特集 2025年8月12日

阿蘇山の火口を見学する

阿蘇山の近くを通りかかったのでにふらっと立ち寄ることにした。阿蘇山の中岳は火山活動を続けていて、噴煙をあげる火口を現在でも気軽に見学できるのだ。

この暑い夏は活火山で決まり!たまには直球の観光地をまっすぐに楽しんでこよう。

1993年生まれ。京都市伏見区出身、宮崎県在住。天性の分からず屋で分かられず屋。ボードゲームと坂口安吾をこよなく愛している。

前の記事:朝から花火をする

> 個人サイト もがき続けて100年生き抜くブログ >ライターwiki

阿蘇山という山はない

熊本空港まで家族を迎えに行った折、弟が阿蘇の火口を見たことがないと言うのでついでに連れて行くことにした。

ついでと言っても地球の長い歴史からすれば山々が生まれたついでに人間が発生したようなもので、どうも人間は偉そうでいけない。

image4.jpg
そりゃあもう立派な景色ですよ

実は阿蘇山という単独の山はなく、阿蘇カルデラの中央にそびえる阿蘇五岳と呼ばれる火山群と外輪山を総称して阿蘇山という。

ちなみに地理に弱いわたしは阿蘇地方で見かける山々はぜんぶ阿蘇山だと思っている(最近のアイドルはみんな同じ顔に見える!のテンションで)。

いったん広告です

草千里ヶ浜はオープンワールド

阿蘇山は観光面でいうと原っぱが広がる草千里ヶ浜と中岳の火口見学が特に有名で、今回はシンプルにそのふたつを見てきた。

まずは草千里ヶ浜から。

image10.jpg
草千里。平地で人がこんなに小さく見えることってないな

その名の通りどこまでも草原が広がっていて、放牧された動物を見ることもできる。なんせあたり一帯が牛馬の糞まみれなので糞千里と呼ぶ人もいるらしい。

image3.png
よくできすぎた景色

雄大な景色のなかに小さく映る人間と動物、雨水がたまり自然にできた池、はるかに見える濃い緑色の山。嘘みたいによくできた景色で冒険系のオープンワールドみたいだ。

image19.png
オリンピックできるくらいのでかさの池
image7.jpg
人が小さくて可愛い。これなら愛せる

歩いていると弟が急に笑いはじめて、なにごとかと思ったら動物のフンから生えるキノコを発見して喜んでいた。そしてこの日でいちばん丁寧に写真を撮っていた。

image8.jpg
ここまで再現するオープンワールドはまだない
いったん広告です

火口付近は風がすごい

草千里ヶ浜から車を走らせればそのまま火口のそばまで行くことができる。いつも職場やスーパーに行くのに使っている自家用車で火口のそばまで!

image9.jpg
入口や出口のテンションで
image12.jpg
火口があって笑いました

火口見学はいつでもできるわけではなく、噴火警戒レベルが高いときはもちろんのこと、風向きの具合でガスが流れてきて危険なときなんかも不可能となる。自然中心だ。

image1.png
そして風がすごい

いまここで触れておこう。阿蘇山は風がすごい。夏真っ盛りなのに寒さを感じるほどなのだ。朝食を食べていなかったら体が軽くて吹き飛ばされていただろう。

風で全身が冷え切って疲労まで感じたのは初めてのことだった。この寒さはおもしろいのでぜひ現場で味わってもらいたい。

image13.jpg
ずっと吹いている

火口付近には退避壕が点在していて、現役の活火山っぷりを感じられる。

image17.jpg
必然性があっていい
image2.jpg
一国一城の主だ!
image5.jpg
内壁は落書きにまみれていた

避難壕の内壁は落書きまみれだった。事と次第によっては人生最後の喫緊のメッセージが残されるようなところに「国試ガンバ」はおかしい。

image6.jpg
火口監視車
いったん広告です

火口を見るぞ

それではいよいよ火口を見よう。

image14.jpg
……おお
1.png
おお!!!

火口を覗き込むと見える火口湖の水は火山由来の成分が溶け出したものらしく独特の色をしている。確実に分かることは落ちたら帰ってこれないということで、さすがに迫力がある。

風向きの影響なのか特別にガス臭かったりはしなかった。火口湖にむかって手をかざすと少しあたたかいような気がしたが、これは気のせいかもしれない。

image18.jpg
煙と雲の境目があいまい
image16.jpg
草千里とはうってかわって植物があまり生えていない。目立つ動物も人間だけ

火口を見学するといっても数分も眺めれば満足できる。正直に言えばすぐ飽きた。

飽きてしまったあと、火山とは直接関係ないひとつのことでわたしの頭はいっぱいになっていた。

それは、火口付近の駐車場に停まっている車のアルファード/ヴェルファイア率の異様な高さである。体感で3台に1台はそのどちらかだった。なんだったんだろうか。

編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
王道の観光情報ですが、阿蘇山という山はない、オープンワールド、きのことコネタと独自の視点があって書き手がしっかり出ている佳作となってます。奇行が得意な窪田さんですがこういうの書けんじゃんねえ。
最後の疑問がすごく伏線っぽいのに全く伏線になっていません。勝手に理由を想像しましょう。(林)

▽デイリーポータルZトップへ

記事が面白かったら、ぜひライターに感想をお送りください

デイリーポータルZ 感想・応援フォーム

katteyokatta_20250314.jpg

> デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」が届きます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ