つわものどもが 夢の後
デイリーポータルzのライター陣に声かけしたところ、おれもわたしもと多くの方に反応をいただいたので、えいやと一堂に会することにした。
今回集まっていただいた方々は次の通りである。いや、言い方を変えよう。
いかれたメンバーを紹介するぜ!
唐沢:持つつもりもないんだ
目標がないと見失いがち
人はなぜ楽器を積むのか。最もわかりやすい理由としては「目標がないから続ける理由がない」がありそうだ。
江ノ島:僕は三味線をやってました。好きなアーティストがギターと三味線をやっていて、いいなと思って。でも何に向かってやってんだろう、と思って分からなくなってやめました。
りばすと:あ〜、分かります
唐沢:発表の場があると締め切りにもなるし、やる気になるんですけどね
りばすと:僕は弾きたかった曲が思ったより難しくて挫折しました。教則本に乗ってるリズムが弾けるようになって、よっしゃじゃあと曲にチャレンジしたら手も足もでなかった。それから目指すべき目標がなくなってしまった。
石川:あー。そういう人結構いそうだな〜
ネッシー:一人だと上手くなってるかどうかも分からないですしね。
石川:やっぱり習いに行ったりした方がいいんですよね。第三者の視点があった方がいい。
唐沢:でも一時期練習してただけで立派ですよね!
りばすと:そんなことで褒めてくれることあるんだ
始めから積んでいた人
一方で、そもそものスタート地点に立っていなかった人もいる。
米田:友人にギターをもらったのですが、もらった時に「錆びてるけど、弦交換したら使えるから!」と言って渡されました。でも弦の換え方が分からなかったから何にもならなかったです。
りばすと:弦の換え方は教えてくれなかったんですね
米田:本人も換え方が分からなかったらしいです。結局積んでしまったので捨ててもいいか、と聞いたんですけど「いいものだからだめだ」と言われました。
石川:それはもう米田さんの家が倉庫として使われているのでは......?
米田:でもやる気はあるんで。この前YAMAHAに弦を持っていけば換えてもらえると聞いたので、換えたら再チャレンジします。
積み楽器会らしからぬ前向きな発言である。ぜひ頑張ってほしい。
人前で楽器を練習する勇気
ネッシー:私は昔ビッグバンドに入った時に、ライブに出るためにボンゴを買いました。ライブに出なくなったら使う用事がなくなっちゃって......。買った時は公園とかで叩いてやるぞ!と気が大きくなってたんですけど、全然そんなことなかったです
石川:公園は近くにないんですか?
ネッシー:あります。でも勇気がないんです
江ノ島:気持ちの問題なんだ
ネッシー:ライブだとボンゴ担当として見られるからいいんですけど、公園だと「急に太鼓叩き始めた人だ」って思われるじゃないですか。それが恥ずかしくて。
ネッシー:音が大きいので家では叩けず、カラオケに行くと歌う方が楽しくなっちゃうので叩けず。結局叩けずじまいです。
りばすと:カラオケ屋だと歌っちゃうのも、完全に気持ちの問題だな......
楽器経験者も積むという知見
ちょっと待ってほしい。ボンゴの行く末に気を取られていたが、聞き捨てならないことを聞いた気がする。
りばすと:あれ、というかそもそも楽器は出来る人なんですね
ネッシー:はい、元々吹奏楽をやっていて。
江ノ島:楽器できる人でも積むことってあるんだ
唐沢:それで言うと私も中学高校時代に吹奏楽部でチューバをやってました。
米田:すごい!
そんな馬鹿な。さっきまでみんな仲間だと思っていたのに急に突き放された気分である。なんでだよ、一緒にノー勉でテスト受けようって言ってたじゃんかよ。
ただ楽器経験者でも楽器を積むんだ、というのはなんとなく勇気づけられる話だ。楽器経験者でさえ積むのに、未経験者なんて積まないはずがないのである。