謎の穴「トンカラリン」
和水町に謎の穴「トンカラリン」がある。名前だけを見るとかわいい。かりんちゃん、ダーリン、みりんなど、リンがつくとかわいいのだ。ただこのトンカラリンはそうではない。もしかするとかわいいのかもしれないけれど、謎なのだ。

全長445.1mに渡る暗渠や地割れなどで構成されている「何か」だ。謎なのだ。なんのために作られたか未だにわかっていない。排水路説もあれば、古代人の信仰遺跡説などもある。なにかわからないのだ。


一部は危険のため立ち入り禁止になっているけれど、入れるところもあるので、そこに行くことにした。潜るという表現がいいのだろうか。本当に狭い。四つん這いでどうにか進める感じだ。前日の雨の影響なのか、中はベチョベチョに濡れている。

本当は「往復したるで」くらいの勢いだった。その証拠に汚れてもいい服を着ているし、靴もスリッパ的なものを履いている。でも、やめた。最大の理由は私の愛用している防水カメラが壊れたからだ。中は土と水なので、防水カメラでないと厳しい。でも、壊れたのだ。

トンカラリン、恐ろしい。狭い、暗い、怖い、で記事を構成しようと思っていたのだけど、カメラが壊れるんだもん。一眼だとそもそもこの空間では邪魔で身動きがとれない。そして、足の裏と指を擦りむいた。トンカラリンを甘く見てはダメだ。カメラ、ショックだ。

こういう冒険的なのは好きなので、楽しみにしていたのだけれど、カメラが壊れたら終わり。無理なのだ。記録に残らない。足の裏と指もすりむいているし。いつかまた来たいと思う。めちゃくちゃ楽しかったので。

リバテープだ
トンカラリンですりむいたので「リバテープ」を貼ろうと思う。リバテープとは「絆創膏」のことだ。私が住んでいた九州地方では絆創膏を「リバテープ」と呼ぶ。「ばんそうこう」も「カットバン」も「サビオ」も全部「リバテープ」なのだ。



九州では特にお馴染みのリバテープを作っているのが「リバテープ製薬株式会社」。その本社があるのが熊本なのだ。子供の頃からお馴染みのリバテープが熊本生まれとは知らなかった。ちなみに日本で最初に絆創膏を作ったのもリバテープ製薬株式会社だ。

本社に来たけれど、別にドラッグストアやスーパーなどで普通に「リバテープ」は売っている。あと絆創膏を全て「リバテープ」と呼んでいるので、何を買ってもリバテープなのだけれど、本当のリバテープを買った。

懐かしい。リバテープと言って「絆創膏」と伝わる感動。東京に出てきてから「リバテープ」と言っても全然伝わらなかった。熊本はリバテープの本場。伝わるのだ。さぁ、私の傷を癒しておくれ、リバテープ。



時間が止まる
宇城市にある「三角西港」を訪れた。明治三大築港のひとつだ。あとの2つは福井の三国港、宮城の野蒜築港。三国港はこの企画で福井を行ったときにオススメされて訪れている。野蒜築港にも行って三大をいつか制覇したい。

オランダ人水理工師のローウェンホルスト・ムルドルが設計した港だ。石積み埠頭や排水システムなどが配されている。将来的な港の土地利用を想定して、道路や水路の設計も行っているのが特長だ。


旧三角海運倉庫や旧宇土郡役場、旧高田回漕店などが並んでいる。また小泉八雲が「夏の日の夢」の舞台とした旅館「浦島屋」も復元されている。レトロな街並みを堪能できるのだ。時間が止まっている感じが素晴らしい。




個人的に一番時間が止まったのは「浦島屋」に飾ってあったドレスの前だ。その建物にはとても似合っているドレスだった。マネキンのようなものが着ているものもあるけれど、ハンガーにかかっているドレスもある。

これは着ていいのだろうか、と悩んだ。ハンガーのやつは着てもいいやつなのだろうか、でも、どこにも何も書いていない、でも着たい、と考えていると時間が止まった。私はこういうやつはぜひ着たいタイプなのだ。めちゃくちゃ着たいタイプなのだ。

一勝地駅で着る
三角西港では悩んだ末、ドレスを着るのをやめた。万が一、ダメなものだったら大変だから。なぜ着たくなるのだろう。観光地や博物館で試着できたりするものがあれば、全部着たいのだ。その夢を叶えてくれたのが「一勝地駅」だった。

球磨村にある肥薩線の駅「一勝地駅」。「足を地につけて努力してまず一勝を」ということで、縁起がいいとされ、受験生やスポーツ選手に人気の駅だ。必勝記念の入場券なども売っている。ちなみになぜ「一勝地」という地名がついたのかはわかっていない。



学生服の貸し出しを行っているのだ。これを来て写真を撮れるのだ。私は受験生ではないし、スポーツ選手でもないけれど、勝ちたいじゃない、何かに。ということで、着た。学生服を着た。一人で学生服を着た。満足だ。

ヒライのお弁当
大満足と言えば「おべんとうのヒライ」だ。熊本を走っているとめちゃくちゃよく見かけた。コンビニの次くらいによく見かけた。夏のセミくらい頻繁に見かけた。美味しかったので、熊本にいる間、6回行った。

店内で食べることもできるし、お惣菜が並んでいるので、それを選び買って持ち帰ることもできる。もちろんお弁当も売っている。有名なのが「ちくわサラダ」だ。初めて食べたのだけれど美味しかった。


めちゃくちゃ美味しかったので、どうにかカッコよく写真は撮れないかと頑張り、上記のような写真になった。ちくわの穴にポテトサラダが入り、それを揚げている。ボリューミーだけれど、1本食べるともう9本は食べたいとなる。

ちなみにこれはコロッケにもなっている。ちくわにポテトサラダが入り揚げてあり、さらにコロッケとどんだけ足し算しているの、と思う一品だ。「ちくわサラダコロッケ」。もちろんこれも美味しい。美味しいものしかないのだ。

ヒライと言えば「ちくわサラダ」が有名なのだけれど、ぶっちゃけると何を食べても美味しい。フランス料理のような美味しさではない。地に足ついた毎日食べたい美味しさなのだ。本当に美味しいから6回も行っちゃったのだ。

困った、美味しくて。熊本に住んだら確実に私は太るだろう。先の栗んとうもそうだし、美味しいのだ。気張ってないもので美味しいというのがすごい。しかも、お茶まで美味しいの。八女茶のペットボトル。こればかり飲んでいた。
