物理的には間違えなさそうだけど、心理的に間違えそう
青梅と青海。実際に行ってみることで、それぞれの印象がしっかり胸に刻まれたので、幸い私は今後、この駅たちを間違えることがなさそうだ。だけど、からだでは間違えなくても、心がするっと間違えてしまいそうな不安がある。
というのも、この記事を書いている最中、何度か「おう…み??だっけ??あれ、違うな…」って悩んだのだ。「おうみ」って駅は、新潟にはあるけど、東京にない。
東京にあるのは「おうめ」か「あおみ」である。
がんばれ、我が脳よ。
ビルの高さ具合から、さっきよりもちょっとだけ23区に近づいてきた気配を感じる。
ぽぽちゃんは、話しかけた内容をそのまま復唱してくれるようだ。
「こんにちは」と健気に言い返してくれるぽぽちゃん
もしかして、ぽぽちゃんの力を借りれば、「咳をしてもひとり」ではなくなるのではないか。画期的だ。
青梅線と中央線のわかれめ、立川にもちらっと寄っておきたい。
南口に一度行ってみたかったお店があるのだ。
のんびりしたい気持ちもあったが、こらえる。これには理由がある。実はこの日、東中野駅付近で、ずらしにくい通院の予約を入れてしまっていたのだ。
記事の途中でなぜって感じであろうが、旅と日常動作をまぜこぜにできるのが、東京在住者の東京旅ってことにさせてほしい。
せっかくなので大盛軒にも寄りたい。大盛軒とは、東中野の老舗定食屋である。
腹ごしらえをしっかりしたところで、新宿を経由しながら、ゆりかもめに向かう。さっきまでいた場所と人口密度が違いすぎることを、頭ではわかっているのにくらくらする。これも東京。あれも東京。全部東京。東京の顔が、いっぱいありすぎる。
ゆりかもめの沿線をどう楽しもうか。考えたときにふと思い立った。レインボーブリッジを歩いてみたい。
到着したのは最終入場時間の直前、ぎりぎりだった。
警備員さんから「少し急ぎめに歩いてもらえると…」と丁寧に伝えられ、ごめんなさいと思いつつ順路を進む。
すると…
すっかり脳内に「かっこいい」しか浮かばなくなってしまった。建造物のスケールや高低差がとにかくすごい街・中国の重慶に行ったときのことを思い出した。
猛々しい建造物に包まれると、自分の存在がいつもよりももっともっとちっぽけになる。いっそ清々しい。こうやって自分の小ささを認められるのは、一周回ってとても気持ちがいいのだ。
橋、海、ビル、人。 めまぐるしい。今日訪れたどの街もみんな、誰かが作った街なのになんでこんなにも違うんだろう。
そして、なんとなく青海にたどり着いた。
青梅から青海。1日のうちに移動をすると、目眩がするんだなぁと思った。でも悪い目眩じゃない。こういう高揚感なら大歓迎だ。
温麺を買ってしまったのは、おそらく気持ちが高ぶったからだろう。それと、これまでに自分が見てきた温麺のなかでいちばん短かったからかもしれない。それ以外の理由が思いつかない。
いや、もう理由なんてどうでもいいか。おいしそうだし。
青梅と青海。実際に行ってみることで、それぞれの印象がしっかり胸に刻まれたので、幸い私は今後、この駅たちを間違えることがなさそうだ。だけど、からだでは間違えなくても、心がするっと間違えてしまいそうな不安がある。
というのも、この記事を書いている最中、何度か「おう…み??だっけ??あれ、違うな…」って悩んだのだ。「おうみ」って駅は、新潟にはあるけど、東京にない。
東京にあるのは「おうめ」か「あおみ」である。
がんばれ、我が脳よ。
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