本州最南端に行く
日本の最南端は沖ノ鳥島だ。では本州の最南端はどこなのか、と言えば和歌山の串本町の潮岬である。この辺りには本州最南端のポストや本州最南端の駅などがあり、何もかもが最南端となる。端っこに来たという喜びがある。
この辺りでは何をしても、本州最南端の何かになる。上記の写真は本州最南端の自撮りということだ。そのためにカメラやスマホを設置できる台もあり、本州最南端の自撮りを応援してくれている。
広い芝生がある。人は芝生を見ると走りたくなる。さらに広いと疾走に至る。走らないという選択肢はないのだ。向かいにある潮岬観光タワーに行くと、「本州最南端訪問証明書」がもらえる。そういうのは欲しいので当然もらった。
素晴らしく曇天だった。世の中には素晴らしい曇天というのも存在するのだ。スカッとする青空を見たいかもしれない。太陽の光を感じたいかもしれない。しかし、曇天もいいのだ。写真を撮る時に逆光とかを気にしなくていいから。そういうことにしたい。
そういえば、北山村でも「飛び地の村訪問証明書」をもらっていた。和歌山は証明書の県なのかもしれない。印鑑証明だけではない、納税証明書だけでもない、独身証明書でもない、本州最南端訪問証明書と飛び地の村訪問証明書という喜ばしい証明書が和歌山にはあるのだ。
JR串本駅が本州最南端の駅になる。特別変わった駅ということはないのだけれど、本州最南端。達成感のようなものがある。九州で生まれた私が本州最南端にいるんだ、という達成感。ちなみに九州最南端は佐多岬。鹿児島に住んでいたので行ったことがある。
古墳群に想いを馳せる
和歌山では後期旧石器時代のナイフなどが発見されているので、昔から本当に昔から人々が生活を営んできた。今回オススメしてもらったのは「紀伊風土記の丘」。岩橋千塚古墳群の保全と公開を目的として1971年8月に開館した丘だ。
岩橋千塚は江戸時代にはすでに有名で、1812年に発刊された「紀伊国名所図絵」にも記されている。和歌山には約1500基の古墳があるけれど、そのうち約850基が岩橋千塚古墳群に含まれている。半分以上がここにあるのだ。和歌山で古墳を見たいと思ったら、この丘なのだ。
850基だから広い。だって850基だもの。約65haもあるのだ。ちなみに平方インチに換算すると「1007502015.00403」である。どうだ。平方インチを見慣れていないので、凄まじい数字が並んでいることしかわからないけれど、とにかく広いということだ。
案内看板が「なんとか古墳」ではないのだ。だって、850基あるからね。園内にあるのは約430基だけれど、どちらにしろわかりやすく看板を作ると「古墳群」ということになる。適当にその辺を見ても古墳。石を投げれば古墳に当たるレベルだ。
どこが古墳かわからないと思うけれど、この写真にはおそらく4つの古墳が写っている。手前から、前山B221号古墳、前山B223号古墳、前山B224号古墳、前山B225号古墳だ。
岩橋千塚古墳群は5世紀から7世紀に作られた国内最大規模の群集墳だ。石棚石梁を持つ「岩橋型横穴式石室」も作られた。国内唯一の人物埴輪「両面人物埴輪」なども見つかっている。
私は歴史ロリコンである。歴史の若い頃のものが好きなのだ。とくに縄文時代大好き。一方で昭和も好きなので、ロリコンとその反対を併せ持っている。その反対をなんと呼べばいいのかわからないけれど、とりあえずいま興奮している。
問題があるとすれば、こんなに広いと思っていなくて時間がないことだ。この日、この後帰ることになっていたので、1時間も滞在できなかった。平方インチに換算すると「1007502015.00403」だもの。1時間じゃ無理。1日かかる。次はもっと時間をかけてゆっくり見たい。めちゃくちゃ面白かったから。
地元アイスを食べる
地元だけの食べ物がある。ご当地パンなどがそうだ。和歌山にも当然あるのだけれど、今回オススメしてもらったのは、「ご当地アイス」。それは株式会社玉林園の「グリーンソフト」だ。コンビニに普通に売っているとのことだったけれど、確かに普通に売っていた。
全国に流通しているアイスと共に普通に「グリーンソフト」が売っていた。1958年に発売された世界初の抹茶ソフトクリームだそうだ。北山村のじゃばらが世界一の生産量で、抹茶ソフトクリームは世界初。和歌山の戦闘力は高い。
食べてみるとこれがさっぱりしていて美味しい。甘ったるい感じがなく爽やかなのだ。問題があるとすれば、冬に外で食べると寒いことだ。もともと夏場にお茶の売り上げが落ちることで、開発されたのがこれなので、冬に食べるのはなんか違う。ただ美味しいからよしだ。