熊本は魅力の宝庫
私は九州出身なので、わかってはいたけれど、熊本は魅力だらけだった。食べても美味しいし、街並みも美しい。新幹線も走っているし、路面電車もある。スクランブル交差点も日本初だし、熊本空港では日本初のカテゴリーIIIの計器着陸装置を導入するなど最先端でもあるのだ。いい街だった。

山鹿市に「不動岩」というものがある。山腹にある奇岩だ。平安時代頃から山伏たちの修験場となっている。また民話にもなっており、昔から親しまれてきたことがわかる。ちなみにそこに行く道は細いので、車で行くのはドキドキした。
この岩は日本列島が形成される前の、5億年以上前、古生代の「変はんれい岩」でできている。近くで見ても大きいのだけれど、離れたところからでも大きく、目の前に現れた時に驚く。「大きい岩があるぞ」とテンションがあがるのだ。
次はオススメいただいた「山うにとうふ」だ。「うに」を思い起こさせる食感と風味を持つ豆腐。800年間受け継がれる伝統保存食「豆腐の味噌漬け」を現代風にアレンジしたものだ。
山うにとうふを販売しているのは「五木屋本舗」。今回は本店に買いに来たけれど、いくつか店舗もあるし、おみやげ屋さんに行くと必ず売っていた。ゆず味やしょうが味、しそ味などもあるけれど、今回はオリジナルを購入した。
秘伝のもろみ味噌に長時間じっくり漬け込んだ豆腐だ。黄色が美しい。そのまま食べてみるととても味が濃い。とろけるような食感で味が濃い。味が濃いことは素晴らしいことだと思っているので美味しい。
お酒のアテによい気がする。今回オススメしていただいたのが、クラッカーに乗せて食べるというもの。日本の伝統食に海外のクラッカー。この組み合わせが非常にいい。パーティーに行ったらぜひこれをおいて欲しい味だった。カナッペの新たなる刺客だ。
山うにとうふ自体が味が濃いので、クラッカーにとても合う。ワイングラスで日本酒を飲みたくなる感じだ。クラッカーが止まらなかった。最近ダイエットしているので、とめて欲しかったのだけれど、止まらなかった。美味しいのだ。
山うにとうふは味噌に漬け込んだ豆腐だった。そして、熊本には日本で唯一の「味噌天神社」がある。本当は「本村神社」だけれど、「味噌天神社」と一般には言われているし、その近くにある路面電車の駅も「味噌天神前駅」だ。
今は味噌の神様を祀る神社ではあるけれど、もともとは違った。713年頃にこの辺りで疫病が流行る。そこで「御祖天神」という神薬の神を祀ったものを作る。その後、いろいろあって「味噌」となり、日本唯一の味噌の神様となったわけだ。
いよいよ旅も終盤。熊本と言えばなんだろう。そう、馬料理だ。歩いていると馬刺しを始めとした馬料理のお店をよく見かける。今回オススメしてもらったのが、「道の駅 七城メロンドーム」の馬串。名前からもわかるように、メロンが有名でメロンジュースなどもあるのだけれど、季節ではなかった。
外に並んだお店で馬串は売っている。熊本が馬料理で有名なった理由はおそらく加藤清正の時代まで遡る。歴史ある食材なのだ。あまり馬を食べる機会はないので、楽しみだ。
シンプルな味付け。馬肉自体が臭くない証拠だ。食べてみると柔らかく美味しい。流通が多いのならば、ぜひ全国の焼き鳥屋において欲しい味だった。馬料理というと、馬刺しとかさくら鍋が有名だと思うけれど、馬串も最高ではないか。
私は九州出身なので、わかってはいたけれど、熊本は魅力だらけだった。食べても美味しいし、街並みも美しい。新幹線も走っているし、路面電車もある。スクランブル交差点も日本初だし、熊本空港では日本初のカテゴリーIIIの計器着陸装置を導入するなど最先端でもあるのだ。いい街だった。
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