考にして欲しい。

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横のでっぱりはサイドポンツーンというらしい
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ざんはわ石川のF1

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正面
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側面

一番手にもかかわらず、「本気出していいの?」と自信満々で披露したのがこのポーズ。
うつぶせに寝転がり全身でF1のボディを表現している。顔を上げているのは、コックピットから見えるドライバーの頭を意識してのことだ。前にのばした両腕がノーズ(ボディ前部の細くなっていくところ)をあらわしていて、先端で左右に開いた手がフロントウィング(F1の先っちょでイカみたいになっているところ)だ。
また、ひざを曲げて足を上げているのは、リアウィング(F1の後ろの上についている平たい部分)を表現している。

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ざんはわ大北のF1

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正面
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側面

こちらはあおむけでのF1だ。おなじく上げた頭はドライバーをあらわしていて、伸ばした足でノーズの先細り感を形作りつつ、少しひざを曲げることでF1の流線型をうまく表現。また、腕を少し広げることにより、車体の水平方向のボリューム感を出すことに成功している。 

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友人・佐野のF1

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正面
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側面

カメラ役に同行してもらった友人にもついでにF1を披露してもらったのだが、3人の中で最も衝撃的だったのは彼のF1だった。
うつぶせで車体を表現している点は石川と同じなのだが、佐野は足のほうを正面に持ってくることで、F1の流線型をつくった。
ガニマタに開いた足でノーズの先細りとサイドポンツーンの広がりを表現し、広げた腕で車体のボリューム、持ち上げた頭でリアウィングを形作っている。

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3通りのF1がでそろう

三者三様、自分なりのF1感がよく出たいい形態模写だ。それぞれ自分が大事にしたいF1のパーツに体のパーツをあてはめているため、説明を受ければかなり「気持ちはわかる」感じの絵になった。しかし、まだまだ通りすがりの人に「F1がいるな」と思ってもらえるレベルではない。もっと写実的に、F1のビジュアルを忠実に表現せねば。

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資料を当たれ

記憶を頼りにまねしていても限界がある。よりF1に近づくために、持参した資料を見て研究することにした。

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ノートパソコンとF1の本・雑誌を準備

持参した資料はモナコGPの軌跡を追ったDVDや、F1の解説書籍数冊、F1特集の雑誌に加えてミニカーも持ち込んだ。ただしミニカーはF1がなかったのでしかたなく「パンダ輸送車」となってしまった。愛らしいパンダは資料としてどうにも有効でなかったので割愛させていただく。

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PCの画面に石川が反射。このときF1と石川の心がひとつに!
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ドライバーの視点も取り入れてはどうか
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エンジン音はどうだ?

 

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近づいてきた。

一人じゃないということ

DVDや本、雑誌を見ていろいろやってみるのだが、今ひとつF1に近づけない。F1の車体にはとがったところや長いところ、すなわち「かっこいいところ」が多すぎて、それらを表現するのに人間の手足だけでは足りないのだ。
しょせん人間がF1みたいにかっこよくなろうなんて無理な話なのか。今日のところはおとなしく帰って無造作ヘアの練習にでもいそしもうか。停滞する重い空気の中、今まで押し黙っていた石川が口を開いた。
「2人でやればどうか?」

⏩ 次ページに続きます

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